いっしょがごちそう
私は食べることが1番大好きだ。毎日、お母さんに作ってもらうお弁当が楽しみで、登校する時から待ち遠しい。
授業の間の休み時間に、お菓子を食べる。4限も受けてからご飯だなんて、学校に着いた時点でお腹は空いている。チョコレートをパクリと食べていると、隣の席の男子が声をかけてきた。
「田中さんまたお菓子食べてるの?もうお腹空いちゃった?」
隣の席は、絶賛アプローチ中の好きな人だ。隣の席になるまでは存在すら気付いていなかったけれど、関わるに連れて惚れてしまった。隣の席、堀くんはイケメンでサッカー部、そして文武両道で学年屈指のイケメンなんて言われているらしい。これは友達情報。
私は可愛らしくない大食いだという事がバレたくなくて、数日お菓子等を我慢したけれど、普通に無理だった。
「お腹すぐ空くんだよね、堀くんも食べる?」
「甘いものを食べたくなるのは頭使ってる証拠だよ。お言葉に甘えてもらおうかな」
私はこの時間が続けばいいのになあ……なんて思っていた。席替えはもう少しだし、離れたら話せない気がする。
「あのさ……」
「ん?」
「よかったら、お昼ご飯一緒に食べない?あのその、私の友達も堀くんの友達も一緒に!!!」
私は思い切って思い出作りにでもと思い、提案してみた。本当は2人がいいけど、ワイワイするのも楽しいと思い言った。
「おー!いいね!言っとくよ」
お昼休みになると、複数人で机をくっつけ私のとても仲のいい友達1人と堀くんの友達2人で食べていた。なんと、私は堀くんと隣だった。私の友達は、グイグイ系で私の聞けないような質問なんかをしてくれた。
「ねぇ、堀はさあどんな女子がタイプ?」
私は思わず吹き出しそうになった。1番聞きたいけど、1番聞けない質問。私は親友に感謝した。
「ん〜、食べ物を美味しそうに食べる人かな?」
「へえ〜」
「田中さんは?」
「、え!???」
私は2人の会話を聞きつつ黙々とお弁当を食べていたので、急にそれも堀くんから話を振られてびっくりした。
「私は……優しい人かな〜私が沢山食べても許してくれる人!」
「いいね。」
「田中ってよく食べる割に太らねぇよな」
「おい、女子に失礼だろ」
堀くんの友達が言ってきたが、それは嬉しい言葉でもあった。私は体型維持のために夜にランニングをしていたりする。
「堀くん大丈夫だよ。夜ね、ランニングとかして出来るだけ体型キープしてるの」
「へぇ!すげぇな。本当に食べるのが好きなんだな。まあ俺も体作りのために弁当2個持ちで授業中食ってるけど」
「2個持ちか〜すごいね朝練の後いつも食べてるよね」
「そそ。」
堀くんの友達は話しやすく、楽しく会話しているとあっという間だった。親友は堀くんのともに興味を持ったようで。また一緒に食べようと言って解散し、5時間目が始まったが、ふわふわとしていた。すると、隣から紙が投げられた。堀くんだ。
4つ折りの紙を開くと、こう書いてあった。
「今度は2人で食べようね」
私は百面相をするしかなくて、隣を見て頷くしかなかった。
堀くんのこの隣の席が私にとってはごちそうだ。




