本日はお日柄もよく
レースが沢山あしらわれたドレスに身を包み、メイドのアンナにゆるくカールした髪をハーフアップにしてもらいリボンをつけてもらった。鏡を何度も見て私は準備をしていた。
今日は、幼馴染の家へ行きアフターヌーンティーをする予定だ。幼馴染のレオは2つ歳上で、子どもの頃、追いかけっこやら、おままごとをしてもらっていた。今から考えたら、レオは楽しめていたのか申し訳なくなってくる。
レオとは久しぶりに会う。珍しくレオからの招待でのお茶。メイド達は、朝から忙しそうだった。私はバラの浮いたバスタブに突っ込まれたり、メイドと私も合わせてドレスを選んだり。メイド達が本気になるのも分かる。年頃のレオに呼ばれたという事は……という事だろう。私はまさかだと思っている。子どもの頃やんちゃした仲だし、普通に友達というか兄のようにみている。
馬車に少し揺られ、レオの家についた。
「ミラ。久しぶりだね。今日は来てくれてありがとう」
私が馬車から降りようとすると、手を握ってくれてレオはモテるんだろうな〜と思った。
「レオ久しぶりだね。今日は呼んでくれてありがとう」
「会いたかったよ。早速、東屋に行こう。準備をしているから」
レオに促され、東屋へとついて行った。庭には沢山のお花が植えられていて、咲き誇り綺麗だった。レオのお母さんはお花が好きだからだろう。
「レオのお母さん相変わらずだね。お花が本当に綺麗」
「ああ、そうなんだよ。自ら世話をしているんだよ」
東屋につくと、私の好きなイチゴのケーキやマカロンやらが並んでいて私の好みに合わせてくれたのが分かる。
「ミラの好きなイチゴを沢山用意してもらったんだ。今日は好きなだけ存分に食べてね」
「ありがとう!とっても美味しそう!!」
全部食べてしまいたいが、私は花嫁修業として政治を学んだり、女性として1番大切なマナーを学んだ。それを活かし、フォークやナイフで1口サイズに切り口へと運ぶ。
口に入れると甘酸っぱいイチゴと生クリームで、ほっぺたが落ちる美味しさだった。手を止めているレオの方を見ると、驚いた顔をし、そしてにっこりと笑った。
「綺麗に女性に成長したね。小さい頃は、ケーキ1口で食べようとしていたのに」
「もう!忘れてよ。」
私は覚えていない恥ずかしい幼い頃の話。確かに、マナーの「マ」の字も知らなかった。恥ずかしくて赤くなった顔をパタパタと冷ましていると、レオが座り直しこちらを真っ直ぐ見てきたので、私も座り直した。
「レオ……?」
「あのね、今日呼んだのはミラに話があって呼んだんだ」
「話……。」
「俺、ミラのお父さんにミラを嫁にもらいたいって言ったんだ。そしたら二つ返事で、承諾してくれて……その、ミラの気持ちが知りたいんだ」
え?
私にその話回ってきてないから、レオが聞いてくれてるってこと?お父様何を勝手にやってるの?確かに政略結婚とかになると、親の言いなりに子どもはなるしかないのだが。
「ミラは俺の事どう思ってる?」
「レオは年上でお兄さんみたいで……その、ごめんなさい今、急に言われたら混乱して…」
「急にごめんね、…恋愛対象には見れない?」
「…逆に質問だけど、レオは私の事が好きなの…?」
「正直に言うと、小さい頃から好きだね」
「そう、……私もレオの事は嫌いじゃないし好きだよ?人として、尊敬もしてるし。結婚してもヤジゃない」
「ヤジゃないか……ミラが嫌なら縁談は破談でいいんだ。ミラのお父様には話をつけるし」
私はいざとなると分からなかった。私はレオの事が好きなのかどうか。
「正直に言うと、好きかどうかは分からない」
「分かった。じゃあ、俺が好きにさせるから」
「え、」
レオは見ない間に変わってしまったらしい。にこりと微笑んで甘い顔をした。こんなレオ知らない……私が知ってるのは私の前を進む、遊んでくれる兄のような…。
「嫌なら今言って。嫌じゃないなら話を進めちゃうよ」
「嫌じゃないけど、レオなんか変わっちゃったね」
「こんな俺の事嫌い?前の方がいい?」
「ううん、……」
「じゃあ、縁談成立でいい?」
「うん」
話が終わったようなので、頭を整理するためにフォークに再び手を伸ばした。ミニカップケーキを口にしたが味がしなかった。レオも少し戸惑っている私に気づいているようで。
「ミラは鈍感だからね、俺がずっと好きだってアプローチしてても気付かなかったからね。数十年分の「好き」を伝えるから受け止めてね?」
レオが恥ずかしげもなく言うものだから、私が恥ずかしくなった。そして、優しい笑みを見るとドキドキと音を立てる心臓を静めたかった。
なんだろう、この気持ち。
今日はお日柄もよく、そよ風の吹くいい1日。私は赤くなったり、目をキョロキョロしたり。レオに振り回される日だった。これからどうなる事やら。




