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第43話 魔王城防衛戦 4

俺は右手でディアブロをギュッと握った。大声を出して気合いを入れ直したのだ。


「うおらっ!!」


俺はスカーレットに向かって走り、剣を振るう。


しかし、スカーレットはまたしても軽く避けた。



「まだまだぁ!!」


俺は両手の剣で連続で斬り付ける。


その剣擊はやはり全て見切られ、避けられる。けど思い通りだ、こうしていれば当たりはしなくても時間は稼げる。


俺のスタミナが持つ限り、やられることはねぇ!


「哀れね」


スカーレットが剣擊を避けながらそう呟いた。


その瞬間......


ドガッ!!


「ぐはっ!!?」


スカーレットの蹴りが俺の横腹に直撃した。


俺は吹っ飛び倒れ込む。


「ぐ、ぐぅ......」


「そんな連擊を私が見切れないなんて思った?」


そうか、スカーレットからすれば俺の攻撃と攻撃の間の隙を付くなんて容易なこと......


「ク、クソ......」


俺は両手を付き、立ち上がった。


いてて......凄まじい蹴りの威力だ。


「雪女と一緒にいたから魔王軍の幹部かと思ったけど、どうやらそうでもないみたいね」


俺に近付きながら言うスカーレット。


「う、うるせー!!」


「用があるのは幹部、私達の邪魔をしないなら見逃してあげるから逃げなさい」


手に持つ短刀を懐に戻しながら言うスカーレット。どうやら弱すぎる俺と戦っても意味がないと同情されたようだ。


「舐めやがって!真剣に戦いやがれ!」


俺は剣を構え、走り出した。


「うおおお!!」


「はあ......」


スカーレットは剣を振りかぶる俺の左腕を掴んだ。

そのまま引っ張り、俺を引き寄せる。


「なっ!!」


そしてそのまま俺の腹に膝蹴りを当てる。


「ガハッ!!」


蹲る俺。


ク、クソ......


「私も無闇に犠牲を出したくない」


そう言うスカーレット。


「け、けどサイさんは狙うんだろ!」


「私達のターゲットに雪女が入ってる」


「な、なら俺もテメーを逃がす訳にはいかねぇ!!」


俺はスカーレットの腕を掴んだ。


「はあ......仕方ない」



ドゴッ!!


スカーレットの右足が俺の顎に直撃する。


「ガハッ!!」


怯む俺に対してスカーレットは手を引っ張り、そのまま右手で俺を殴り付けた。


「グハッ!!」


ダメだ......動きの速さも威力もまるで違う。


気合いや気持ちで勝てるような相手じゃない、明確な実力の差が存在する。


ドゴッ!!


ドガッ!!


それからしばらく俺はスカーレットの攻撃を受け続けた。

そして、血塗れで地面に倒れる。


ああ、これはもう無理だ......


「しばらくは動けないはずよ、潔く逃げれば良かったのに」


血の付いた拳を持っていたハンカチで吹きながら言うスカーレット。


「さて、雪女を仕留めて目的を.......」


振り向き、進もうとするスカーレットは動きを止めた。


俺がスカーレットの足を掴んだのだ。


「......意識が飛ぶように殴ったはずよ」


「う、うう......クソゥ、クソゥ」


俺は目から血と涙が混ざった液体を流しながら嗚咽を漏らす。


こんな俺だって誰かを守りたいのに、カエデや魔王様、皆を守りたいのに力が足りねぇ......


「離して、これ以上は命の保証はない」


「......」



俺は足を離さない。


「......バカな子」


ドガッ!!


スカーレットは俺の顔を蹴った。

俺の顔からは大量の血が飛び、散布した。


顔だけでなく全身に激痛が走る。いや、もうすでに痛みなど感じないほどに全身がボロボロだった。


それでも俺は足を離さない。


「なっ......」


大怪我を負わせたにも関わらず、足を離さない俺に驚いた様子のスカーレット。


「......」


「は、離して!これ以上は本当に死ぬ!!」


「......ガハッ...離せ.....ない」


俺は血で一杯の口から何とか言葉を発する。


「......俺は...約束したから、サイさんと......」


「や、約束って......」


スカーレットは一瞬動揺したように見えた。だが、頭を振り、また冷静な表情に変わった。


「その忠誠心に免じて許してあげたいけど、私達にも目的があるから」


そう言うとスカーレットは足を振り上げる。


ああ、流石にこれを食らったら御陀仏かな。


サイさん、俺の力ではこれが限界みたいです。



ガキッ!!


何か固いものがぶつかるような音がした。


俺は虚ろな目で前を見ると、氷の壁がスカーレットの蹴りから俺を守ってくれていた。


その瞬間、スカーレットは後ろに瞬間移動した。


「よくやったな、ロイくん」


俺が横を見ると、悠然と立つサイさんがいた。


サイさんがスカーレットの蹴りから俺を守ってくれていたのだ。


サイさんは俺を抱き抱え、仰向けに寝かせた。


「サ、サイさん......オードは」


「大丈夫だ、君が時間を稼いでくれたおかげで仕留めることが出来た」


サイさんは指を差す。そこには氷漬けになったオードの姿があった。


「さ、流石は......サイさん」


「いや君も良く頑張った、後は私に任せておけ」


良かった......俺も少しは役に立てた。


ただひたすらにボコボコにされていただけだが。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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ブックマークもいただけると本当にうれしいです。


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