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第20話 デザール村の真相

「親グマは多分子グマが襲われてると思って怒っていたのよ。まっ、退治しに来たんだから本当のことだけど」


カエデは親グマと子グマ達を見ながら言った。


「そうだったんですね......まさかあんなこどものクマもいるなんて」


そう言ってカエデの隣に移動するリコちゃん。

それを見て、俺も肩を押さえながら移動する。


「あなた、それ見せてみなさい」


「え?あ、ああ......」


俺は右肩の傷を見せる。

本当に大したことはないが、跡は残りそうだな......


「もっとこっちに」


「え?何をするんだ?」


俺は右肩をもっとカエデの方に寄せた。

すると、カエデは右手を俺の肩に添えると、カエデの手から青白い靄みたいなものが俺の右肩の傷に入り込んできた。


すると、みるみる痛みが消えていき、傷口も塞がっていく。


「え、ええ!治ってる!!」


「軽い回復魔法よ。あんまり得意じゃないから大きなケガは治せないけど、それぐらいのケガなら治せるわ」


そう言い終わる頃には俺の傷口は全て塞がっていた。

俺は右手を開いたり閉じたりした。


「す、すげー......本当に治った。回復魔法なんて初めて見た......」


「回復魔法は扱いが難しくて使える人が少ないからね、現に私もこの程度よ」


やっぱりカエデはスゴいな。あれだけの剣技、雷魔法、それに回復魔法まで使えるなんてまさに天才だ。


「それもそうとおかしいと思わない?」


カエデはクマ達を見ながら言った。


「おかしい?」


「リコ、このデザール山に噴火が始まったのは1年前からよね?」


「は、はい、ちょうど1年ほど前に」


「うーん......」


カエデは少し考え込む。

腕を組み、目を閉じて熟考している。


そして目を開き、口を開いた。


「あの洞穴からしてとても1年やそこらしかいないとは思えないの、10年以上はここに巣食ってる形跡がある」


そう言うカエデ。


そう言われて見ると、洞穴はかなり年期が入っている。


「つ、つまりどういうことですか?」


「マグマグマはデザール山の噴火が活発になる前からいたってこと、つまりデザール山の噴火はマグマグマの仕業ではない可能性が高い」


「そうなの!?」


「私もモンスターにそこまで詳しくないからわからないけど......マグマグマはそもそもそういうモンスターなの?誰が言い始めたことなの?」


カエデはリコちゃんの方を向きながら聞いた。


「い、いえ......村人の方々がそういう噂を聞いたということでマグマグマが原因とばかり思っていましたが」


「全く当てにならないわね。かくいう私もわからない。誰かモンスターの専門家がいればいいんだけど......」


そう言ってまた考え込むカエデ。


モンスターの専門家......


俺知ってるわ。


「カ、カエデ、リコちゃん、ちょっと待ってて!」


俺は少し二人から離れながらそう言った。


「どうしたのよ?」


「ちょ、ちょっとお花積みに」


そう言って俺は二人の元を走って離れた。

















いくつか大きな岩を越えて、二人が見えない位置まで来た。


ここなら大丈夫か。


俺は紙コップのようなものを取り出した。


これは魔王様が開発した魔力紙コップ電話、魔王様の魔力が込められており一回限りだが魔王様と交信が出来るアイテムだ。


これを使えば魔王様と会話が出来る。


魔王様起きてればいいけど......


俺は紙コップを口に当てた。


「魔王様、俺です、ロイです」


俺はそう紙コップに向かって呟くと、紙コップを耳に当てた。


魔王様ぁ、返事してくれ。


そう願っていると、紙コップから微かに音が聞こえた。


『すー......すー......』


可愛い寝息が聞こえる。


こんな可愛らしい寝息を立てるのは一人しかいない。


「魔王様、起きてください」


俺はコップを口に当てて話す。


『すー......すー......もうイチゴざるそばは食べれないよ......』


イ、イチゴざるそば?


何の夢見てるんだ魔王様......

魔王様の変な寝言も気になるが、今はそれどころではない。


「魔王様!俺です!ロイでーす!」


『えっ!?あ、ロイロイ!?』


どうやら目が覚めたようだ。


やっぱりこの娘が天下無敵の魔王様であることが不思議で仕方がない。可愛さなら魔王クラスだが......


まあそれはいいとして、マグマグマについて魔王様に質問したい。


「魔王様、聞きたいことがあるのですが」


『えーなになに?スリーサイズ以外なら答えてあげる』


「あのですね、マグマグマについてお聞きしたいのですが」


『え?マグマグマ?』


突拍子もないことを聞かれた風な反応を見せる魔王様。


確かに母親の看病してる奴がいきなりマグマグマについて聞いてくるって意味わからないもんな。


「あ、あの......ご存知ならで良いのですが」


『当然知ってるよ、モンスター登録番号246番の火グマ科火グマ亜科マグマグマ属のマグマグマでしょ?それがどうしたの?』


魔王様はさらっと言った。

もしかして全モンスターの種類をおぼえてるのか?


流石はモンスターの長と言うべきか。


「教えて下さい!マグマグマって噴火を起こすようなモンスターなんですか?」


俺は紙コップに向かって喋り、再び紙コップを耳に当てた。


『あー、それね。それ勘違いなんだよ』


「勘違い?」


『マグマグマだけじゃなくて他のモンスターでも良くある話なんだけど、マグマグマは住み処として活火山を好む生き物なんだ』


「はい」


『だからマグマグマが火山の噴火の原因と考えられることが多いんだけど、実は考え方が逆で噴火するからマグマグマが近寄ってきてるの』

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