軽井沢編19 問い詰め
夏季シーズンの報告が終わり
各車に乗ってプリンスランドを出る。
有料道路を避けて裏の道で大笹前の信号の交差点を右折
「アローズ亭」
そこには大きな居酒屋があった。
この辺の人は個の居酒屋を利用している
少し前の話になるが
おもちゃ王国の真横に
「べぇべぇ茶屋」
という名の居酒屋がある。
部屋飲みに飽きればたいていそこで呑んでいた。
アルバイトも同様である。
初めて行った時には上司のTさんと皆で制服のまま呑んでいて、上司のTさんは泥酔していた。
ホテルの客もいたかもしれないがそんなことはお構いなかった。
そんな
「べぇべぇ茶屋」で舟木たちの打ち上げがあった。
べぇべぇはカラオケも古いながらあるので、ここで大人数で打ち上げとなったのだ。
僕も呼ばれた。
勿論参加した。
途中で、あの出来事のせいで飲み会に参加できなかったので、舟木が気にしてくれて呼んでくれたのだ。
「禁酒」
の文字が・・・
全く浮かんでこなかった。
っていうか、社会人にもなって禁酒とか分け解らない。
そう考えたらバカバカしくなってきたのだ。
会社の隣だが関係なく大盛り上がりした。
話は戻り
「アローズ亭」
東京から来た大原さんの挨拶から始まり乾杯
後輩に注がれたビールを飲んでいると、大原さんから
「おい。石田ちょっと来い」
と呼ばれた。
形だけビール瓶を持って、お酌をして挨拶をした。
「ところでお前、1か月酒飲んでなかったか?」
「ハイ」
「本当か?」
「はい。全く飲んでないです」
「おかしいな・・・」
「なにがですか?」
「なぁ法橋。こいつ呑んでなかったか?」
と執拗に聞いてくる。
先日のことがバレていると思っていたがシラを切りとおしてやろうと思った。
「石田。本当のこと言ったら今なら許してやる」
「本当に飲んでいません」
この押し問答が続いた。
僕は内心ブちぎれそうにになりながら、「飲んでません」を繰り返した。
大原は解っていたのだ。
僕がアルバイトの寮でビールを買っていたことも、バイトの打ち上げに参加したことも。
ただこれで話は終わった。
僕は内心
次に何かが起きたら解雇だし、自分からこの会社を辞めようと決意した。




