作戦会議
がつ、がつ、がつ
今、目の前で大男もびっくりな食べっぷりを見せられている
「店長おかわりっ!もちろん大盛りで」
「はいよっ」
彼女。アイセアは口元にご飯粒をつけて満面の笑みを浮かべている
これが世にいう『黙っていれば美人』というやつか…
「…で、何の話をしている最中だったっけ?」
ご飯もひと段落したところでアイセアが切り出す
「何の策もなく突っ込むのは現実的じゃないから作戦を立てようって話だよ」
「確かに、あのゴミ野郎たちなんだかんだで強いってのが腹立つからねー」
「ということでまずはステータスを見せて欲しいんだけど…」
そこまで言ってアイセアの顔を見ると、目を丸くしていた。そして突然
「あっはっはっは」
大きな声で笑いだしたのだった
「何がおかしいんだよ」
突然笑われてこっちも少しかんにさわるところがあり責めるようにいう
「ごめんごめん、いやあさぁー、女の子にそんなことをあんまり言っちゃだめだよ」
そういたずらっぽく微笑んでステータスバーを開きスライドさせて俺の目の前にだす
アイセア
17歳 女
身長 160cm
体重 55kg
バスト 71.8 ウエスト 53
「なっ…!?」
「あはっ、わかった?女の子のステータスは個人情報のオンパレードなの」
「17歳のバスト平均よりも10cmも低いだと!?可哀想に…」
ガタッ
「次…私の前で胸の話をしたら斬るわよ」
アイセアはそういって俺の胸ぐらを掴んでハサミで斬る動作をした
…俺の息子のためにももうしないと誓った
「というよりなんでバスト平均なんて知っているの?まさかほんとに変態なの」
「ち、違うからー、勘違いしないでよねっ」
そんなひと悶着を終えて、本命のステータス欄をみる
「えーっと…あれ?なんか霧がかってて見えない」
「あっ、ごめん『解除』」
その言葉と同時に霧が晴れる
「なになに…職業が…盗賊!?犯罪者じゃん」
「失礼ね。私は悪徳貴族専門で盗んだお金は孤児院や施設に送る正義の義賊なのよ。そこんところ勘違いしないで」
「それに…レベル9だと?こそ泥のくせに!?」
「まあこう見えてもいくつもの修羅場をくぐってきたからね」
「それ自慢するようなことじゃないから」
「まあそんな私が前回へましちゃって奴隷商に捕まるなんて…運命はなんて残酷なの」
それで奴隷として売られそうになっていたのか。世の中よくわからねえ
「んっ…じゃあなんでアイセアはわざわざ奴隷商を潰しにいこうとしてるんだ?そこまで私怨が深そうな感じじゃないのに」
「そんなの決まってるじゃん。正義のためだよ。だから今もあいつらに囚われている子達を助けるんだよ」
こいつは平然とそんなことをいう。見ず知らずの誰かのために自分が命を張る。並大抵の人にはできないことだ
「よし、まずは揃えるものを揃えよう。備えあれば憂いなしってな。店長、お会計」
「はーい、合計で40フィールになります」
この世界のお金の単位はもちろん円ではなく、王家の名をとってフィールという単位が使われる。そして1フィールが約100円だから…
「たっけーな!お前どんだけ食ったんだよ」
「奢りには全力で答える。それが私のモットーだよ」
「そんなモットー捨てちまえ!!」
さっきの感動を返してくれと心の底で思った
「……で、なんであんたの家に連れてこられるのよ」
ここはこの町のはずれにある俺の住んでるボロ住居だ
「いや俺もね、あの盗まれた刀をつくるのにお金をほとんど叩いちゃってね、うん、お金全然ないんだよね」
「えっ?あの刀あんたがつくったの!?あれは盗賊の勘が業物認定していたんだけどな…私の目も落ちたのかな」
失礼なことをいいやがる
「というよりつくったってことはあんたまさか鍛冶屋なの?全然使えないじゃん」
「うっせえー!!だからこその作戦会議なんだよ!!」
俺はそういって戸を思いっきり開けた。すると上から脆くなった木片が頭に落ちた
「ぷっ…」
くそっ、どこまでも俺はしまらねえな
「汚い部屋ですが、どうぞ」
「おじゃましまーす…おっ、意外と中は綺麗じゃん」
アイセアは部屋の中で感嘆の声をあげる
そして俺は今になって女の子が自分の部屋に居るという現実を知った
(お、落ち着くんだ俺。相手はほぼほぼ初対面の女の子だ。…ダメだ、意識してしまう。そうだ、ゴキポンと思えばいいんだ)
「服貸してくれない?この格好結構恥ずかしいんだよね」
「おう、いいぜゴキポ……アイセアさん」
「今、何と間違えたのかな?」
このあとめちゃくちゃボコられました…
「ちょっと着替えるから外でててくれない?」
「はい…かしこまりました」
一応俺のあまり着ていない服を貸した。下着は一応つけているらしい
「覗いたりしたら殺すからねー」
「しねえよ!」
…馬鹿め、しないわけがないだろう。俺の家の裏にはいい感じの穴が空いており、俺は全力で覗く
すらっとした長い脚を滑らせてズボンを履く。そして赤い綺麗な髪を艶めかしくかきあげてゴムで結ぶ。綺麗な背中が露出する…
「……」
俺はそこで見るのをやめてしまった。女子に不慣れな生活を送っていた自分の元の世界を呪いたい
「準備できたわよ」
白いタンクトップに銀色のペンダント、少しへそ出しで艶めかしさがでている
…本当に俺の服だったものなのか?
「よし、じゃあ作戦コードSKG行きますか!」
二人の少年少女は大量の荷物を抱えて歩きだした…
「ところでSKGって何?」
「そこ聞いちゃう!?」




