↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/14

いきなり絶体絶命!?

異世界へ来て半年、流石の俺もこの生活から脱却するための手段を考えていた


「ついに…ついに、できたぞ!!」


俺は出来立ての自分専用の刀を掲げて高らかに叫んだ。そう俺は鍛冶屋で働くと同時にそこの余った材料で自分の刀を作っていたのだ。そして今最後の焼入れが終わり


「さぁて、この刀に銘を彫らねば…」


こちらの世界では自分の名ではなく刀の名前を彫るらしい


「うーん……お前はどんな名前がいいんだ?」


「僕はご主人様に造られた刀だ。あなたに名付けてもらいたい」


「そうかそうか…じゃあお前は『飛翔』っていうのはどうだ」


「『飛翔』か……うん、とてもいい名前だ」


傍から見れば俺は今刀と会話している相当痛いやつに見えるかもしれない。だが俺には見えているのだ


"刀に宿る妖精が"


本来 鍛冶師の心得 というスキルは最高でAまでしか存在しない。しかし俺は特殊スキルとして 鍛冶師の心得 EX を得ていた。すると他の人には見えないものが見えていた


俺は本来おおらかな人間なほうだと思う。そんな俺が鍛冶屋で喧嘩を勃発させていたのは妖精の質で手抜きをしているかどうかわかってしまったからだ


『鍛冶師の作る武具が冒険者の命を担っているんだ』

…と誰か偉い人が言ってた気がする


そうこれこそが俺に与えられたチートスキル

鍛冶師の心得 EX の能力だ


「さぁて準備は整った……世界よ衝撃に備えよ!!」


「(ノーコメント)」


小さな男の子の妖精は無言だった


そして俺は魔物を狩るために町の門へと向かう


えっ?レベル1の鍛冶屋が魔物に勝てるかって?俺を誰だと思ってる…武田さんだぞ

実際な話、今住んでいる町は魔王城からかなり遠いところにあり比較的魔物が弱い傾向にある。だから鍛冶屋でもかなり強い武器さえ持てば多分勝てる…はず


「やっぱり夢は魔王討伐だからな、『飛翔』は悪魔殺し(デビルスレイヤー)にしたいな」


刀は一番初めに斬ったものの影響をかなり受ける。竜殺し(ドラゴンスレイヤー)として有名な魔剣バルムンクはその刀身に竜の血を浴びせたことでそう呼ばれるようになった


「それでしたらコバットを狙うのが一番楽かと」


コバットとは小さなコウモリの魔物でそのままの名前だ


「さすがは俺の相棒となる刀だ」


そして町の広場まで行くと少し人溜まりが出来ていた。奴隷商が奴隷を連れてきていた

なんでもこの町の金持ちの一人が奴隷商にとってお得意様らしく定期的に来るらしいが、実際に見たのは今日が初めてだ

正直胸糞悪い話だがこれが異世界では普通らしい


「おいおいおい、今日はあの金持ちの野郎いねぇのかよ?たっくしょうがねぇな、誰かこのガキを買うやつはいねぇか?安くするぜ」


五人くらいの奴隷商のリーダーらしきガタイのいい人物が大声で言う

そして奴隷が目に入る


見た目は同い年くらいだろうか。少し汚れた赤い髪に整った顔立ち、布切れのような服に拘束された腕、それでも檻ごしでもわかる意思のこもった赤目

…正直すごく可愛かった


「誰も買わねぇのかよ。しけた町だな、このままだとこのガキは今夜俺らの慰めものになるだけだぜ、がっはっはっは」


カチンときた


「ご主人様、あの下劣な人間は許すべきではありません」


その言葉を受け俺は奴隷商たちの前へと踏み出す


普段の俺ならこんなことを絶対しないだろう。でも今は武器を持っているというおごりと怒りで短絡的な行動をしてしまった


「なんだ兄ちゃん、買うのか?…それともその剣でやろうってのか?」


気圧されそうだ。それでも俺は刀身を抜いた

人徳の関わる問題だ。些細な自分の思いなんて関係ない


「うぉぉぉぉぉぉ」


有無を言わずに斬りかかろうとした。が、


「あれ?『飛翔』が…」


さっきまで手に握られていたはずの刀が消えていた


「おい兄ちゃん、それはこれのことか?」


いつの間にか奴隷商の男が『飛翔』を持っていた


「兄ちゃん素人だろ…俺も昔は自警団なんてやっていてよ。刀ってのはな…こうやって使うんだよ!」


何が起きたかわからなかった。気づけば斬られていた


「うっ…」


地面に倒れ伏す。意識が徐々に遠のく


「ひゅー、この刀いいやつだな!貰っていくぜ。代わりに兄ちゃんにはこの奴隷をやるよ。まぁ生きていればな。がっはっはっは」


そういって五人の奴隷商は少女を乱暴に檻から出して去っていった


「大丈夫ですか?」「すぐ医療所へ」


「きゅ、救急車を…」


俺は声を振り絞って言った


「なんだそれは?頭がいっちまったか?」


…くそ、これだから異世界は!!


そこで意識が完全にとんだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。