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人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
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21、盲信

3日目の投票が始まる。
さて、民意はどうなるのか?

セイギノミカタ「今から1分以内に、今日処刑したい人のアイコンをタッチして下さい。
このあと誰が誰に入れたか公表したのち、最多得票の処刑を執行します」

全員がまたタッチパネルの操作を始める。
皆、もう慣れたものだった。
しかし不安な表情が消えたわけではない。

日菜々「……」

織田「……」

羽賀「……」

牧村「……」

九十九「……」

1分が経過し、投票タイムは終わった。

セイギノミカタ「それでは1人ずつ票開示を行います。
票を開示した人は、一言理由を述べても大丈夫です。

まずは、羽賀亮也くんの投票先見てみよう!」

羽賀亮也→織田武臣

羽賀は織田か。つまり九十九のプランにも乗らず、日菜々が本物を追うわけか。

羽賀「九十九わりい。あんたは信じたいが、俺は人狼を信じることが出来ない。
こんだけ言ってんのに名乗り出て来ない人狼が言う通りにしてくれる保証なんてないし、もしそうなったら九十九すらも疑うことになりそうだ。
そうなるくらいなら、俺は泣きながら、時には感情的になりながらも、自分から見えてる状況を伝えてくれた日菜々ちゃんを信じる。
なぜなら、桐生も織田も本物の占い師には見えないからだ。
もちろん間違えてたら、俺も死ぬかもしれないけど……
日菜々ちゃんを説得した俺は、信じてやらねえとな!

それに女の子の涙に命賭けるとか、ギャンブラーの鑑だろ?
……日菜々ちゃん、2日目に俺を助けてくれてありがとうな!」

日菜々「羽賀さん……」

羽賀は意気揚々に言うが、震えている。
多分相当悩んだのだろうな。

羽賀「あの時の日菜々ちゃんかっこよかったぜ!ちょっと好きになった。
生きて帰れたらさ、俺の奢りでご飯行こうや。
……2人でさ」

にかっと笑う羽賀。

セイギノミカタ「では次、牧村芽衣子さん」

牧村芽衣子→織田武臣

牧村も織田か。

牧村「羽賀さん、ずる!
ちゃっかりデートじゃんそれ。

でも私も羽賀さんと全く同じ意見。
九十九さんはどっちかと言うと信じてるけど、やっぱりそこに命を賭けられるほど信用は出来ない。
ならここでゲームを終わらせたほうがいいと思う。
それに織田さんが交渉決裂って言ったのって、もう人狼って認めたのと一緒だと思ったんだけど……
なんか全てを諦めたような態度だしさ。

正直な話、私心理学の授業全然聞いてないんだよね……
でも日菜々ちゃんの必死な姿はちゃんと見てきたよ!
……私、日菜々ちゃんを信じる!」

日菜々「牧村さん……」

牧村「日菜々ちゃん。
無事生きて帰れたら……
そのさ……友達になりたいなーなんて……
ほら!歳も近いしさ。
だ、だめかな?」

日菜々「うぅ、うん!なる!
牧村さん、ありがとう。
信じてくれて」

牧村も日菜々を盲信している。
当然っちゃ、当然かもしれない。
織田の今日の態度は明らかに怪しいからだ。
織田に2票目か。

九十九「……」

セイギノミカタ「織田武臣くんの投票先はこちらです!」

織田武臣→清水灰司

そうか、織田は九十九に乗っかったのか。

織田「ノーコメントじゃ。
おのれらに教えれることは、わしには何もない……」

織田はもう自分以外の票の集まりそうなとこに入れるしかないからな。

セイギノミカタ「次、九十九一さんの投票先です」

九十九一→清水灰司

2票目か。
これは……まさかの結果が出るかもしれない。

九十九「くっ、羽賀くん、牧村くん。
なぜ織田くんに入れているんだ!
私のプランなら織田くんも救えるんだぞ。
人狼だって被害者じゃないか!
私はもう1人も犠牲者を出したくないんだ」

羽賀「……」

牧村「……」

九十九のこの発言。
九十九はやっぱり本物の騎士なんじゃないだろうか?
彼がもし人狼なら、織田は本物占い師の可能性が高い。
本物の占い師に票が集まることをここまで感情的に言えないだろう。
現段階で織田2票。清水2票。
日菜々の投票で全てが決まる。

……ドキドキしてきたよ。

セイギノミカタ「最後に、桃山日菜々さんの投票だよ」

桃山日菜々→織田武臣

織田「……」

日菜々「……羽賀さん、牧村さん
私を信じてくれて本当にありがとう。
これで終わりだよ。勝ったよ……」

静かに呟く。
日菜々が本物の占い師なら、これで終わりだ。
だが偽物だった場合は……

セイギノミカタ「それではまとめます!
織田武臣さん、3票。
清水灰司さん、2票。

はい!投票の結果、織田武臣さんの処刑が決定しましたー!」

織田「……」

村は日菜々を本物の占い師として、盲信したか。
これでゲームが終わればいいが、終わらなければ日菜々の占いは狂人のデタラメと言うことになる。
さて、判定はすぐだ。
……どっちだ?

織田「……セイギノミカタとやら
一服……待ってくれるか?」

セイギノミカタ「では、これより処刑を開始します!」

織田「答えてもくれんのか……」

織田がポケットからタバコを出し、火をつける。
容赦なく、椅子と円卓が回転を始めた。

そして、電気椅子の前に織田が来たところでピタリと止まる。

織田「ふー、桃山日菜々……」

織田は、自らを処刑に促した日菜々を睨む。
少しずつ電気椅子の方へ、椅子が引き寄せられる。

織田「桃山……おのれぇ」

日菜々「うぅ……」

織田「わしを……
わしを裁いてくれるんか……」

織田は絞るように、そう漏らす。
目には大粒の涙が溢れている。

日菜々「……えっ?」

羽賀「……」

牧村「……」

九十九「……」

他人を威圧してばかりだった織田は号泣している。
それは死への恐怖と言うより、感動や感謝の涙に近いように見えた。

織田が金網の中で止まった。
同時に機械が作動する音が響いた。

多量の水が織田の頭上から降り、ずぶ濡れになる。
涙か水かわからなくなったその顔は、くしゃくしゃだった。

織田「桃山ありがとうな……
わしは恨んでなどおらん。
……感謝しとる。

そして村人チームのおのれら……
職務放棄しすまんかった。
わしは、本物の占い師じゃ」

同時に火の消えたタバコをどこかに弾く。
これが最期の言葉となる。

セイギノミカタ「準備オッケー!
織田武臣、処刑執行!!」

電気椅子が光る。
悲鳴は聞こえなかった。

織田の最期の言葉。
日菜々に感謝を告げた理由を推察する。
彼なりの償いのつもりなのだろうか?
そう、彼は人を不幸にするヤクザなんかではない。むしろその逆。
人を見た目で判断してはいけない。

おそらくその思いは、彼の大罪に深く関わっていることだと、僕だけが理解していた。





3日目、昼のターン終了。

1、前島康隆………死亡、2日目処刑
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子
4、織田武臣………死亡、3日目処刑
5、山井小百合……死亡、2日目襲撃
6、九十九一
7、桐生星華………死亡、1日目処刑
8、斉藤章三………死亡、1日目襲撃
9、桃山日菜々

残り4人。
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