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人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
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17、潜伏

前島康隆の死体は円卓に戻ってきた。

桐生同様、皮膚が焼けただれとてもじゃないが直視出来ない。
その鋭かった眼光は、殺意を持ったまま、光を失っていた。

もはや誰も口を利かなかった。
前島康隆は紛れもなく、自分達が殺した。
その罪悪感からの沈黙なのかもしれない。

部屋が真っ暗に落ちる。
また今日も夜が来てしまった。

桐生と前島が両方人狼なら、どんなによかっただろう。
それでゲームは終わったのだから。
ただ確実に1匹を殺すであろう安全策をとったのだから、それは甘い考えである。
人狼はまだ生きて、この中にいる。
しかし、おそらく残り1匹。
つまり桐生の相方か、前島の相方。
そいつを明日殺せれば村の勝ち。

セイギノミカタ「容疑者を処刑したにも関わらず、恐ろしい夜がやってきました。
各自、夜のアクションを行って下さい」

例の如く、暗い部屋で自身の腹元のモニターが朧に光る。
写っているのは、円卓を囲む10人のアイコンだが、清水灰司、桐生星華、斉藤章三、前島康隆のアイコンにバツがつき、残り6人。

セイギノミカタ「まず占い師の方は、最も怪しいと思う人物を1人選択して下さい。
その人が、人間か人狼か表示されます。
あくまで2択で、役職を持っているかまではわかりません」

日菜々「……」

織田「……」

セイギノミカタ「続いて、霊能者の方。
あなたは先程処刑した人物が、人間か人狼か表示されます。
こちらも2択で、役職まではわかりません」

山井「……」

霊能者カミングアウトは前島だけだった。
他にいるか聞いた時もいなかったから、おそらく霊能者はもういない。
いや山井なら可能性があるのだろうか。
正直わからない。

セイギノミカタ「騎士の方は、今夜人狼の襲撃から守りたい人物を選択して下さい。
守った人物と人狼の襲撃先が被った場合、ガード成功。犠牲者なしです」

騎士はまだ生きているだうか?
死人の中で可能性があるのは斉藤くらいだから、まだ生存濃厚。誰だろうな騎士。
そろそろガード成功出せるか?

セイギノミカタ「そして、人狼の2人は今夜殺したい人物1人を相談して決めて下さい。
タッチパネルのキーボードにて、相方と話し合いが可能です」

安全策にて、おそらく人狼はあと1匹。
だから会話は不要かもしれない。
問題は誰が人狼で、誰を今日噛みに行くのかだ。

セイギノミカタ「そして、それ以外の村人と狂人の方は、怪しいと思う人物を1人選択して下さい。
翌朝、一番怪しいと思われている人物を公表します」

羽賀「……」

牧村「……」

九十九「……」

それぞれ操作をしているようだ。

個人的な考察では、ずっと黙って潜伏をしていた山井が気になる。

なぜ急に話し合いに入って来たのか?
そして役職持ちとだけ言い、また黙った。

普通に考えたら騎士か、もしくは本物の霊能者もあるかもしれない。
ただやはり騎士がカミングアウトする意味はないし、霊能者ならタイミングが遅すぎる。
残りは人狼の嘘カミングアウト未遂なのかもしれないが、
人狼なら白と言った織田は偽、日菜々が本物の占い師と言うことになる。
いや桐生が本物ということもあるのか。
正直、桐生が本物は一番ないと感覚的に思っているのだが……

兎にも角にも、今日前島に黒出しがあったことが重要。
これは人狼側に、日菜々、織田、桐生の誰が何の役職かはっきり見えてしまった可能性が高い。

人狼が残り1匹なら、今日占い師に占われたらアウト。
確実に本物を殺したい筈。
今日の人狼の噛み先は、2人の占い師のどっちか。
そして噛まれた方が本物。
残された方は偽物だろう。

セイギノミカタ「みなさんよろしいでしょうか?
全員の操作完了を確認。
今夜の人狼のターゲットが決まりました!
その人物とは……」

暗闇の中、円卓が回り始める。
同時に狼の牙の口が開いていく機械音。
また誰かが今日あれの中に引き込まれる……

牧村「やだよ、助けて」

羽賀「くるなくるなくるな」

山井「はぁ、はぁ」

織田「ちっ……」

日菜々「灰ちゃん……私を守って」

九十九「さあ、来い」

死んだほうがマシだとさえ思う緊張だ。
しかし全員が恐怖し祈っている中、誰かが殺す側だと言うことを忘れてはいけない。

ゆっくり円卓の回転が止まった。
今日の犠牲者が今、狼の牙の前にいるのだろう。
さて、誰がやられるだろうか?

その時、また感じてしまう。
この暗闇の中で、また誰かが笑っているのだ。
1日目よりも笑いは大きく、笑うのを堪えているようにさえ感じる。

2回目にて確信する。

昨日と同じ奴だろう。
……こいつが人狼か。
お前の思い通りにことが運んでいるというのか?

???「うあ……」

誰かが椅子ごと勢いよく引っ張られる音と共に……

???「な、何で!!
い、いやあ!殺さないでえええ!!」

女の悲鳴が部屋中に響いたのであった。





2日目、夜のターン。

1、前島康隆………死亡、2日目処刑
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子
4、織田武臣
5、山井小百合
6、九十九一
7、桐生星華………死亡、1日目処刑
8、斉藤章三………死亡、1日目襲撃
9、桃山日菜々

残り6人。





「お前は紛れもない大罪人だ!」



涙が浮かぶ。そんなこと自覚してるよ。



「日菜々、何泣いてんの?
あたしが相談乗るよ」



明日香……



「日菜々!叶わない恋なんて誰が決めた!
あたしだったら、叶わなくても気持ちは伝えるよ!」



「なんかあったら何でもあたしに言いなよ!相談乗るからね。絶対だよ!」



……明日香、本当感謝してたよ。
ありがとう。



……これからもずっと友達だと思ってた。



「おい聞いたか?うちの学校に援交してるやついるって噂だぞ」



「明日香、話があるんだけど、ちょっと放課後話せない?」



「はあ?何であたしがそんな言い分聞かなくちゃいけないの?自己責任でしょ」



「てかそんな風に言ってくるなんて見損なったわ日菜々。
友達?
はあ?あんたなんか友達じゃない。
もう勝手にしなよ。じゃあね」



明日香……
私は対等な友達だと思ってたよ。



「えー知ってる人もいると思いますが、皆さんに悲しいお知らせがあります」



「まじで!明日香が?何で死んだの?」



「先生達伏せてたけど、他殺らしいぞ」



「聞いた話、襲われて山に棄てられてたらしいわよ?
ほらこの学校の誰かが援交してるって噂あったでしょ?」



「あそこのお家のお嬢さんよ。
ええ。明るい子で、そんなことしてる風には全然見えなかったわ。
……でも自業自得よね、そんなこと繰り返してたのなら。
お父さんが厳しい人だったみたいだけど、どんな教育してたのかしら?」



「援交だと?
……この、望月家の恥晒しが!!
我が娘ながら死んで当然だ!!」



「引き続き警察は、援助交際のもつれから捜査を進めております」



明日香は死んだ。



明日香……



怖かったろうな。
死にたくなかったろうな。



「助けて……日菜々
ねえ、お願い助けて日菜々!
死にたくない……」



私のせい。
だから私は今日も懇願される。



私がそっちにいったら、せめて明日香と仲直り出来るといいな……
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