6話 恋愛大乱闘(ラブ・ロイヤル)!ですわ
2学期が本格始動し、校内の恋愛熱は異常な高まりを見せていた。
「昨日、隣の学校の男の子に挨拶されたんですの!」「あら、それなら私だって…」
あちこちで発生する恋バナに、闘技場の出現が追いつかず、空間が歪み始めていた。
廊下を歩く咲希と結菜。
「皆様、本当に恋愛を頑張っていますわね。わたくしも見習わなくては……」
「……そうだね」
結菜はどこか遠くを見つめるような、微かな溜息をついた。
その瞬間、学園全体を激しい衝撃が襲う!
『――WARNING。恋愛エネルギー過充填。システムエラー、強制フィールド展開――』
校舎を突き破るように、巨大なプロレスリングが出現。
咲希と結菜もその中央へ巻き込まれた。
「ラブ・ドレスアップ(強制武装開放)!!」
「な、なんですのこれ!? 勝手に武装が……!」
実況 「緊急事態ーっ! システムバグにより、その場にいた全員が強制武装! 敵味方なしの大乱闘サバイバルが始まりました!」
解説: 「ああ……もはや叙事詩でもポエムでもありませんわ。これは愛という名の暴動。実況も解説もこれではできません…。」
「結菜、大丈夫ですの!?」
咲希が叫ぶと、隣には冷気を纏った結菜が立っていた。
卯月 結菜 武装:『刺々しき凍える純愛』
透明な氷の結晶が幾重にも重なったドレス。美しくも、触れるものすべてを切り裂く鋭利さを秘めている。
「大丈夫だよ、咲希。私にも……守りたい想い(武装)があるから」
結菜の瞳には、見たこともない鋭い光が宿っていた。
混沌とするリングの上で、二人の前に集団が立ちはだかる。
「見つけたわよ、如月咲希! 幼馴染という特権を盾に、猛様を独占する不届き者!」
背中に『猛』の文字を背負った法被集団、猛ファンクラブ「猪突猛進」の5人。
ファンクラブ 武装:『猛進・推し事礼装』 「猛!」と書かれた巨大なうちわと法被。「猛 命」の鉢巻姿。
さらに、頭上からは薔薇の香りと共に、一人の才女が舞い降りた。
「咲希さん。妹、可憐の恨み……姉であるこの私が、ここで晴らして差し上げます!」
妄想女子 可憐の姉、麗香だった。
麗香 武装:『理想の婚約円舞曲』 フリルが何層にも重なった巨大なドレス。彼女の描く「完璧な結婚生活」の幻影が、相手の精神に強力なプレッシャーを与える。
「なんなんですの、わたくしばっかりこんなに大勢が……!」
焦る咲希の前に、結菜が氷の刃を構えて一歩踏み出した。
「……咲希。ファンクラブは私が引き受けるよ。…彼女たちより私の方が想ってるから…!」
「……え? 結菜?……わかりました。 わたくしは、妹思いのお姉様を黙らせますわ!」
結菜の氷のトゲがファンクラブを威嚇し、咲希の鉄仮面が麗香の幻影を拒絶する。
結菜 VS ファンクラブ
咲希 VS 麗香
絡み合う恋と愛。この乱闘の果てに、勝利を掴むのは一体誰か…!




