表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/44

乗合馬車

 湖から帰ってきたマーリンの様子が可笑しかったので 、気になっていたタバサは、夕食後の雑談を早々に終えマーリンと一緒に星を見ることにした。二人は、草原に腰を下ろし、満点の星を見ていた。


「マーリン、何かあったの?」

「ん? なに?」

「悩みでもあるのかなぁって思って」

「悩み? 無いよ」

「そう。それなら、良かったわ」


 マーリンは、タバサが心配してくれている事は、嬉しかったけど、恥ずかしくて『裸を知らない人に見られた何て言えない』と思っていた。そして、自分が腹が立っていたと思っていたのに落ち込んでいたのに気が付き『もう、会うことが無いので忘れよう』と自分に言い聞かせた。


「明日も早いから、もう寝ようか?」

「うん」


 二人は、寝床に向かい直ぐに横になった。


「スー、スー」

「クスッ、マーリン、寝るの早過ぎ」


 タバサは、疲れて寝たマーリンを見て『何でも相談してね』っと小さく呟いて目を閉じた。



 次の日の早朝、マーリン達は、ショーン達と別れて聖教皇国に向かう乗合馬車に乗る為に王都に向かった。


「ショーンさん、お世話に成りました」

「ん、ありがとう」

「良いって事よ。忘れ物ないかい?」

「「 …はい」」


 ショーン達に見守られ、乗合馬車に乗ると同じぐらいの女の子が、端で一人で座っていた。タバサは、『旅は道連れという事だわ』と思いマーリンを引っ張って彼女の隣に座った。


「こんにちは。何処まで行くの?」

「聖教皇国の魔剣学園迄ですわ」

「奇遇ですね。私達も同じです。私は、タバサ、この子は… 」

「ん、マーリン」

「そうですの。私(わたくし)は、エリザベス、エリザって叫んでも宜しくってよ」

「じゃ、エリザ、私達も呼び捨てで呼んでね」


 其れから、男が一人と家族連れが乗り込み、馬車は出発した。暫く走って、もう一家族と男の子を乗せて聖教皇国へ向かって走り出した。この馬は、15日間かけて学園都市まで行き夜は、宿屋で泊まるか野宿を繰り返しながら走る。


 10日目の朝、宿屋で朝食をとり馬車まで戻ると車両軸の修理が必要になったからと出発が昼食後となった。幸いこの街は、比較的大きな街だったので時間を潰すのには、丁度良かった。早速、3人で、本屋に行き暇つぶしの為の本を、それぞれ一冊づつ買い次に魔道具店に入った。


 ダバサとエリザは、酔い止めのポーションを買いにカウンターに向かったが、マーリンは、一人で杖を見ていた。その時、マーリンが髪を引っ張られたので振り向くと黒いローブを着た顔色の悪そうな男が、赤い髪の束を持って匂いを嗅いでいた。それを見て、マーリンは、驚き怖くなり叫んだ。


「きやああああ,変態男!」

「えっ、えっ、変態… 変態男って、なっ、なんす」


 その男は、マーリンに『変態男!』と言われ我に返ったが、その事が、ショックで振ら付き駆けつけたアーサスに支えられた。周りにいた者は、『ちっ、違う』、『俺、じゃない』等、口々に呟いていた。


 タバサは、マーリンの叫び声で危険だと判断し、すぐにマーリンとエリザの手を取り外に向かって走った。マーリンは、くしを取り出し髪を解かしながら『ぎもじわるがった(気持ち悪かった)』と半ベソで事情を二人に話した。二人は、笑いながらマーリンに同情し屋台で飴の袋を買いマーリンに手渡した。


「あはは、[変態男]って本当に居るのね」

「嫌ですわ。オホホッ、ホホッ」


 その頃、魔道具店に居たアーサスは、ソロモンに同情の視線を送って居た。ソロモンは、気を取り直してアーサスを見た。


「もしかして、初恋の相手って、あの子っすか?」

「多分、そうだ。ずっと会いたかったんだ。なのに… ソロモン、何を… した。グスッ、これって… 運命なのか?」

「かもっす。でも、あの赤い髪から良い匂いが…

 あれって、魅了の魔法っすかね」

「知るか!」

「は〜、其れにしても…[変態男]は、精神に応えたっす」

「あゝ、思い出したく… 無い」

「ごっ、誤解を時に行こう」

「いや、まだ… 心の準備がいる…っすう」


 ソロモンは、まだ何か言いたそうだったが、アーサスは、赤い髪の女の子を追う為にソロモンの腕を掴んで店を出たが、人通に紛れて見失ってしまった。


 マーリン達が、昼食を済ませて馬車まで戻って来ると数名の冒険者が護衛の為に乗り込んでいた。馬車の客が、マーリン達とエリザと後一人の男だけだったので冒険者達は、2人づつ交代で馬車に乗る事になった。


 冒険者達が、魔物を討伐しながら走って3日目の事、客だった男が、突然、刃物を出し冒険者のリーダー首を切って殺した。そして直ぐ馬車から飛び降り、声を出しながら逃げた。其れを合図に20人位の盗賊が、ニヤニヤ笑いながら木の陰から現れた。


 冒険者達は、リーダーを殺されたので、最初は動揺したが、直ぐに古株の冒険者の指示で戦闘態勢に入り戦った。マーリンも直ぐにシキュエルとサラマンダーを召喚した。


『おいおい、えらい事になってんぞ!」

(われ)は、(あるじ)を守る』

『わあったよ! じゃ、ちょと殺して来るぜ』


 サラマンダーは、マーリンの魔力を吸収して大きな火玉になり盗賊を襲い始めた。


 タバサもエリザも人間対して魔法を使うのが初めてなので動揺してしまい上手く魔法を使えず、馬車に隠れて怯えて居た。


 盗賊は、傭兵崩れの様でかなり強く、暫く戦っただけで護衛の冒険者の殆どが殺された。マーリンの精霊達は、強かったが、魔法を使える者が複数人盗賊の中に居たので力尽きて消えてしまった。


 後に残った冒険者達は、最後の力を振り絞って、マーリン達を逃そうとした時、ソロモンが起こなった巨大魔法の魔法陣が盗賊達の上に発動した。すぐに光と共に大きな音と砂埃が立ち込めたが、それが収まった時には、大きなクレーターだけが残っていた。皆が、唖然としていると何処からかアーサスが現れ、馬車の側に居る盗賊を捕まえていた。


 タバサとエリザは、直ぐに冒険者達の方に行き傷を魔法で治療していた。


「皆んな、無事か?」

「「「はい」」」

「有難う、助かりました」

「もう少し、早く… 悪い。本当に助かった」


 冒険者達は、アーサスとソロモンにお礼を言ってから死体を片付けていた。その間、アーサスは、壊れた乗合馬車を調べて冒険者の一人に提案る事にした。


「馬車はもう使えないなぁ。どうする?」

「俺たちは、雇われているので、次の馬車が来るまでここで待つが、女の子達をそっちの馬車に乗せて貰えないか?」

「勿論だ」

「3人だけなら、大丈夫っすよ」

「すまない。助かる」


 アーサス達は、大貴族が乗る様な大きくて広い3頭立ての黒い箱型の馬車に乗っていたので、2〜3人位ならまだ乗せる余裕があった。


 冒険者達から事情を聞きタバサとエリザは、了承し荷物をアーサス達の馬車に運んだ。


 豪華な馬車に乗り込んで先に座っているソロモンと話し始めたが、マーリンだけは、乗合馬車に乗ったままで何故か動かなかった。



ヒーロー登場ですね。

でも、マーリンちゃん馬車に乗ったままですよー




コメントもらいたいかなって思ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ