弟子と師匠とバカ
アーサスは、木の幹に腰を下ろし赤髪の魅力的な女の子の事を思い浮かべていた。
「あゝ、名を、せめて何処の子か尋ねたかった」
初めて気になる女の子に出会い、アーサスは、運が良いのか悪いのか? 女の子の全裸姿見せられて、消して全てを見たわけでなく、綺麗な柔らかそうな胸… いや、細い腰のラインまでで、ラッキースケベと言われそうなシュチエーションでも下心が、あった訳でもなく、純粋に美しいと思い見惚れてしまっただけで… 其れなのに
「はぁー、変態、変態男… って… 俺は、どっ、どうしたら良かったんだ?」
やるせ無い気持ちのまま愛馬に乗り、ソロモンの待つ家に向かった。
その時、ソロモンは、屋根の上でアーサスを待ちながら欠けた月を見ていた。
「ちょと、怒り過ぎたっす。学園行きが決まって… 心配し過ぎっす」
パカパカパカ
ソロモンは、戻ってきたアーサスを見付けると安堵し、夕食の支度に戻った。
アーサスは、女の子の事を聞くべきか思考を巡らせながら椅子に座り、夕食を運ぶソロモンを見ていた。
「何か、あったんすか?」
「えっ、何故?」
「可愛い子にでも会ったんすか?」
「なっ、何故それ、を… 」
いきなり確信を突かれ、顔が熱くなってしまったアーサスにソロモンは、『何年、貴方を見て来たと思っているっすか? バカ弟子』と言われ、例え話で女の子の事を聞こうとしていた自分の浅はかさを暴かれた様な気がし、水辺での眼福、ゴホン、出来事を正直に話した。其れを聞いたソロモンは、お腹を抱えて笑いだしたのでアーサスから『笑い死ね!』と言われ、其れでも止まらないので更に怒らせてしまった。
その後、アーサスは、急いで食事を済ませて黙って寝室に入ってしまった。アーサスは、ベッドに横たわり自分の黒歴史を消そうと八つ当たりをしていた。
「クソッ、クソッ、真面目に相談したのに、あのクソ師匠!」
暫くしてから、そっとドアが開きソロモンが、ホットミルクを持って来た。
「笑って悪かったっす。でも、笑ったのは、[変態男]って言葉とそれを言った女の子にっすよ」
「もしかして、その子に興味があるのか?」
「見てみたいっすね。アーサスが初めて気になった胸、いや、美少女っすから」
「名も、何処から来たかも… 胸って言うな!」
「ははっ、大丈夫っす。彼女を想っていれば、また会えるっすよ…多分」
「多分って、期待させて… バカ師匠」
「運命の子ならって事っす」
ソロモンは、明日の夕刻前には、魔剣学園に向かう為の馬車と護衛の準備が整う事をアーサスに告げた。
そして、魔物化しても言葉が通じることのできる魔道具【ソロモンの腕輪】を渡し、ソロモンが身に付けている【ソロモンの指輪】と対になっている事を告げ、いつも身に付けるように注意した。話し終えるとソロモンは、空のコップを持って部屋を出た。
「明日出発か… 今までありがとう、師匠」
アーサスは、呟くと直ぐに眠りについた。
師匠と弟子、仲良さげですネ。
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