3話 眼帯金髪王子様との出会い。
「らるらるらーん♩」
私はるんるんと鼻歌を歌いながら、廊下をスキップしていた。
出会ったあの日以来、従者のシオンが私からひっついて離れないほど、仲良くなれたんだ。
一日中「お役目ですから」とついてくるから、もう仲良しを超えて日常の一部分だった。
前世では叶わなかった、友達100人できるかなというものが、遂行できるかもしれない…!!
「レティ様!はしゃぎすぎてぶつからぬように……!」
「わかってますわよ〜!ってあら?」
数メートル先に人だかりを見つけ、よく見ると女の子たちの中に金髪の王道王子様がいるではありませんか……。
ふわふわとした金髪の王子様は黒い眼帯をしている。
それ以外は完璧な柔らかい笑みを浮かべた金髪のイケメン王道王子様だった。
横に従者のシオンがぬっと立ち、ジト目で金髪の王子様を睨みつけた。
「ああいうタイプがお好みですか、レティ様」
私は頬に両手を当てて、それに即答した。
「そんなことありませんわ……!!シオンが1番ですのよ♡(男の友情として)」
「……!ありがとうございます///////」
一番だと伝えていると、いつもぶわっと少し髪を乱し赤くなって顔を手で覆い隠すシオン。
元孤児だった、シオンにとっては一番と言われるのは新鮮で、愛おしいレティシアに言われるのはとても幸せなことなのだ。
うぶで可愛いのよなぁ…。
私はにまにまと変な顔を作っているつもりだっが、顔はほとんど崩壊しておらず周りから見るとただのイチャイチャしている美男美女だった。
…… 私は気づいた。
「(ん…?あの王子様、疲れている…?)」
目が、主に濁ってクマが見えた…ような気がした。
疲れているのに無理させては行けないよ。
可愛い子ちゃんたち…♡(投げキッス)
……と割り入るのはイケメンじゃないとできない。
王子様〜♡約束がありますから来て〜♡と
約束もしていないのにそれだけ言うと、抜け出す口実とはいえただの迷惑。
だったら!!!強引に行く!!
「レティ様…?!」
後ろからついてくる音がしたがまっすぐに王子様の元へ行く。
「王子様は、私と約束がありますの。休憩も必要ですのよ…!」
「え…君は…」
女の子たちの声「王子様を独り占めしようだなんて卑怯よ!」「あーーんいかないで…」
とわちゃわちゃと聞こえたが王子様の腕を、私は胸を張ってぐいっと引っ張り、女の子達の輪から抜け出した。
……王子様は半分は戸惑っていたが、本気を出せば男である王子様の方が力が強いのに、抵抗はしてこなかった。
人気のないベンチが近くにある庭に行くと、音もなくシオンが追いついていてくる。
「どういうおつもりですか…!!レティ様!」
「王子様、疲れていると思って…。おせっかいだったかしら…?」
私はやったことがおせっかいだったか少しだけ心配だったので、しゅんとしていると、シオンは慌てたように、昔私がそうしたように手を握ってくれた。
「いえ…!レティ様の優しさは世界一だと思います。」
「そ、そう…?」
気持ちがふわっとほぐれて、心がほっと落ち着いた。
「はは、2人は本当に仲がいいんだね?」
眼帯の金髪王子様は2人の世界を眩しそうに片目を細めて笑って見ていた。
私はハッとして王子様に頭を下げた!!
「はい…!…っていきなり連れ出したりしてすみません…すみません…!」
「いいんだよ、なんとなく、気づいているからね。
……嬉しいよ」
ま、眩しっっっ!?超優しい王子様じゃん!!
女の子たちがが集まる理由がわかった気がする…っっ!
「あ、、よければ座ってください…!」
ベンチを両手でにこにこしながら大きく指すと王子様は笑顔を崩さないままベンチに座った。
「貴方は座らないの?」
隣をぽんぽんと叩く。
「……王子様、さらっとレティ様に密着しようとしないでください。」
声を一段階低くしたシオンがジト目でまた王子様を睨みつけている。
私も少し疲れたので、王子様の隣に躊躇いなく座った。
すると、暖かい肩に重みが乗った。
…………………………え………………
シオンがビクッと動揺する。
「ちょっと…!!」
ちょっと待てと言おうとしたシオンも、王子様と私の2人のことを察したからか押し黙った。
めっちゃ強い力で拳を握りしめてる…。
見てて痛いよ?!?!?
肩に頭を乗せている金髪眼帯の王子様は心地よさそうに目を閉じていた。
「…貴方の名前は?」
「レティシア・アヴェリス、よ。……貴方は?」
「クラウス・ルシエル…」
名前を言った後に寝息を立て始めた、クラウス様…。
これは、ど、どうすれば…。。
「……羨ましい」
ぼそっとシオンが何かを言ったが聞き取れなかった。
「……え?」
そこに立たせっぱなしでごめんよ、シオン…
「シオン、ごめんね…。」
「レティ様が謝る必要はございません。
其方のクラウス様には後でとても渋い茶をプレゼントしておきます。」
「……ふふっ」
また顔をゆでだこのように真っ赤にするシオン。
「レティ様…!」
「やきもちを焼くシオンも可愛いなと…(出来心無し)」
「……!!?!」
それを見て、私は笑みが溢れてくすくすと笑っていた。
「……クラウス様の話し相手くらいにはなってあげますよ」
眠る横顔を見て、私そっとクラウス様の髪を撫でた。
————
クラウスside
小さな体に頭を預ける。
体温が暖かくて心地いい。
ずっとここで眠っていたい。そう思った。
……レティシア嬢といったか。
彼女は、疲れていた私を見破った。
容姿を好きになっていた彼女たちとは違った。
私は眼帯をしていて、眼帯を外すと不気味がられる。
……彼女なら、眼帯を外した姿でも受け入れてくれるだろうか。
「……クラウス様の話し相手くらいにはなってあげますよ」
そう言って髪をそっと撫でてくれた時は胸が、どくんと熱く高鳴った。
…………叶わないな。
そのまま私は意識を手放した。
ーーー
??? side
様子を、柱の陰から見ている影が一つ。
「『君の……を覚えている。』」
「愛してるよ、レティシア」
そう呟き、去っていった。




