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「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


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⑨ あわや大惨事

 これは、後になって、ウアジェト女王から報告を受けた話である。


 事件当日は、チーム・サンジェルマンの誰一人として、そんな大事件が起きているとは、知る由も無かった。正直な話、吞気にレストランで、お茶を飲んだりしていたのである。


 それは5月26日水曜日の事である。そして時刻は、日本時間で朝10時ちょうどの頃。


 東のとある大国の指導者……確か名前は〇リツィンとか言ったか……が、大陸間弾道ミサイル……所謂ICBMの発射ボタンを、うっかり押してしまったのである。


 後に本人が語っている事を信用すると、その時の意識はまったく無かったそうである。因みにミサイルのターゲットは、〇スアンゼルスにセットされていた。


 西の大国のレーダーに、その様子はしっかりと移っていた。当然、対抗措置として西の最高指導者……確か名前は〇リントンだった筈だ……もミサイルの発射ボタンを押した。


 こちらもターゲットは〇スクワにセット済みだった。普通ならこれで第三次世界大戦の幕開けとなるところだった。つまり"人類の歴史の終わり"の始まりである。


 その後、地球は"猿の惑星"になってしまうのかどうかはさて置き、人類滅亡は確定的だった。


 ……ところが、そうはならなかったのである。

 結論から言えば、どちらのミサイルも、目標の都市に着弾しなかった。それが大気圏を抜ける直前に、どちらもレーダーからロストしたのである。


 では、そのミサイルはどうなったのか?……それはどちらも、あの"大気圏クラゲ"にキャッチされてしまったのである。


 捕らえられ、喰らわれ、すっかり分解、消化されてしまったのだ。そんなモノを食えるのか?いや、実際に食べてしまったのだから仕方がない。


 言わばコレは、"惑星ガイア"……つまりこの地球の、自己防衛本能による、自浄作用とも言える現象であった。


 そんな訳で、結局、第三次世界大戦は勃発しなかった。

 人類の終わりは来なかったのだ。

 正直な話、東の指導者も西の指導者も、胸を撫で下ろしたのである。


 もちろん、東の指導者の精神を操る事によって、最初にミサイルを撃たせたのは、例のベルゼブブであった。自らの目論見通りに行かず、さぞや悔しがっている事であろう。


 ……だが、"ノストラダムスの大予言"の約束の日は、二か月後だ。まだまだ、油断は禁物でなのである。

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