表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/32

㉗ スカラベ

 ベルゼブブは、今、自分の目の前に現れた存在が、にわかには信じられなかった。


 何故ならつい先程まで、一度もそいつから、そいつ本来のチカラを、その片鱗すら、微塵も感じられなかったからだ。

 さては気配を完全に消していたのか。


 それも、自分のみならず、仲間の神々の気配まで、同時に、全て、完全に隠していた……。

 だからこそ、どいつもこいつも、ただのニンゲンにしか見えなかったのだ。


 相変わらず優れたステルス能力だな。全てはこの瞬間のためだったのか?

 彼は自分の顔に、苦笑いが浮かぶのを感じた。


 今更ながら、そんな事を考えている蠅の王の目の前で、仲間たちから"鷹志"と呼ばれていた"ニンゲンだったモノ"が、一番頭部に近い一対の脚で、2本の剣を、左右の上段に振りかぶっていた。


 それに対してベルゼブブは、反射的に、自らの一番上の一対の腕を、防御のために振り上げたが、同時にそれが無駄な抵抗だという事を悟っていた。


 こいつのチカラが込められたオリハルコンの剣は、この世のどんなモノでも切り裂く。もう、間に合わない。


 蠅の王は、ソイツに振り下ろされた2本の剣で、袈裟懸けに左右対称のXの形で、一対の脚ごと腹側を切り裂かれた。


 そして、ほぼ同時に、残った4本の剣で、頭と胸の間、胸と腹の間にある関節部分を、左右から水平に、まるでスライスするように、切り離されてしまったのだ。


『流石だな、"スカラベ"……吾輩の……負けだ。』

 それが蠅の王の、最期の言葉だった。


 やがて、ベルゼブブは、自らの体内からあふれ出る、体液のエネルギー量が臨界点を超え、高温になり着火して、まるで"仮面ライダー"に出て来る"ショッカーの怪人"のように、その場で爆発、四散したのだった。


 この世を去ったベルゼブブに、"スカラベ"と呼ばれたソレは、蠅の王が塵になって消えて行く一部始終を見届けると、やっと安心したかのように、元の緑色のワーゲンビートルと、その運転席に座る杉浦鷹志の姿に戻った。


 赤色のワーゲンビートルが、フォーメーションを解き、そこに近寄って来た。その運転席から由理子が飛び出すと、緑色のクルマの助手席に飛び込んで来た。


「鷹志、大丈夫!?……って、きゃああ!」彼女は悲鳴を上げた。

 鷹志が一糸まとわぬ姿……つまり素っ裸だったからだ。

 そして彼自身は、すっかり疲れ切って、気を失っていたのだった……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ