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「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


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㉓ 総力戦で挑む

 そのフォーメーションのまま、中心部の、黒いフォルクスワーゲンビートルに乗った伯爵が、とあるスイッチを押したのである。すると直ちに、ビートル5台分のエネルギーを合わせた広域電磁防壁ワイドバリヤが、その空域に展開された。


「相変わらず姑息だな。そんなモノで、自分たちの身を守れると思っているのかな?」

 ニヤニヤ笑いながら、ベルゼブブが呆れたように伯爵に尋ねる。

「違いますよ。そんな狙いではありません。コレは、私たちとあなた方が、ここで激しくドンパチやり合っても、他に被害が及ばないようにするためのバリヤなのです。」


「ほほう。それはまた、環境に配慮した殊勝な心掛けだな。まあ、今さら何をしても、ニンゲンの環境破壊は止められはしないがな。だからこそ、この私が人類を粛清してやるのだ。」

「そんなものは神のする事ではない。悪魔の所業だ。」


「何とでも言うがいいさ。どの道、不老不死とは言え、ちっぽけなニンゲンである貴様個人のチカラでは、人類は救えまい。」

「それは……否めませんな。しかし私は、決して一人ではないのですよ!」


 伯爵がそう言った瞬間、今度は中心の黒いビートルを、並行に取り囲む円の形になるように、何処からとも無く、更に11台の黒いビートルが現れた。それぞれの運転席に一人ずつ、微妙に違った姿のサン・ジェルマンが乗っている。それは、別の時間軸から集合した、11名の"サン・ジェルマンズ"たちだったのだ!


 更によく見ると、それぞれの助手席には、別々の国からやって来た雪女の一族が座っていた。もちろん、この時間軸の我らのサン・ジェルマンの隣には、雪女の末裔の村田京子が収まっていた。そして、12台の黒いビートルの窓から、12名の雪女たちがひらりと舞い上がって、それぞれのクルマのルーフの上に立ち上がったのだ。


 日本からユキメ。

 ロシアからスネグーラチカ。

 北欧からフロスト・メイデン。

 中国からシュアンニュ。

 フランスからダム・ブランシュ。

 北米からウィンディゴ・ブライド。

 アンデス地方からラ・ムヘール・デ・イエロ……。


 更に、過去の世界の下賀茂神社からも、巫女姿の藤原貞子を含めた、4名の雪女の末裔たちが加わった姿は、まさに壮観であった。そして……。


「じゃあ、お姉さま方、行きますよ。せーの!」

 そんな村田京子の掛け声で、その12人の雪女が一斉に、ベルゼブブの軍団に向けて、12台の黒いビートルの増幅装置を使った、超強力な冷気を発射したのだ!

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