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「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


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㉒ 作戦の伝授

「あのう……すいません。」

 そこで巫女の藤原貞子が、おずおずと手を挙げて発言した。

「どうされました?貞子さん。」

 伯爵がジェントルに尋ねる。


「実は私、祖母からちょっとした伝言を、預かって来ているんです。」

 と貞子が、皆に向かって遠慮がちに言う。

「ほう……それは興味深いですな。是非とも教えていただけますか?」

 伯爵が後を促す。


「……はい。この伝言は必ず、皆さんの目の前から雪村さんが居なくなってから、サン・ジェルマン伯爵に伝えなさい、と言われました。」


「ほほう?それはまた妙なタイミングを狙いましたねえ。」

「あの蠅のバケモノを退治するための作戦です。」


「ソレは聞かなくてはですねえ。では皆さんご一緒に、こちらへ集まって来て下さいますか?」

 伯爵が残ったメンバーを部屋の中央に集めた。


「あの、昔から、"壁に耳あり、障子に目あり"という諺も有りますので、ここは小さな声でお伝えしますね?」


 彼女はそう言うと、その場のメンバーに出来るだけ小声で、何やらゴニョゴニョと囁いていた。やがてみんな、"うんうん、是非そうしよう"という話になったのである。


 作戦はすぐに決行された。

 準備を整えたメンバーは、全員が銀色、緑色、赤色、黄色、黒色の5台のワーゲンビートルに分乗し、早速、地下駐車場を出発して、日本列島の上空を目指して、ただひたすらに上へ飛んで行ったのである。


 ベルゼブブとその仲間たちは、既に大気圏に突入していた。異常に丈夫な外骨格のおかげで、少し赤くなっただけで、後は平気なようだった。全く、やっかいなバケモノたちである。


「やあやあ、みなさんお揃いで、ようこそおいで下さった。再度訪問する手間が省けて助かったよ。それで……良い返事が聞けるのかな?」


 巨大な蠅が、毛むくじゃらのカラダを揺すりながら、そう言った。

「我々としては、全力で抵抗する事にしましたよ。」

 サン・ジェルマン伯爵はそう言った。


「そうかね。ソレは残念だな……まあいい。こちらも全力でお相手しよう。」

「では、行きますよ!」伯爵のその一言が合図だった。


 5台のワーゲンビートルは、素早くフォーメーションを作った。

 黒いビートルを中心にして、その直上に銀色、真下に緑色、右側に赤色、左側に黄色のビートルが……つまり5台のビートルで十字の形になるように、それぞれが陣取った。


挿絵(By みてみん)

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