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「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


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⑰ 月の最終兵器

 そして、それまで裏面だった半分程を、地球側に見せた月面の中央辺り、ちょうど、"東の海"と呼ばれている、直径300kmもあるキレイな円形の部分が、すっかり正面を向き、今まさにポッカリと穴を開けていたのである。


 そして、その暗い穴の中が徐々に明るくなり、何らかのエネルギーが収束していく様子が見て取れた……と、思った次の瞬間、そこから赤いエネルギー光線が、カグヤの父たちの船の上をかすめて、ベルゼブブの巨大円盤に向けて発射されたのだ。


 それはまるで、言いたくないけど、アレのようだった。

 えっ?アレですよ、アレ。

 映画"スターウォーズ"に出て来た、"デススター"の最終兵器!


 しかし、やはりと言うべきか。

 ベルゼブブの船には、そういった後方からの不意打ちに備えて、しっかりと対策が施されていたのである。


 後方から迫り来る、エネルギー波を感知した巨大な円盤は、後部を瞬時に凹面鏡のように変形して、ソレを一旦受け止め、少しだけ角度を下方修正して、撃ち返したのである。


 戻って来た赤いビームは、カグヤの父親の船に命中して、爆発四散させたのだった。 無論、乗員は皆、即死である。


 その瞬間、父の断末魔の声を、精神感応でキャッチしたカグヤは、名護屋テレビ塔の、亜空間レストランから、ベルゼブブの船の前の宇宙空間まで、無意識のうちにテレポートしていた。


 父を殺され、怒りと悲しみに満ちた心のせいで、今や彼女は、完全に覚醒していた。蒼き天女の羽衣を身に纏い、背中からはスカイブルーの大きな翼が伸びて、最早その姿は、アヌンナキの神そのものであった。


『そんな無茶なチカラの使い方をしてはイケナイよ。』

 彼女の心に、テレパシーで静かに囁く者が居た。

 彼女が思わず我に返り振り向くと、そこに彼女と同様に、宇宙空間に浮かんでいたのは、成雪だった。恐らく彼も、セト神として覚醒中なのだろう。


『止めないで。私の好きにさせて!』

 彼女は心の中でそう叫ぶと、チカラを更に増大させた。すると、有り得ない事が起こったのだ。


 空気も水も存在しないはずの宇宙空間で、雷の音が響き渡り、発生した無数の稲妻が、次々にベルゼブブの船に襲い掛かったのである。そしてソレを、完全に破壊したのであった。


 彼女は惑星ガイア……つまり地球のチカラそのモノを、宇宙空間に居ながら直接受け取り、それをチカラとして放ったのだった。

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