表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/24

⑯ 成層圏の攻防

 さて、そんな事を、チーム・サン・ジェルマンのメンバーで話し合っていた頃、地球の遥か上空では、全く別の動きが起きていた。迫りくるベルゼブブの円盤に気づいて、成層圏クラゲたちが、それに対抗するべく、集結していたのである。


 彼等はそのカラダを張って、成層圏の中で透明なバリヤのようになり、円盤からの攻撃の射線に入りそうな場所を、防御する構えを取ったのだ。それは恐らく、地球環境を守るための、本能的な行動だった。


「小賢しい真似をする下等生物め。お望み通り、美味しい砲弾を喰らわせてやるわ。」 

 その様子を、円盤内の艦長席で眺めていたベルゼブブは、ほくそ笑んだ。そして、ただちに砲手に命じた。

「フロンガス弾用意。撃てい!」


 クラゲたちは本能の赴くままに、飛んで来た全ての砲弾に喰らいつき、それを分解・消化した。そしてその結果、皆がカラダに異変を起こした。フロンガスは、成層圏クラゲたちの唯一の弱点だったのだ。その事を、ベルゼブブはよく知っていたのである。


 そこに集結していた全てのクラゲたちは、フロンガスによって自分自身が分解され、大気の中に、すっかり溶けてしまった。そしてこの日以来、天然のガーディアンを失った成層圏内に、オゾンホールが、大きく開いてしまったと言われている。


 その一連の様子を、ベルゼブブの円盤の後方から、観察していた者が有った。

 それは、小さな円盤に乗った、カグヤ・イシュタルの父とその仲間たちである。


 もちろん光学迷彩を使っているので、肉眼では視認されてはいないが、ベルゼブブの軍団には、気づかれているに違いなかった。しかし恐らく、取るに足らない相手として、無視しているのだろう。


「現時点の動きを持って、ベルゼブブの船の、惑星ガイアに対する敵対行為と見なす。つまり我々の敵だ。」

 その小さな円盤の艦長たる、イシュタル氏はそう宣言した。

「我々の持てる全ての科学力で、コレに対抗することにしよう。」


 彼は仲間の乗員たち(実は戦闘員は一人もおらず、皆研究者だったのだが)に決意表明すると、艦長しか押せない、赤い発射ボタンを押した。それはベルゼブブの船に向けて撃つべく、既にロックオンしてあったのだ。


 すると彼らの更に後方、つまり月面に異変が起こった。悠久とも言えそうな長い間、穏やかな表の顔しか見せていなかったあの月が、なんと徐々に自転を速め、本来裏面だった部分を、少しずつ地球側に見せ始めたのである。


挿絵(By みてみん)

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ