表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「セーラー服と雪女と大予言」(セーラー服と雪女 第30巻 第一部完結編)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/13

⑫ 波状攻撃

 この世界的な蝗害は、極端な干ばつと異常な大雨や洪水という気候の急激な変動が、バッタの爆発的増加の原因だったと、一般的には言われている。しかし、ソレだけでは説明がつかない程の、大量発生だった。


 何しろ被害に遭った農地は、世界中で、のべ500万ヘクタールは下らないのだ。そして想像してみて欲しい。1平方メートルあたり、4000匹以上の密度で、バッタが襲ってくるのだ。少し考えただけで、気分が悪くなりそうである。


 オーストラリアでは、それを"聖書級の災厄"と呼び、またロシアでは、"国際政治のもめごとよりも深刻な国家の重大危機"と呼んだ。そして、それらの表現は、決して大げさでは無かったのである。


 恐らく、先のアラハバキの遊撃と連動した、ベルゼブブの攻撃だろうというのが、伯爵の解釈だった。つまり、"蠅の王"と"急進的な爬虫類族"は、裏で結託している訳だ。それは、チーム・サン・ジェルマンにとって、中々にやっかいな状況になっている事を意味していた。


 今回の攻撃の目的は、一種の"兵糧攻め"のようなモノだろうか?それともひょっとすると、その気になれば、"ここまでの数の虫の軍勢を動かせるぞ"という、自らのチカラの誇示かも知れない……。


 そしてついに、運命の7月4日の日曜日がやって来た。

 時刻は午前9時頃。チーム・サン・ジェルマンの面々は、名護屋テレビ塔の亜空間レストランに集合していた。


 表面上は皆、朝食後のティータイムを、のんびり楽しんでいるように見える。しかし、心の奥底では、誰一人油断してなどいなかった。


 あのバッタの軍団の攻撃以来、今日までベルゼブブからの目立った動きは無かったが、それが嵐の前の静けさだという事は、皆分かっていたのだった。

 

「そろそろよね?」

 戦闘の勘に関しては人一番鋭い、セーラー服を着た、永遠の17歳の雪子が言った。

「はい。間違いありません。来ます。」

 悪意や殺意を感じ取る能力に特化した、雪村のパートナー、黒いワンピースを着た弓子が言った。


 歴戦の勇者、甲冑を見に着けたジャンヌ・ダルクや、天女の衣装の若きアヌンナキ、カグヤ・イシュタル、過去の下鴨神社からやって来た、巫女の藤原貞子の三人も、何かしらの気配めいたモノを感じ取り、身構えていた。


 真田雪村は妹の香子、由理子とそのパートナーの鷹志、妻の弓子とともに泰然自若という風情でテーブルについている。もちろん何かあったら、真っ先に同じテーブルのメンバーを守る構えだ。


 そして中央のバーカウンターには、この集まりの主催者の、バーテンダー姿をしたサン・ジェルマン伯爵と、その内縁の妻で雪女の末裔の、村田京子が陣取っていた。彼女は今日も、黄色いワンピースを着ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ