第5話 中学生の時の想いとおっさんの考察
その中等部という名の“洗脳の儀式”に近い奴。
私はそこでこの世の現実を思い知った。
うん。
確かにね。
いたよ?
メチャクチャ可愛い子。
あの時の私、中学1年生。
後述するけど。
メチャクチャデブだった私。
毎日のしごきのような部活に耐え、徐々に体重が減り始めたころではあったけど。
はっきり言って不細工で、13歳の癖に何故かおっさんのような雰囲気。
当然だがモテる訳などない。
私の他には同じ地区(住所が近いだけ。当然会ったこともない)から男子3名、女子1名。
近所に住む『未来部担当』とかいう肩書を持つ、実は私の家の隣に住んでいた厳つい男性に連れられていた。
「ほらほら。君は代表で体験談まで語ったんだ。実は“先生”からご本を頂いている。これは名誉なことだよ?」
そう言われ、立派な封筒に入れられた文庫本1冊。
確か…『青年抄』とか書かれていたっけ。
名前は記しませんが。
メチャクチャ有名な方ですね。
つい最近お亡くなりになりましたが…
で。
なぜか私を前に押し出すその担当。
たしかあの会場にはおよそ100人。
その瞳が一斉に私に向いた。
「っ!???」
血の気が引く。
まさにそんな感覚。
そして――
一瞬で消える異性の興味の感情。
注がれる、嘲笑に似た同性からの冷たい視線。
(……なんだよ…偉そうなこと言って……同じじゃんか)
急速に冷めました。
正直下心もあったし、隣に住む厳ついお兄さんからは
『君は有名人だからね…モテまくるかもね』
――今思えば。
あの人自体は結構場数を踏んでいた人なので…
(詳細は割愛します。昭和後期の湘南ですよ?…お察しください)
取り敢えず“突き抜けた”私に、それなりのリスペクトを持ってくれていたんだよね。
でも現実は。
不釣り合いな。
七五三のような、しかも微妙にサイズの合っていない服を身に纏ったデブで汗臭そうなおっさん顔の少年。
そりゃそうなるよね。
そしてとどめは。
一定の式典のようなものが終わり、何故か皆で歌を熱唱し。
いわゆるやたらと大きな“ご本尊様”に対してお題目を唱え終わったその時。
すっと。
やや見下すような表情で現れた少女。
一目見て心奪われたというか。
テレビでしか見たことがないような超絶美少女。
――諦め。
そして期待してなかった私の鼓動が高鳴る。
でも。
――冷たい視線で言い放った。
「…勘違いしないでよね?あんたみたいなぽっと出、しかも不細工。――〇〇さんの推薦じゃなくちゃ誰もあんたなんて相手にしないんだからね」
私は無意識に唇をかみしめた。
――うん。
知ってた。
だけどさ。
そりゃないよね?
私は何でここにいるのか。
まったくわからなくなっていたんだ。
※※※※※
――あの当時の私のイメージ。
どうやら信者というものは。
素直で敬虔。
“人を思いやり世に尽くす”と言う教義を掲げているこの宗教。
――あの時の私にはそうは思えなかったんだ。
まあ。
私の家の隣に住んでいた厳つい男性。
いわゆる“少年漫画の主人公”みたいに熱い人で…
多くの女子部の女の子は“憧れて”いたらしい。
確かにね。
背も高くイケメン。
何より、暴…コホン。
“すごい経験”をしていたらしくて、メチャクチャ優しい。
だから彼の推薦。
皆、期待していたんだよね。
ごめんね?
期待はずれで。
悪いが私は暴〇族のリーダーでも。
どこぞの愚連〇の特〇隊長ではないんですよ。
コホン。
まあ何はともあれ。
私はその後、自然とフェードアウトして行けたんだ。
因みに俺に面と向かって言った女子。
某芸能人の娘さんでした。
確か…デビューもしてたよね。
改めて人は平等ではない。
いろんな意味で思い知らされました。
…今となってはいい思い出だよ。
ほんとに(笑)
※※※※※
ここで一つ。
“今の私”の考察。
宗教は色々なつながりがあり、影響力も強いという事。
色々と人生の経験を積んだ“おっさん”の私はそう思えてしまう。
つまりは大企業という経済界や政治的なつながり、とかね。
もちろん大衆は、その事になぜか目が行きにくい。
恐らく“そういう事”に意識が行かないようにコントロールされていたと思うのは――勘ぐり過ぎだろうか…
資本主義の世界において、宗教団体は非課税。
当然のごとくそれは“癒着”が懸念材料となる。
癒着。
思想の伝染。
歴史を振り返れば…
嫌だけど明白だよね。
結果として。
教育から、実はコントロールされていたんじゃないか?
そう思わずにはいられない。
何はともあれ。
倫理観や道徳はともかく…
この世界モノを言うのは財力、そして法律だ。
生きていくには必ずついて回る事実。
だがそんな一番大切なこと、恐ろしい事に義務教育下では学ぶ機会が殆どない事実。
(お金の価値とか、為替の原理。それから簿記の基礎くらいはね。――知りたかったよね)
そして。
それに対し誰も不思議に思わない程度には…
コホン。
断定はできないし、きっと違う見方もあるだろう。
でもああいう経験をし、色々見てきた私は。
どうしてもそう思ってしまうんですよ(笑)
まるで――真綿で締め付けるような…
『生かさず殺さず』
ネットなどない時代。
大衆は(もちろん私もその中ですよ)少しの褒美によって権力者の思うがまま操られていたのかもしれない。
何より恐ろしいのは。
そういう世界が当たり前だと刷り込まれていた事。
――歴史は繰り返す。
なぜか私はそう思い、だらだらとこんなものを書くのだが…
まあ、そんな話もあった。
そういう事です。
次はもっとワクワクするお話。
書けたらいいですね。
このお話以降は来週の予定です。




