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220/221

シクスタウンジャパンを満喫


 かき揚げの天玉丼とボーンズスープによる昼飯は好評に終わった。

 ルナとミコトからは、ディーパクトが揚げた分に関してからい評価は出たものの完食。

 後片付けを済ませた後は、着物や甚平で町中を回ることになった。

 濃い緑の着物に灰色の帯を巻いた姿になり、木目調の茶色い甚兵衛姿のイクトと薄紫の生地に小さなドクロがいくつも描かれた着物姿のミコトと手を繋ぐ。

 白地に高波が描かれた袖の余った着物姿のネレアは、濃い赤の帯を巻いた水色の生地に黄色の線で柄を描いた着物姿のセイリュウと手を繋ぐ。


「やっぱ買った以上、着ないとねー」


 厚底の雪駄で器用にクルクル回りながら、着物を見せびらかすかのように歩くマーウだが、明るい色合いの着物は丈が短いミニスカート風な上に胸元が開いている作りだから目のやり場に困る。

 俺はすぐに目を逸らしたが、ポッコロとディーパクトはガン見してゆーららんに背中をつねられている。

 胸元に触れて悔しそうにしているアルテミスは、見なかったことにしよう。


「もう少し、周りの目を気にしてほしいよ……」


 俯き気味に横を向く、灰色の甚平姿のむらさめ。

 口ではそう言いつつも、視線がチラチラとマーウへ向かっているのは、長年の親友として指摘するのはやめよう。


「なんでつねるのさ」

「なにするんっすか!」

「自分の胸に手を当てて聞いてみなさい」


 宮司風に白の着物と赤の袴姿のポッコロと、茶色と黄緑の縦縞模様をした甚平姿のディーパクトが文句を言い、フリルが多い和ロリな着物姿のゆーららんが怒り気味に返す。


「大丈夫、私はまだ成長の余地があります。あれくらい育つよう努力して、必ずポッコロ君の視線を奪います」


 悔しそうな眼差しをマーウへ送るアルテミスは、白地に大きく花が描かれた着物。

 華は花弁だけでなく茎も葉もあり、一輪全体が描かれている。

 努力に関しては頑張れとしか言いようがない。


「大丈夫。あの手この手を使って、あっちの趣味をこっちへ寄せるという手もある」


 アルテミスの肩に手をやり、サムズアップして微妙なアドバイスを送るルナ。

 紺地に月が描かれた着物はルナのイメージに合っているが、そのアドバイスはどうなのだろう。

 まあ、当のアルテミスは希望を見出したように明るい表情になったからいいか。


「さすがトーマ君、すぐに目を逸らしたね」

「当たり前だろ」


 可愛い彼女のセイリュウがいるからこそだ。


「もしも見ていたら、足を踏んでいたよ」


 ニコニコ笑顔のセイリュウが、ポツリと呟いた内容が耳に届く。

 はい、気をつけます。

 ゲーム内なのに寒気を感じつつ、俺達が向かったのは演芸場。

 先日ここを見つけて興味を持ったアルテミスが調べたところ、今日は午前中に有志のプレイヤー達による演奏発表会、午後は別の有志のプレイヤー達によるお笑いステージがあるとのこと。


「出演する方々やチーム名、その方々が演奏する曲名は掲示板にありましたが、それだけでは曲は想像できませんもの」


 音楽が好きなのか、兎の耳が左右へパタパタ動く。

 確かに音楽っていうのは聞いてこそのもの。

 曲名だけで安易にこういう曲、とは決めつけられない。


「どんな曲だろーね」

「ノリが良いのが聞きたいっす!」

「大人しめのがいいです」

「意外とクラシック系だったりして」


 どんな曲が演奏されるかを話しながら歩き続け、演芸場へ到着。

 入場料を払って客席へ入ると、さほどプレイヤーがいないから全員で一塊になって座れそうだ。

 というわけで、俺とイクト達とセイリュウとルナ、むらさめとマーウとポッコロとゆーららんとディーパクトとアルテミス。

 この二組に分かれ、むらさめの組が俺の組が並んで座った一つ後ろの列へ並んで座る。

 なお、ころころ丸が座るのはポッコロの膝の上だ。

 舞台の幕はまだ下りているから雑談して始まるのを待ち、やがて客席が八割ほど埋まった頃に公演時間となった。


「皆さん、本日はようこそおいでくださいました!」


 最初に行われたのは、演奏をする有志のプレイヤー達の代表者、何故かバニーガールの衣装に身を包んだ女性による挨拶。

 小難しいことは言わず、明るくハキハキした口調で手短に済ます辺り、堅苦しさは感じず長話で気持ちが萎えることも無い。

 ただ、終了後に今日演奏するグループやプレイヤーの音源データを通路で売っているから、気に入ったら買って欲しいと宣伝する辺りはちゃっかりしている。


「それでは皆さん、どうかお楽しみください!」


 最後にそう締めくくり退場し、少しして幕が上がって最初のグループによる演奏が始まる。

 全員が学生服のような衣装をした、少年少女五人組による軽快でテンポの速い曲。

 演奏している五人の衣装もあり、学校の軽音楽部のイメージそのものって感じだ。


「いいじゃん、いいじゃん! ケッコー上手いし、後で音源データ買おっかなー」

「俺も欲しいっす!」


 後ろの列のマーウとディーパクトにも好評だ。

 イクトとネレアもラストには、周囲に合わせて「イエーッ」って声を上げて拳を突き出しているし。

 続いてのグループは男性五人による、本格的な雰囲気を放つバンドグループ。

 これは曲も期待できると思いきや、内容はノリノリのラップ調。

 一部の観客はノッテいるし、イクト達ところころ丸も真似して「YOYO」とか言っているが、個人的には好きでも嫌いでもないから苦笑することしかできない。


「色々なグループがいるから、こういう音楽をする人達がいても不思議じゃないね」


 隣の席で苦笑しながらそう呟くセイリュウへ、無言で頷いて返した。


「ほうほう、なかなかできる。これは音源データ買いだね」


 えっ、ルナってこういう系の音楽いける口なのか?

 意外な反応に驚いている間にも演奏は続く。

 やがて終了すると一部客からは拍手喝采。

 その中にルナも加わっている。

 イクトとネレアも拍手しているが、これはただ真似をしているだけだな。


「この後も同志達の魂のビートが続くぜ、そいつらへも応援、よろしくー!」


 ボーカルが最後にそう言い残して退場した後も、次々と演奏が行われる。

 演奏メンバーを後ろに配置し、前で数名のボーカルが笑顔で踊りながら明るい歌を歌う男性プレイヤーのグループ。

 一転して楽器を手に椅子に座り、渋い雰囲気の歌を弾き語りする中年男性プレイヤー。

 歌も衣装も如何にもアイドル風な、少女プレイヤーのグループ。

 自分で演奏しながら青春ソングみたいな歌を歌う女性プレイヤー。

 そして俺に区別はつかないが、デスメタルかヘヴィメタルみたいなのをやりだす男女のグループ。

 これはさすがにイクトとネレアの教育に悪いと判断し、イクトの耳を塞ぎ、ネレアの耳をミコトに塞いでもらう。

 ミコトは二人より精神的に成熟しているし、死に関する存在のバンシーだから大丈夫と判断する。


「ますたぁ、なんでいくとのみみふさぐの?」

「みことねーね、きこーない。て、はなーて」


 二人から抵抗されるが、駄目と返して耳を塞ぎ続ける。

 ただ、ボーカルがヘドバンしだしたらイクトとネレアもヘドバンしだして、それでも耳を塞ぎ続けるのには苦労した。


「お疲れさま」


 グループ全員が退場後にイクトの耳を解放したら、セイリュウが労ってくれた。


「大丈夫、これもイクト達のためだ」

「その通りなんだよ。あれを聞かせたら、ヘドバンの件もあってドハマりしそうなんだよ」


 ネレアの耳を解放してミコトの意見に無言で頷く。

 俺個人はデスメタルもヘヴィメタルも否定しないが、聞かせる相手の年齢には配慮したい。

 いくらデータ上の存在とはいえ、さすがにイクトとネレアは精神的に幼いからな。

 あっ、年少組は……良かった、苦笑はしているから大丈夫か。


「ますたぁ、つぎのはじまるよ」


 ああそうだな、イクト。

 次はどんな曲――。


「地獄の底から這い出てきた、俺様達の怨嗟の嘆きを聞きさらせー!」


 連続してデスメタルかヘヴィメタルとか、主催者は何を考えているんだ⁉

 再びの耳塞ぎを挟み、ようやく聞かせて問題の無い曲になった。

 子供のプレイヤーが来ているかもしれないのにああいう曲を出すとか、あとで主催者へ意見しておかないとな。

 せめて年齢制限を設けるか、曲の内容を分かりやすくまとめたパンフレットを用意してくれって。

 その後、全ての演奏が終わってマーウやルナや年少組が音源データを買っている間に、関係者へ対してこの件を伝える。

 すると弟妹連れだというプレイヤー達も集まって、同じような意見が告げられていく。


「大変申し訳ありませんでした。次回からは曲の内容を精査した上で、場合によっては年齢制限を設けさせていただきます」


 色々言われて涙目になった主催者的立場の男性プレイヤーが、平謝りしながらそう告げたから今回はこれで引こう。

 最後に気に入った曲の音源データを忘れず購入し、全員で演芸場を出る。


「いやー、なかなかに楽しかったねー。ヘビロテしたい曲も手に入ったし、満足だよー」

「私も良い曲が手に入って満足ですわ」


 皆は買った音源データについて楽しそうに喋っているが、こっちは主催者側への抗議で疲れたよ。


「じゃ、次は入浴施設へ行く」


 前回のログインから入浴施設が気になっていたルナの提案により、次は入浴施設へ。

 今日も施設の前で飲み物の屋台を出しているバーテンダーを見つけ、第二陣で加わった仲間達を紹介。

 風呂を堪能した後で寄る約束を交わし、逸るルナを先頭に入場。

 受付で入館料を払って共同風呂を選択し、脱衣所でステータス画面を操作して受付で借りた湯あみ着へ着替え、髪が長い面々はゴム紐で髪を纏めて大浴場へ入る。


「おぉぉ」


 湯煙が漂う大浴場を見て、ルナが無表情のまま目を輝かせる。


「へぇ、思った以上に広いっすね」

「色々な種類があって楽しそうですわ」

「いーじゃん、スパみたいで」

「どんなお風呂、あるのかな」


 続けてディーパクト、アルテミス、マーウ、むらさめもそれぞれに感想を述べる。


「これは全部回らないと気が済まない。行くよ、マーウ」

「いーよいーよ、付き合うよ」


 普段とは逆にルナがマーウを引っ張る形で二人が離れて行く。

 後で休憩所で合流なと告げると、「りょ!」とマーウが返事をしたから大丈夫だろう。

 そうしている間に、ポッコロとゆーららんが案内する形で年少組ところころ丸も移動し、「邪魔しちゃ悪いから」と言い残してむらさめも離れて行った。


「……広い風呂でいいか?」

「……うん」


 急かすイクト達を連れて広い風呂へ向かい、泳がないよう注意を促して湯舟に浸かる。

 あぁ、やっぱり風呂は良い。

 のぼせることがなければ、何時間でも浸かっていたい。


「イクト君達も気持ちよさそうだね」


 何気にすぐ隣で湯に浸かるセイリュウの妙な色気に惑わされないよう、視線を話題に上がったイクト達へ向ける。

 気持ちよさそうな表情のイクトとネレアが、泳いではいないが仰向けに浮いているからミコトが注意を促し、迷惑を掛けてはいないがちゃんと三人で周囲へ謝っている。

 他のプレイヤー達は笑って済ませてくれているし、大丈夫そうだな。


「ミコトちゃん、すっかりお姉ちゃんだね」

「本人はまだ甘えたいみたいだがな」


 自分から言わないだけで、手を差し出せば握ってくるし手招きすれば寄って来て頭を撫でさせてくれるし、そういった事をしてやった時は表情には出ずとも嬉しそうだし。


「それなら、あとでちゃんと構ってあげないとね」


 勿論そのつもりだが、今構うべきは自分だと言わんばかりにセイリュウが湯の中で手を重ねてきて、肩へ頭を載せるぐらい寄りかかってきた。

 これは効く、風呂とは別の意味でのぼせそうなくらい効く。

 ただでさえ湯に濡れた姿が妙に色っぽいのに、こんなのされたら現実だったら間違いなくのぼせる。


「そうだな。じゃあ今はセイリュウを構おう」


 自分のキャラじゃないとわかっていながらもそう告げると、よろしいと言いたげに明るい笑顔を浮かべた。

 というわけで、セイリュウの希望に沿って風呂を回っていく。

 途中、気持ちよさそうに寝湯へ浸かる年少組ところころ丸を見かけたり、一人用の壺湯を堪能するむらさめを見かけたり、男性プレイヤーに声を掛けられてそこから言い合いになっていたマーウとルナを見つけて仲裁したり、なんてことをしながら風呂を堪能した。

 なお、マーウとルナは男性プレイヤーからナンパされ、断ってもしつこかったため言い合いになっていたんだとか。

 ちなみにその男性プレイヤーは、突如現れたプレイヤー達に「迷惑掛けちゃ駄目だろ」と言われながら、どこかへ連れて行かれた。

 そんな出来事を挟みつつも風呂を堪能した俺達は、今回受付で浴衣や甚兵衛を借りなかったため、入浴前にしていた服装で休憩所へ向かい皆と合流する。


「いやー、スパ顔負けの種類があって楽しかったー」

「あのナンパ男がいなければ、もっと楽しめた」


 座布団に座って備え付けの冷水を飲むマーウは楽しそうだが、同じく座布団に座って冷水を飲むルナはナンパの件で少し不満気味だ。


「壺湯っていいよね。公衆の大浴場でも一人で浸かれるからさ」


 リラックスした様子で座布団を枕代わりに畳へ寝転がるむらさめは、壺湯を堪能したようだ。

 だけど人見知りを直したいなら、そうやって一人になれる場所に籠るのはいただけない。

 バイト先では上手くやっているそうだけど、後で瑞穂さんに聞いて、場合によっては瑞穂さんにも協力してもらおう。


「うぐぅ、サウナで粘りすぎたっす」


 能力値が一割下がり、移動がおぼつかなくなるのぼせ状態になったディーパクトが、畳の上に寝転がって真っ赤な顔で呟く。


「だからやめておけばって言ったのに」

「これだから男子ってのは……」

「しばらくそのまま、反省していてくださいね」


 座布団に座って冷水を飲むポッコロとゆーららんとアルテミスは、その姿に呆れ顔を浮かべる。

 そして動けないのをいいことに、ころころ丸が腹に乗って、「勝ったぞー」とでも言いたげにポーズを決めてモルモル鳴いてる。


「あっ、それいくともする!」

「ねーあも!」

「二人とも、やめるんだよ」


 ころころ丸の真似をしようとするイクトとネレアを、ミコトが後ろ襟を掴んで引き留める。

 首が閉まって「ぐえっ」となったが、よく止めた。


「そんでー、この後は晩御飯?」

「時間的にもそれがいいな。食ったら宿で寝て、明日は自由行動にしよう」


 元より主力が三人もいないから、シクスタウンチャイナへ移動する予定は無い。


「だったら明日は生産しまくって、ついでにギルドの依頼受けよーっと」

「僕もそうしようかな」

「私は前の町へ戻って、レベル上げがしたい」

「ルナさん、私もそれに付き合いますわ」


 マーウとむらさめは生産活動とギルドの依頼、ルナとアルテミスはレベル上げか。

 他の面々はというと、ポッコロとゆーららんは畑仕事を、ディーパクトは掲示板で集めた情報を使って前に俺がやっていたチェーンクエストへ挑戦するらしい。

 セイリュウは念のためルナとアルテミスに付くというから、俺は適当にギルドで依頼を受けつつ飯の仕込みでもしようかな。

 明日の予定を話し合い、ディーパクトがのぼせ状態から復帰したら退館し、バーテンダーの屋台で飲み物を購入する。


「ねー、タピオカミルクティーないのー?」

「なんでもかんでもあるわけじゃないからなっ!?」


 無茶を言うマーウがバーテンダーを困らせた一幕はあったが、笑って済む範囲で収まってくれた。

 その後は当然のように晩飯の話題になり、食材を確認するためにステータス画面を開いたところで、あの人がログインしているか気になって確認をしたら、ログイン状態になっていた。

 念のためメッセージを送ると、問題無いという返事がすぐに届く。


「皆、晩飯は外食にしないか? セツナがログインして、もう三十分ほどで開店するんだとさ」


 昼に行けなかったセツナの店へ行けると分かると、全員が行きたいと主張。

 予め大人数で行くと伝えておき、素材や食材を見て回ってから開店直後のセツナの店を訪れ、潔く飯屋としか書いてない暖簾をくぐって入店する。


「おう、いらっしゃい。トーマ」

「ようセツナ。第二陣からの仲間達を連れて、食べに来たぜ」


 コ型のカウンター内にいるセツナと挨拶を交わし、テーブル席をくっ付けて着席。

 雇ったという接客と配膳をするNPC二体が運んできたお茶を受け取り、それを飲みながら注文する料理を選ぶ。


「三品定食と三品飲みセットしかないんですか?」

「頼めるのはどちらかを一回きり、おかわりはごはんと汁物のおかわりが一回まででお酒は二回までなんですね」

「でないと金がある限り、際限なく食う奴が出そうだからな。一人でも多くの客に食ってもらうためには、しゃーない措置だな」


 メニューの最初に書かれていることをポッコロとゆーららんが口にすると、渋々といった様子でセツナが答える。

 他には持ち帰れる料理は一人一品で一人分のみ、他者の分を持ち帰りで求めるのは不可、店に迷惑を掛けるプレイヤーはシステムによって出禁とある。

 全員が分別を持って利用していればいいが、そういうのを考えない人が一定数いるから仕方ない。

 よく見れば同じ注意書きが、壁にも張られている。


「ちなみに三品定食って何っすか?」

「好きな汁物を一品、好きなおかずを三品選べる定食だ。何を頼んでも、白米と漬物が付いてくるぜ」


 つまりは好きな定食を作れるってことか。

 三品飲みセットも同様で、好きなおかず三品に好きな酒を一種類選べるようだ。

 しかもこっちには、飲んだ後のお茶漬けまで付いてくる。

 ごはんと漬物が付かない分、飲んだ後の締めを用意しているのか。

 お茶漬けは気になるけど、酒は飲めないから定食一択。

 汁物とおかずはメニューの続きにある固定料理と、店内に貼り出されている日替わり料理の中から選ぶのか。

 どれを頼んでも料金は定食やセットとして一律なのは嬉しい。


「うー、まようー」

「汁物を合わせても四品しか選べないのが辛いんだよ」


 迷うイクトとミコトだが、それは皆も同じ。

 あれにするかこれにするか、何度もメニューを見直して考えている。


「まーたー、おさーなどれ?」


 ネレアは魚料理は決定しているんだな。

 でも魚介類を使っている料理もそれなりにあるから、教えてやったら悩みだした。

 これがダルクなら、揚げ物で即決しただろう。

 さて、俺は……汁物はキノコ汁、おかずは切り干しスンヅマリモドキダイコンとマダラニンジンの煮物、ホックリダイズの手作りオカラと野菜の炒め煮を副菜として、主菜はプラチナシャケのちゃんちゃん焼き仕立てにしよう。

 おっ、料金プラスでごはんを大盛りにできるのか。

 だけど今回は普通盛りでいいや。

 初来店の店で大盛りを頼んだらとんでもない量が、なんてことはそうそうないと思うけど、セツナならやりかねないから念のためだ。


「注文決まったら言ってくれ。そろそろ客が入って来て、忙しくなるからよ」


 セツナがそう告げたと同時に、「ここが吸血鬼の姐さんの店か」と言いながら数人が来店。

 これは確かに忙しくなりそうだと判断し、全員が決まるのを待つのはやめて、決まった人から順番に頼むことにした。

 なお、ごはんの普通盛りは本当に常識の範囲での普通盛りだった。


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― 新着の感想 ―
今回のトーマの行動は賛同しかねる 正直文句をいうのはちょっとな ゲームでそんな理屈言い出したら面白くないじゃん バニーガールでバンド モデルはあの人だな
2026/04/12 02:22 男のバックアップ
タピオカミルクティーで、思い出したのですが・・・。確か、タピオカの材料が何とかと言う芋(里芋の様な)物を磨り潰して、抽出した成分を茹でると玉の様に固まる性質を持ってるとかだったかな?何年か前、TVでタ…
ゆーららんちゃんとアルテミスちゃんは将来があるからたぶん大丈夫! セイリュウちゃんは残念ながら来世に頑張ってください
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