80、続・最凶の戦鬼
少し短いです。
オガス近郊には広大な鬼魁平野を始め、ジャイアントクロカーシュ討伐時に訪れた湖、アリの巣の様な昆虫の巣窟等名の通った魔物の生息地が多く危険地帯とされるランクA指定の魔物の生息も東西南北に存在している。
だがそういった魔物は従来生息地から出てこない為生存争いに敗れたはぐれ者が街に来ない限り問題にはならない。魔族ギルドの依頼にも生息地にいる魔物の討伐は破格の報酬を約束し依頼を受けたいという者以外強制しないようにしている。
そんな危険地帯に行くのは自分の力に溺れた身の程知らずやどうしても金を集めないといけない切羽詰まった者、後は――――――。
|適当な相手と戦いに来た鬼ぐらいだろう・・・。
「ヤシャさん、何度見てもアジュラ様の戦いは―――うわぁ・・・」
「あれ、すでにけがした個所にさらに追い打ち掛けてるよ。何あれ・・・得物が」
「おかしいでしょ!Aランクの魔物の攻撃をなんで素手で受け止められるのよ!」
「それよりおかしいのは魔法が掻き消されてしまっている事だよ」
あぁ~騒ぐのはいいし俺の後ろに隠れるのもいいから服を掴んで動きを制限するのだけはやめてくれ。
こっちにいつ魔物が逃げてくるか分からないんだから。
「シャッハ―――!!」
「俺も魔物なんかよりアジュラの方のが怖いな」
「そう言っている割にヤシャさんの態度は変わった気がしないですけど」
それは規格外を見てるからある程度免疫ができているからだと思う。悲しい事だが・・・
その間にも魔物の群れを屠っていく。
「どりゃぁーーーー!」
倍以上の体躯の化け物を気合いの入った雄たけび挙げて振り抜いた槍がまるで豆腐でも切っているかのように一直線を描いて切り裂き血しぶきを上げる。それで魔物が倒れると次の得物目掛けて突っ込んでいく。
マリアは魔法による一掃を好んで行っていたので身体能力だけで、それも一体一体が今の自分と大して実力の変わらない魔物の屍の山を築いているのを見るとそれはそれで背筋がぞっとする。
「おい、ヤシャ!そっちに一匹言ったぞ」
「みんな出番が来たぞ」
「ふぇぇ――――」
そしてなぜかこの手の輩は気分でこんなことをするらしい。
一日に何回か行われその都度4人は死ぬ気で戦う羽目になっている。俺か?俺はもうこの状況に混乱するなんていう反応は麻痺してしまっているようだった。
「やるぞ」
その言葉をきっかけに4人は得物を抱え俺を主体に魔物へと襲い掛かった。
そして・・・
数分掛かって喉元に剣を突き立て絶命させるうちにアジュラは5倍以上の成果を上げていた。
「どんな強さですか」
「自分達の自信が無くなりますね」
「ヤシャも強かったけどまだ要領できたからね」
「味方じゃなかったらと思うと・・・」
最後の言葉に4人の肩が同時に震えた。
そんなこちらの心情も知らずアジュラはその後も戦いを楽しみながら(気持ちがいい笑顔をしているから)魔物を屠っていき最後には対峙していたすべての魔物を全滅してしまっていた。
「ふ~楽しかった」
「お疲れ様」
「ば~か、こんなもんで疲れるかよ」
その言葉は嘘が無いようで疲れた様子は微塵も見られない。むしろ俺らより元気に見える。
「それよりヤシャ。4人がかりで苛めてるんだからもっとスマートに仕留めてやれよ」
「意味が分からないぞ」
「そうか?」
首を傾げるアジュラは本当に分かっていないようであった。
「まぁいいや。次行こ!次!」
「ちょっと待った。さっきので十分楽しんだろ?」
「あれだけで満足するわけないだろ?むしろようやくエンジンがかかったんじゃねえか」
「「「「・・・・・・・・・・」」」」
あ~後ろで4人が終わりじゃないと聞いて悲痛な顔になってらっしゃる。
「・・・そんじゃヤシャ、これかたしとけよ。次の|魔物(得物)探してくるから」
そしてアジュラも言いたいこと言ったら俺達に背を向けて奥に向かっていってしまった。
ちなみに魔物の片づけは俺のアイテムボックスを知ってから俺が担当になっている。ただ入れるだけで処置は帰ってからギルド任せなのだがそこまで面倒を見る余裕はない。
「本当の戦闘狂ってああいうのを言うのね」
「あの性格に見合う力があるから困るのよね」
「・・・そのうえお家も貴族のお偉い様だから余計タチが悪い」
「たぶん大事な物が戦闘に回っちゃったんだろうね」
「一つ言えることは・・・」
「「「「凡人でよかったー」」」」
なんか4人も変な悟りを開いちゃい出している。
「取りあえずまだアジュラは続けるそうだから後を追おうな」
「「「「・・・・・・・応」」」」
諦めたように声を出した後アジュラを追いかけに行き満足するまで付き合って疲れ切る事となる。
オガス貴族将軍の娘 アジュラ・ヘスラー
魔族ギルド登録のBランク冒険者パーティー
イヨ・ルー コロル・ミーグラム シノ・デルヴィー マーキリー・スー
偶然弥叉という接点で知り合うようになった5人が全員弥叉によって運命が変わっているなぞ知る由もない。
書けない期間が長かったからか書くスピードが遅い・・・・・。
本編前のフリは考えてなかったからもあるけどきついなぁ~




