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37、弟弟子と出世

 終刻の洞窟にてマリアと再会する事ができてから一週間以上経過していた。

 無事洞窟からも抜け出す事ができた。そのうえ新たな仲間としてガルロルフの子供が仲間に加わり旅も賑やかになった。

 めでたしめでたし・・・かと思ったが、弥叉は今まで以上の地獄の鬼を見る事となり落ちたことを後悔する事となった。


 マリアに再会してからまずここが魔障粒子という人体に害となる粒子が大気を汚染している事を聞いて、もう手遅れもいいところなのに身体から粒子を出そうと咳をして苦しそうな仕草をしてマリアから環境適正が働いているから大丈夫だと言われて赤面した。

 そして俺の隣にいたガルロルフの子供を紹介し仲間にしたいと懇願。俺の洞窟生活で何があったのかもすべて語りガルロルフの子供の境遇も話したが逆にガルロルフの子供が冒険者に捕まりさえしなければ今回の事は起きなかったとマリアに反対される事となり小1時間仲間にするかで口論になった。

 最終的には連れて行く事を了承してもらうことができたが、俺の弟弟子とする事が条件になった。

 それからはまさに地獄の始まり。

 洞窟内にあった特回復草や生命花が大量に採取する事ができた為、死ななければ回復できるようになり、また洞窟に落ちてからマリアから言いつけられた鍛錬をしていなかった事が発覚してしまい、マリアの訓練は腕の一本や二本折れても助けてくれない実戦訓練へと激しさを増して・・・訂正、死の感覚がより明白なものになっていった。

 唯一の救いだと思っていた弟弟子と隣って一緒に訓練をするようになったので兄弟子として引っ張っていこうとしたら、ガルロルフの子供は流石あの親ガルロルフと同じ種族と言うような戦闘のセンスで同じ敵を相手にしているはずなのに手傷が少なくそれでいて俺より早く魔物を狩れる様になり、俺があれだけ苦労して覚えた雷系魔法を2日目であっさり覚えられ4日目には追い抜かれていた。

 俺も勇者並みの才能があるはずなんだけどなぁ

 それでももしマリアに再会できずにガルロルフと一緒に洞窟脱出を続けていたら何週間も洞窟を彷徨うことになり、高確率で途中でくたばっていた。

 だから文句を言う気は起こらず、これ以上置いて行かれない様に自己鍛錬をこっそりし始めた。



 洞窟を出てからは予定していた集落に向かったのだがそこでも数日前まで人間の冒険者によって占拠が行われていたらしい。住民であるインプとコボルトが捕まっていて、それを逃げ延びたコボルト達が地中から救出しようとしていたのだが救出が成功したと思われた前日に占拠していた冒険者は何かに襲われたらしく幾つもの死体が転がった状態ですでに占拠は終わっていたという。

 この付近にそこまで強い魔物はいなかったので何が起こったのか住民も頭を悩ませている所での俺らの訪問で色々と面倒な疑いを掛けられもした。

 そういえばその時マリアが珍しく、本当に何があったんでしょうね、と興味を持った発言をしていた。俺はまた3桁レベルの戦いをするような奴と会いたくないので鉢合わせなくてラッキーなのだが。

 まぁ関係ないのでこの件には関わりは持たないで2日間身体を休めてメサイタまで行く為の次の目的地を決めるとさっさと出発をした。


 次の目的地は町や村ではなく初めての街でマリアからは産業都市として優秀な商人が行き交う街だと言われ、インプやコボルトからも同じような評価をしていた。

 今から街に着くのが楽しみだ。

 ただ最近では商人が来ていないから街の細かい様子を知ることができなかった。もしかしたら元の世界の製品とかが広まっていたりするかもしれない。





 ◇ ◆ ◇




「魔王様から招集の命令が下りました。

 各員は速やかにこれを各大貴族の当主へと届けて下さい。

 貴族達にはその後この招集が行われる事を通達し当主を連れて帰還してもらいます。

 失敗は許されないものと思いなさい」


 セリアの言葉に彼女の前に集まっていた兵士は敬礼してセリアから招集内容が書かれていると思われる手紙を受け取ると10人前後の集団でその場を後にして行った。

 去って行ったのは魔王城に所属する魔王直属の部隊の人員で本来なら都市の警邏や周囲の外壁の修繕作業に回すのだが人員が少なく、無事に任務を遂行できる部隊は魔王直属部隊ぐらいしかいないのが現状だ。

 しかし、これでもまだマシ。

 少し前まで大軍が構成できる程に人員がいたがその殆どが貴族からの間者や軍の軍金狙いの無法者達ばかりで街の治安を守るどころか悪化の一途を辿る要因の一つであり、粛清しようにも貴族からの圧力が強くて解体できない状態が続いていたのだ。

 それが今回、魔王が貴族からきていた苦情を解決したことで衰退させたい貴族以外の中立貴族が恩義を感じてくれて圧力がかかりにくくなったのを便乗して膿を出すことに成功したのだ。

 それでもまだまだ問題は山済みなのだが・・・


「セリア様!!」


 全員が去ったのでそろそろ私室へと戻ろうとした時、場内から兵士が私の名を叫んで場内から飛び出して来た。

 ここで朗報で現在私は雑用の書類仕事から魔王様に関係性の高い仕事ができるまでに出世して魔王城では様付けされる程度には地位を築いる。まだ貴族の様に爵位は貰えていないけど大きく一歩前進しました。

 その分雑用の時とは違う苦労も多くて今回も多分その一つで、


「魔王様に脱走されました!!」


 私が出世して最も対処に駆り出されることの多い案件だった。

 というか魔王様!また書類を投げ出して逃げましたね!!それ最後は全部私に回ってくるんだからいい加減逃げるのやめてーーー!!!



 セリアが更に出世したのはそれから一週間後のことだった。


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