夜明けの珈琲
Looted Honesty Goes Away... by Souji Yamato
夜が明けて、エルフの村では、普段通り、穏やかな時が流れています。
もちろん、長老エルダンの新婚家庭でも、幸福な日常が始まりました。
いつも通り、エルフ長老の人間妻『町屋自由』が、お尻と背中が丸見えの『裸エプロン』という艶めかしい格好で、長老に珈琲を差し出します。
「どうぞ、熱いですよ♡」
「いつも、すまないのじゃ」
そう礼を言って、長老が、ゆったりと、珈琲を嗜みます。
自由は、幸せそうに微笑みながら、キッチンへと振り返りました。
ところが、自由の後ろで、不吉な『赤い光』が出現します。
驚きながら、自由が振り向くと、魔王の如き甲冑剣士が居ました。
次には、長老エルダンが、魔王らしき者の『剣からの炎』で、斬殺され‥‥その亡骸が、炎を上げながら破裂して、消え去ります。
途端に、自由は『怒りと憎しみ』が、限界を超えて沸き上がりました。
突如、長老の家が、爆風で跡形も無く、吹き飛びます。あとには、魔王の如き甲冑剣士が、佇んでいました。
しかも、魔王らしき者の以外に、生存者は‥‥存在しません。
ほどなく、魔王による、殺戮が始まります。
エルフたちは、魔王の『剣からの炎』で、次々と斬られて、炸裂‥‥破裂しながら燃え尽きて行きます。それは、家などの物体についても同じでした。
争う術なく、エルフの村が、破壊されて行きます。
しかし、村の2割が灰塵と化した頃、勇者カインの雄叫びが轟きます。
「ガングニール!」
ですが、カインの攻撃が、通用しません。
魔王には、カインの拳からのガングニールこと『時空トルネード』ですら、傷ひとつ与えられません。
時間が止まったかの様に、ゆっくりと、魔王が、カインの方に向きます。
カインの最後の記憶は、自身に迫り来る『魔王の剣からの炎』でした。
次に、カインが気付くと‥‥そこは、復活ポイント『森の洞窟』です。
おまけに、洞窟の奥では、長老の妻『自由』が、裸身にロングエプロンのみの恥ずかしい姿のままで、泣き崩れていました。
直ちに、カインは、自身のステータス等の状況を、確認して行きます。
機動聖女セシルは、カインの保管領域内の『メカ娘カプセルの中』で、蘇生メンテナンス中です。
しかし、仲間リストに、相棒‥‥娼婦エリンの名前がありません。
焦りながら、詳しく確認すると『復活禁止につき非表示』とありました。
洞窟の奥では、未だに、自由が『裸エプロン』のまま、号泣しています。
カインは、自由に、問い掛けます。
「何が、あった?」
「夫のエルダンが‥‥復活禁止にされて‥‥ううっ‥‥
わたしも殺されて‥‥お腹の赤ちゃんが消滅したの」
憤怒のあまり、カインは、洞窟を飛び出し、エルフの村に向かいました。
すぐさま、カインの後を、自由が泣いたまま、強化戦闘服『保安官ビキニ』に瞬間換装して続きます。まるで、カインを希望として、縋るように‥‥
カインと自由、二人は、エルフの村へと、闇雲に走り続けました。
Looted Honesty Goes Away... by Souji Yamato




