ゲームの達人
Looted Honesty Goes Away... by Souji Yamato
町屋自由(18才)は、気付けば‥‥広いだけの『地味な空間』に居ました。
自由は、いわゆる『ポッチャリ眼鏡女子』で、高校の制服を着ています。
程無くすると、天の声が聞こえて来ます。
『わたしは、女神リンカ‥‥あなたを、召喚した者です』
「もしかして‥‥ここは、異世界で、わたしが『ゲームの達人』だからよね?」
『何のことです?』
「だから、わたしが、魔王を『最短時間』で、倒せばクリアでしょ?」
『‥‥違います。あなたには、聖母として、勇者を産んで欲しいのです』
「生殖相手は、王子とかよね?」
『ごめんなさい‥‥
わたしは、単なる下級神なので‥‥
‥‥生殖相手は、あなたが探して、自分で選んでください。
上手く行けば、産んだ子供に、勇者の資格があります』
「それって、上手く行かないと‥‥相手を変えて、何人も産めってこと?」
『‥‥そうです』
「ちょっと、冗談じゃないわよ!」
『お願い‥‥します!』
天の声が、泣き声に変わりました。
しかも、天の声は、泣き言を、語り始めます。
泣き言によれば‥‥その昔、下級神リンカは、神界の規律を破り、とある村(現在のリンカ村)で、お人好しにも、人助けで雨を降らしたそうです。
結果、その罰として、下級神リンカは、中級神に成るための神号(神の称号)を、上位神から貰えなくなってしまいました。
ところが、女神リンカの災難は、続きます。
十数年前、リンカ村に立ち寄った詐欺師が、勝手に別の場所で『リンカ教』を立ち上げます。それが、教祖である『大主教バカサン』なのです。
しかも、最近になって、大主教バカサンは、上級神『正義の女神レイナ』が選んだ聖女を、拉致監禁して‥‥淫らな肉体改造までも施しました。
この事件は、神界で大問題となりました。ですが、女神リンカ自身は、リンカ教とは無関係なので、お咎めなしです。
それでも、リンカ教が、存続する限り‥‥下級神リンカは、神々に蔑まれ続ける上に、決して中級神には成れません。
そこで、女神リンカが、下級神なりに考えた計画は、召喚した『聖母』が勇者を産んで、その勇者が『リンカ教を滅亡させる』という貧弱なものです。
いまや、女神リンカ(天の声)は、大声で泣いています。
しばらくして、自由は、天の声に告げます。
「わかった、ギフト『聖母』を、受け取ってあげるから。
‥‥スキル『挑発』を頂戴。
さらに、余力で、わたしを『戦士特化』して。
最速で、リンカ教を、滅ぼすわよ!」
『はい‥‥わかりました』
天の声は、未だに、泣き声ですが、自由の願いを聞き入れました。一方で、自由は、自身のステータスを見て、勝利を確信します。
もっとも、自由の初期能力は、戦士としては『中の下』程度ですが、それでも、自由にとっては、十分な値です。
こうして、町屋自由は、異世界マトリールの戦士となりました。
Looted Honesty Goes Away... by Souji Yamato




