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GATE──少女が扉開くその先へ  作者: 祠乃@災厄の吸血姫
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気まぐれ召喚

最近の好きな言葉は、


『すたーらいとふぃーばー』です。

───僕、神崎 祠は地球の生物としての命を与えられて、この世界に生まれたけど……。なにもかも、良いことが起こるとは限らないことを知った。

僕は生まれながらにして障害をもって生まれてきた。走ること、歩くことや、外にも出れず、ずっと病院の301号室で何年も何年も暮らしてきた。謂わば、ここが僕の家だと言っても、間違いではない。


─だけど、ある時


「ふぁ〜、眠いや」


と、思ったけど、時計の針はもう0時を回っている。そりゃ眠いわけだ。

僕は、小説が好きだ。特に、異世界召喚系の小説が。現実でもこのようなことが起きて、まさに籠の鳥状態である、僕を連れ出してはくれないだろうか。


「今日も遅くまで読んでいたな。明日は特にやることもないけど。疲れを取るためだ、休もう」


僕は立ち上がってベッドを引き直した。薬のおかげもあってか、立ち上がれる程度にはなっていた。


「よし、お休みなさい」


僕はベッドに入り、呟くように言った。周りには誰もいないわけだが。

その時だった、僕のベッドが光り始めたのだ。


「わわっ!?なにこれ!」


驚きながらも、頭の中で考えを巡らせていた。この状況はよく小説で読んだ、異世界召喚に似ている。

もし、これが本当ならどんなに嬉しいことだろうか。 僕が夢にまで見た、異世界に行ける。自分の病気のことは気にしない。


いよいよ、体に光が包み始めた。すぐに光は僕の体を覆った。

そして、意識を失った。



「っ、うん…ここは?」


目を覚ますと、淡い金色の雲が覆っている場所にいた。もしやここが天国か、と思ったが。次にある生物(?)を見て、確信を得た。


「ようこそ、天の扉前へ」


その生物は、美しい金色の髪を持ち、背中には羽があった。美人というより、可愛らしいという感じだ。もしかして天使?


「天の扉?」


おお、先をよく見てみると、大きな扉があった。


「はい、別の世界に行くために使うものです」

「なるほど、どこ〇も〇アみたいな物か」

「なにか言いましたか?」

「いえ、別に。それで、この扉に入ればいいんですよ?なら、もう行っていいですか?」


僕は立ち上がり、足を動かしてみた。すると、不思議なことが起きた。

あれ、僕…歩ける。地面に足を付き、歩くとはこんなものなのか。思わず、感動して涙を流しそうになった。


「待ってください」

「なんでしょう、天使様」


歩きだそうとする、僕を天使が止めた。


「天使…ですか?」

「え?違うんですか?」

「違いますよ、私は神です。勇者召喚のために気まぐれであなたを呼びました。まずはステータスを見てください」


きま…ぐれ!?まぁ、いいか。

それにしてもステータスもあるのか。だけど、


「見るも何も、どこを見れば」

「あぁ、私としたことがうっかりしていました。どうぞ、ステータスプレートです」


僕は、神様に手渡しされた板を見た。そこには、



神崎 祠 15歳 Lv.1

天職:勇者駆け出し

称号

体力:20

筋力:15

耐性:5

敏捷:5

魔力:50

魔耐:20

技能:言語理解 観察眼 隠蔽

スペル(詠唱):

ユニークスペル(固有詠唱):

固有スキル:女神の加護



う、やっぱり、ステータスが低いな。元の世界の影響か…


「やはり、異世界人は魔力値だけは高いですね。それに技能が二つに、なんとも珍しい固有スキルまで持っているじゃないですか」


へぇ、魔力値はいいほうなんだ。それに固有スキルって…女神の加護?


「固有スキルは女神の加護を付けておきました。効果は、月に一度、死ぬような攻撃は全て弾くことが出来ます」

「おぉう。でも、それじゃ。強くなりすぎじゃないですか?」

「大丈夫です。これは、レベルが30になりますとこの効果は消えます」

「へえ」


なんか、神様って、すごいな。ずっとここでこの人と話してみたいと思ったけど、僕にはやることがある。


「では、神様。行ってきます」


僕は、扉へと再び歩き始めた。


「はい、頑張ってください」


神様は真顔だったが、応援をしてくれた時には一瞬で笑顔にして見送ってくれた。

僕は扉の前まで慣れない足取りで進んでいった。そして、ギギギギと音を出す扉を少しずつ開けていった。


扉を全て開け切ったところで、またここに来たときと同じように光が体を包み始めた。そして、10秒もしないうちに、体を包んだ。

相変わらず、早いな。まだ、2回しか見ていないけど。

考えていた途端に突然、意識を失った。



「いたた、ここは?」


神様の居場所から、今度は暗い森に来てしまっていた。

僕は思わず再びプレートを見ていた。こんな不気味な森に一人で迷い込んでいていいのだろうか。

そこには、『能力複製』というさっきは見なかった固有スキルが追加されていた。


「なんだ、これ」


意識せずに呟いていた。それほどにこのスキルはよくできていた。


能力複製スキルイミテイト:触れた者(人以外)の能力をコピー出来る。そのうち、一生使えるスキルは10個まで設定出来る。任意で変更可能。


「へぇ、なかなかできてるスキルだ。っとそろそろ歩きださないと…もう、陽が落ちそうだ」


僕は立ち上がり、歩きだそうとした。だが、ここは異世界の森…そう簡単に僕を逃がすことはしなかった。理由は…


「グルルル」


と、唸っている生物がいるからだ。僕はすかさず観察眼を発動し、その生物を知った。名は影狼シャドウウルフ、能力は影から影へと移動できるようだ。しかし…


「しかし、まずったな。もう、陽が落ち始めてる。このままじゃ、僕対魔物のワンサイドゲームになってしまう」


とにかく、ここは逃げるが勝ちだ。

僕はとにかく、隠蔽のスキルを使いながら魔物を撒こうと走った。だが、向こうも僕の匂いを覚えてしまったのだろうか、ちゃんと付いて来てしまっている。

一心不乱に走った、途中でつまずきそうになりながらも、走った。理由は、死ぬのはまだ早い、そう感じたからだ。だが、ついにこの追いかけっこは終わりを迎えた。

僕は、頑張って走ったが…森の地図は分からない、だから…唐突に僕の視界が開いた。そこには、崖があり、進めない状態だった。


「あ、ぁ…」


思わず、その場にへたり込んだ。数秒もしないうちに狼もすぐに追いついてきた。


「ガルゥ」


そこで影狼は爪を出し、前足を上げた。


「ひっ!?」


助けてよ…誰でもいいから…。

こんなことになるなら、異世界転移なんてしないで病院で寝転がって小説を読んでいたかった。

…もういいや。こんな時間にこんなところに誰かが通りかかるわけないか。

僕は、諦めた。振り降ろされる爪と、どんどん近づいてくる死を待った。


「ギャウ!?!!?」

「え?」


明らかに、どう見ても目の前の魔物は苦しげな呻き声を上げていた。


「どういうこと?」


あ、そうか。

目の前の魔物をよく観察してみると、腹が真一文字に切り裂かれていた。

だけど、まだ動いていた。

だが、僕は魔物のことなど頭から吹き飛んで誰がやってくれたんだろうと思った。


周りを見渡してみた。するとそこには僕と同じ、黒髪黒目の男の人が立っていた。高校生くらいなのだろうか。もしかして、僕と同じ転移者かな。

僕は目の前の男の人と目が合った。

すると、その人は話し掛けてきた。


「おっ、どうしたんだ、君」

「一人…?」


不意に声をかけられた。隣には男の人と幼い女の子が立っていた。


「誰?助けてくれるの?」

「あー、もう終わってるから。モグモグ、ギッ」


本当だ、目の前の魔物は腹から盛大に血ぶちまけて倒れていた。

僕は、魔物の腹から腸やら内臓やら出ているのを見てしまった。


「おえぇぇ」

「おー、まだ慣れていないかー、そりゃ初めて見ただろうしな。お、影渡りかー使い勝手よさそうだな」


この人は口を動かしながら、何を…まて影渡り…?それって…


「影渡りって、もしかして、あの魔物の能力ですか?」

「え?そうだけど」


どうやって、それにこの黒髪…


「あなたはまさか日本人…ですか?」

「え?そうだよ。俺は水紫って言うんだ、歳は18よろしく。もしかして、召喚とかされたのか?」

「僕は祠です。歳は15です。ですが、この世界のことは右も左も分からない」

「ふぅん、じゃあ、俺に着いてくるか?もし、仲間になったら、俺は兄的な存在なるのか。女の子に対してセクハラになるのか?」

「なりませんよ。じゃ、入れてください、みあにい」

「お、おう。何たるこの響き」

「これからよろしくです」


僕の異世界で初めての出会いはどうやら優しい人であるようです。これから、良いことが起こりそうだ。


これで、書き溜めたものは、終わりです。


投稿が遅くなると思いますが、頑張って書いていきます。

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