第3話 名刺とカメラ
黒い車は、雨上がりの倉庫街に静かに停まっていた。
高級車ではない。
派手でもない。
ただ、妙に汚れていない黒だった。
その横に立つスーツ姿の女も、同じだった。
目立たない。
だが、視線だけがまっすぐ敦を捉えている。
年は二十代後半か、三十代前半。
髪は肩の少し上で切り揃えられている。
派手な化粧はない。
姿勢は綺麗だが、柔らかさは少ない。
営業でも、記者でも、ただの迎えでもない。
敦はそう判断した。
異世界で、何度も見た目だ。
味方か敵かは分からない。
けれど、目的を持って来た人間の目。
敦はゆっくり周囲を見た。
倉庫。
駐車場。
大型トラック。
防犯カメラ。
夜勤明けの作業員が数人。
逃げ道は三つ。
正面道路。
倉庫裏のフェンス沿い。
海側の細い道。
黒い車には運転手がいる。
もう一人、後部座席に誰か乗っているかもしれない。
敦は息を吐いた。
「……朝から面倒やな」
女が近づいてきた。
歩幅は落ち着いている。
焦っていない。
右手には何も持っていない。
左手は鞄の外。
警戒させないためだと分かる。
分かるからこそ、敦は警戒した。
「龍宮寺敦さんですね」
女は言った。
敦は黙っていた。
名乗っていない。
だが、二度目の人生はもう名前に届きかけているらしい。
「……違います」
「倉庫内の動画に、現場責任者の声が入っています。『龍宮寺』と呼ばれていました」
「似た名前の別人かもしれませんやろ」
「身長、体格、梅田で撮影された人物との一致率。さらに先ほどの倉庫事故。偶然にしては重なりすぎています」
「便利な世の中やな」
「便利すぎるんです。だから来ました」
女は一歩手前で止まった。
距離を詰めない。
それはいい判断だった。
今、敦の肩に触れられたら、反射で相手の手首を折る可能性がある。
もちろん、折るつもりはない。
だが、体がそう動く。
魔王城で覚えた反応は、まだ現代に馴染んでいない。
「橘怜奈です」
女は名刺を差し出した。
敦は受け取らなかった。
「手渡しは遠慮しときます」
「分かりました」
橘は名刺を近くの車止めの上に置いた。
敦は視線だけ落とす。
そこには、こう書かれていた。
内閣官房危機管理調整室。
特殊事案係。
橘怜奈。
敦は鼻で笑った。
「いきなり国ですか」
「そう見せたいだけの詐欺かもしれません」
「自分で言います?」
「信じる理由がないでしょう」
「ないですね」
「ですから、車に乗れとは言いません。人目のある場所で話しましょう」
敦は少しだけ眉を動かした。
悪くない。
少なくとも、無理に車へ押し込む気はないらしい。
だが、それが余計に厄介だった。
頭が回る相手は、力でどうにかする相手より面倒だ。
「話す義務は?」
「ありません」
「拒否権は?」
「あります」
「ほんなら帰ります」
「その場合、あなたの名前は今日中にネットへ出る可能性が高いです」
敦の足が止まった。
橘は声を荒げなかった。
脅しているというより、事務的に事実を告げている。
「梅田の動画はすでに拡散しています。南港の倉庫事故についても、書き込みが始まっています。倉庫内であなたの名を聞いた人は複数いる。派遣会社の記録、交通系ICの履歴、防犯カメラ。誰かが本気で探せば、すぐにたどり着きます」
「それ、あんたらもやってるんちゃいますの」
「やっています」
あまりにもあっさり認めたので、敦は逆に黙った。
橘は続ける。
「ただし、私たちの目的は拡散ではありません。あなたの保護と、事態の沈静化です」
「保護ねえ」
「監禁ではありません」
「言葉は選べますもんね」
「はい。だから疑ってください」
敦は橘を見た。
この女は妙に正直だ。
正直というより、嘘で安心させる気がない。
それは信頼できる材料ではない。
だが、会話する価値はあった。
「近くにファミレスあります?」
「あります。車で五分です」
「車には乗らん」
「徒歩なら十五分ほどです」
「ほな歩きましょう。あと、俺の後ろには立たんといてください」
「分かりました」
「鞄に手ぇ入れたら、その時点で話終わりです」
「承知しました」
橘は頷いた。
その素直さが、また少し怖かった。
敦が歩き出そうとした時、倉庫の入口側で声が上がった。
「あっ! おった!」
若い男の声。
敦は振り向かなかった。
振り向く前に、もう分かった。
スマホを構えた二人組が、駐車場へ小走りで入ってくる。
一人はキャップを被った若い男。
もう一人は、少し後ろで別のスマホを構えている。
動画配信者。
もしくは、その真似事をする人間。
「梅田の聖者ちゃうん!? うわ、マジでガタイえぐ!」
「ちょ、こっち向いてくださいよ! 車止めた人っすよね!」
敦のこめかみがぴくりと動いた。
橘が即座に前へ出ようとする。
敦は片手で制した。
「下がっててください」
「ですが」
「俺が対応します」
配信者らしき男は、平気で距離を詰めてきた。
スマホのレンズが、敦の顔を狙う。
「いや、顔隠さんでええって! ヒーローやん! 今ライブ中なんすよ!」
「撮るな」
敦は短く言った。
男は笑った。
「え、怖。ほんまに本人? じゃあさ、ちょっと力見せてくださいよ。車止めたんガチなん?」
「撮るな言うてるやろ」
「いやいや、みんな知りたがってるんで。手光るやつ、あれ何なんすか?」
男の手が、敦の肩へ伸びた。
その瞬間、敦の体が動きかけた。
掴む。
捻る。
膝を入れる。
相手の肘を折って、地面へ落とす。
異世界なら、それで終わっていた。
だが、ここは倉庫街の駐車場だ。
相手は魔族ではない。
ただの馬鹿だ。
敦は奥歯を噛み、反射を殺した。
伸びてきた手首を、指二本で止める。
ほんの少し。
本当に、ほんの少しだけ力を込めた。
「いっ、痛っ!」
男の顔が歪む。
スマホが落ちかけた。
敦はそれを空いた手で受け止め、画面を相手に向けた。
ライブ配信のコメントが流れている。
《近い近い》
《本人やん》
《怒らせろ》
《手光らせて》
《殴られたらバズるぞ》
敦は静かに画面を見た。
胸の奥が、冷えていく。
魔王軍の兵は、まだ分かりやすかった。
殺しに来る者は、殺しに来る顔をしていた。
だが、画面の向こうにいる者たちは違う。
誰も血を流すつもりはない。
誰も責任を取るつもりもない。
けれど、簡単に人を崖へ押し出す。
「……なるほどな」
敦は男の手首を離した。
スマホも返す。
ただし、レンズを下へ向けたまま。
「お前、名前は?」
「は? 何で言わなあかんの」
「俺には聞くのに?」
「いや、こっちは配信者やし」
「ほな俺は一般人や」
男が詰まった。
敦は一歩だけ近づいた。
それだけで、男は半歩下がった。
殴るつもりはない。
だが、体格差はそれだけで圧になる。
「ええか。俺は人を助けただけや。見世物になるために助けたんちゃう。勝手に撮るな。近づくな。触るな」
「いや、でもネットでは」
「ネットが何や」
敦の声は低かった。
怒鳴ってはいない。
だから余計に響いた。
「画面の向こうに人間がおること忘れたら、ただの魔物と変わらんぞ」
男は意味が分からない顔をした。
だが、怖さだけは伝わったらしい。
後ろのもう一人が小さく呟いた。
「もう行こや……」
橘がそこで前へ出た。
「この区域は業務用地です。関係者以外の立ち入りは控えてください。これ以上の撮影と接近を続ける場合、警備と警察へ連絡します」
「誰っすか、あんた」
「名乗る必要はありません」
「はあ?」
「あなたも名乗っていませんので」
橘の声は淡々としていた。
配信者は舌打ちしたが、敦と橘を交互に見て、結局それ以上踏み込まなかった。
「感じ悪。せっかく有名にしたろ思ったのに」
「頼んでへん」
敦が言うと、男はまた一歩下がった。
二人組はぶつぶつ言いながら駐車場から出ていった。
完全には去っていない。
道の向こうから、まだこちらを撮っている。
敦は深く息を吐いた。
肩に力が入っていた。
危なかった。
少し間違えれば、相手の手首を砕いていた。
そうなれば、動画はさらに燃える。
人助けではなく、暴力として。
橘が横に立った。
「よく我慢しましたね」
「褒められることちゃいます。普通は折りません」
「普通なら、車も止められません」
「それはそう」
敦は少しだけ苦笑した。
笑っていないと、力が漏れそうだった。
ファミレスまでは、本当に十五分ほどだった。
空は明るくなり始めている。
朝の大阪は、夜勤明けの人間と、これから出勤する人間がすれ違う時間だった。
敦は歩きながら、通りのガラスに映る背後を何度も確認した。
橘は約束通り、敦の斜め前を歩いた。
鞄にも触れない。
スマホも出さない。
黒い車は、少し離れてついてきている。
逃げ道を塞ぐ距離ではない。
だが、見失わない距離だった。
ファミレスに入ると、店内は空いていた。
夜勤明けらしい作業員が二組。
新聞を読む老人。
眠そうな店員。
敦は壁を背にできる席を選んだ。
橘は向かいに座る。
敦は注文用の端末を見て、少し迷った。
腹は減っている。
かなり減っている。
異世界で手に入れた力は便利だが、燃費がいいわけではない。
車を止め、治癒を使い、倉庫で荷を受け止めた。
体の奥が、飯を寄こせと訴えている。
「食べてください。こちらで払います」
「それは買収ですか」
「経費です」
「便利な言葉やな」
「便利ですが、万能ではありません」
敦はハンバーグ定食とライス大盛りを頼んだ。
少し考えて、さらに唐揚げも追加した。
橘はコーヒーだけだった。
「食べへんのですか」
「仕事中ですので」
「俺も今、仕事中みたいなもんちゃいますの」
「あなたは保護対象です」
「まだ保護されると決めてません」
「はい。ですから、相談中です」
橘は表情を変えない。
敦は少しだけ苛立った。
この女は、言葉の端を雑にしない。
だから隙が少ない。
「で、何の相談ですか」
「まず確認します。梅田の事故で、あなたは親子を救助した。その後、運転手にも何らかの処置をした。南港の倉庫では、落下物から作業員を守った。ここまでは事実ですか」
「見たまんまです」
「あなたは、普通の人間ではありませんね」
敦は水を一口飲んだ。
氷が小さく鳴った。
「普通の定義によります」
「車に衝突されて無傷。指先から発光。数百キロ相当の荷を受け止める。これを普通には含めません」
「ほな、普通ちゃうんでしょうね」
「いつからですか」
「昨日から」
橘の眉が、ほんの少し動いた。
初めて表情に揺れが出た。
「昨日?」
「正確には、昨日に戻された」
「戻された、とは」
「そこまで話す義理はまだないです」
「分かりました」
橘は深追いしなかった。
それがまた、敦には意外だった。
「あなたが何者かを、今すぐすべて聞くつもりはありません。ですが、一つだけは言えます。あなたはこのまま一人で逃げ切れません」
「言い切りますね」
「はい。動画が出ました。顔は不鮮明ですが、体格は特徴的です。倉庫で名字も拾われている。派遣会社に問い合わせる者も出るでしょう。現場の作業員に金を渡して聞き出す者も出る。まとめサイト、配信者、週刊誌、宗教団体、医療関係者を名乗る者、反社会的勢力。早ければ今日の昼には来ます」
料理が届いた。
ハンバーグ定食。
大盛りの飯。
唐揚げ。
湯気が立っている。
敦は箸を取った。
「飯の前に嫌な話しますね」
「食べながら聞いてください」
「遠慮なく」
敦は飯を口に入れた。
白米がうまい。
異世界にも米に似た穀物はあった。
だが、日本の白米は別物だった。
魔王を倒した後の褒美としては、白い部屋よりこっちのほうがありがたい。
橘は続けた。
「私たちが提示できるのは、当面の住居、法的相談、情報の秘匿支援、身辺保護。それから、あなたが望むなら就労支援です」
「めっちゃ優しいやん。怖いくらいに」
「怖がってください。国が個人に優しくする時は、理由があります」
「正直すぎません?」
「あなたに嘘をついても、たぶん長続きしません」
敦は唐揚げを噛みながら、橘を見る。
衣が香ばしい。
なのに、話の中身はまったく香ばしくない。
「理由は?」
「あなたが危険だからです」
橘は即答した。
「あなたを責めているのではありません。あなた自身が暴れる危険だけではない。あなたを利用しようとする者、崇拝する者、排除しようとする者、奪おうとする者。全部が危険です」
「俺は兵器ちゃいます」
「はい。ですが、兵器にしようとする人間は必ず出ます」
その言葉は、敦の胸にまっすぐ入った。
異世界でも同じだった。
教会は敦を奇跡として祀ろうとした。
王国は戦力として抱え込もうとした。
貴族は都合の悪い呪いだけを治させようとした。
商人は治癒を値札に変えようとした。
魔王を倒す前から、敦は何度も囲われかけた。
そして、何度も逃げた。
「保護と囲い込みの違いは?」
敦は聞いた。
橘は少し間を置いた。
「契約と拒否権です」
「きれいごとですね」
「はい。ですが、そこを文書にしなければ、ただの拘束になります」
「文書にしても、破る人間は破る」
「その通りです。だから、弁護士も入れます」
「手回しええなあ」
「手回ししないと、あなたは奪い合いになります」
敦は箸を止めた。
「奪い合い」
「はい」
「俺は物ちゃう」
「だから、物として扱われる前に手を打ちたい」
橘の声は、そこだけ少し強かった。
敦は目を細める。
「橘さんは、俺をどう見てます?」
「現時点では、異常な身体能力と治癒らしき能力を持つ、三十歳男性。生活困窮状態。衝動的な人助けを複数回行っている。攻撃性は低いが、戦闘経験に近い反応を持つ。倫理観はある。警戒心もある。自分の危険性を理解している」
「分析済みですか」
「仕事です」
「で、人間やと思ってます?」
橘はすぐには答えなかった。
店内の空調音が、妙にはっきり聞こえた。
テレビでは朝の情報番組が流れている。
まだ梅田の動画は扱われていない。
だが、時間の問題だろう。
「人間だと思っています」
橘は言った。
「ただし、とても強い人間です」
「その言い方は嫌いやないです」
「では、私からも聞きます」
「何です?」
「あなたは、自分を人間だと思えていますか」
敦は返事に詰まった。
箸の先が、皿の上で止まる。
魔王を倒した瞬間。
黒い王の胸を拳で貫いた時。
玉座の間で一人立っていた時。
仲間たちが、安堵と恐怖の混じった目で敦を見ていた。
あの時、自分は何だったのか。
聖者。
化け物。
救い手。
兵器。
人間。
どれも正しくて、どれも違う気がした。
「……腹減ったら飯食うし、税金は怖いし、ネットで晒されたら嫌です」
敦は飯を口に入れた。
「たぶん、人間です」
橘はほんの少しだけ表情を緩めた。
「それなら、まずあなた自身を守りましょう」
その時、店内のテレビの音量が少し上がった。
店員がリモコンを触ったらしい。
画面の端に、見覚えのある映像が映っていた。
雨の夜。
梅田の横断歩道。
白い軽ワゴン。
黒い大柄な影。
テロップにはこう出ていた。
《大阪・梅田で謎の救助動画 車を止めた男性? SNSで拡散》
敦は箸を止めた。
店内の客が、何気なくテレビを見る。
そして、画面と敦を見比べた。
一人。
二人。
視線が刺さる。
敦は心の中で悪態をついた。
早すぎる。
いや、分かっていた。
分かっていたが、飯くらい最後まで食わせてほしかった。
橘が静かに立ち上がった。
「出ましょう」
「まだ唐揚げ残ってるんですけど」
「持ち帰りにします」
「冷めるやん」
「身元が燃えるよりはましです」
「うまいこと言うてる場合ですか」
敦は仕方なく立ち上がった。
橘が店員に手早く会計と持ち帰りを頼む。
敦は顔を伏せ気味にして、出口へ向かった。
だが、遅かった。
若い客の一人がスマホを構えていた。
「え、もしかして本人ちゃう?」
その声で、店内の空気が変わった。
好奇心。
疑い。
興奮。
恐怖。
それらが一斉に敦へ向く。
敦は足を止めた。
逃げるのは簡単だ。
全力で走れば、誰も追いつけない。
だが、それをやれば完全に人間ではなくなる。
だから、普通に歩く。
普通に店を出る。
それが、今の戦い方だ。
橘が先に外へ出た。
黒い車が店の前に回っている。
敦は車を見た。
「車には乗らんって言いましたよね」
「状況が変わりました」
「俺の条件も変わってません」
「では、条件を聞きます」
敦は店内を振り返った。
スマホを構えた客がいる。
テレビではまだ動画が流れている。
道路の向こうにも、誰かがこちらを見ている。
逃げ道はある。
だが、逃げ続ける場所はない。
敦は深く息を吐いた。
「俺を使うな」
「はい」
「検査とかいう名目で、勝手に触るな」
「同意なしでは行いません」
「治せる相手を選ぶ権利は俺にある」
「分かりました」
「俺が助けたいと思った相手だけ助ける。国の命令で誰かを治したり、誰かを殴ったりはせん」
「その条件で、まずは交渉しましょう」
「今ここで約束せえ」
橘は敦を見た。
数秒。
そして、頷いた。
「橘怜奈個人として約束します。あなたを兵器として扱わせない。そのために、私が前に立ちます」
「国としては?」
「まだ約束できません」
「正直すぎるやろ」
「嘘よりはましです」
敦は苦笑した。
その通りだった。
嘘で安心させる相手より、約束できないことを約束しない相手のほうが、まだ信用できる。
少なくとも、今この瞬間だけは。
敦は後部座席のドアに手をかけた。
その時、橘が言った。
「最後に一つだけ」
「何です」
「あなたは、魔王という言葉を先ほど口にしました」
敦の手が止まる。
ファミレスで、確かに言ったか。
いや、駐車場でも言った。
魔王なら、まだ簡単だった、と。
橘の目は真剣だった。
「それは比喩ですか」
敦は空を見た。
雨はもう降っていない。
朝の光が、大阪の街を薄く照らし始めている。
異世界の空とは違う。
魔王城の黒い空とも違う。
けれど、胸の奥に残った戦いの熱は、まだ消えていない。
「比喩やったら、どれだけ楽やったか」
敦はそう言って、車に乗り込んだ。
ドアが閉まる。
外では、誰かがスマホを向けている。
車が静かに動き出した。
窓の向こうで、朝の大阪が流れていく。
魔王を倒した聖者は、今度は魔王のいない世界で、自分の扱われ方を決めなければならなかった。




