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Lesson40 母の想い
――母は、一命を取り留めた。
入院して、治療は必要だけど、
最悪の事態にはならずにすんだ。
「娘さんがあの場にいて、本当によかったですね。」
「倒れたのを早く発見してくれたし、何よりあの状況で、冷静に回復魔法ができる人は、なかなかいないですよ。」
母の病室に、回診に来た医師が言った。
病院で褒められてしまった……。
「ミーナ、ありがとう。ミーナがいなかったら、どうなっていたか……。」
母からも、お礼を言われた。
慣れない状況に、なんだかこそばゆくて、ムズムズしてしまう。
私は、ただ、魔法医の指示に従っただけなのに。
下を向いている私に、母がしみじみと言った。
「いつの間に、あんなに出来るようになったの?……専科で頑張っていたのね。」
母の視線が、遠くに向けられる。
「……ミーナは、お兄ちゃんと違って、なんでも出来るのが遅い子だった。」
「だから、ずっと心配で仕方なかったのよ。」
「……でも、もう大丈夫みたいね。」
少し、寂しそうに笑った。
――そうだったんだ。
母は、母なりに、私のことを心配していたんだ。
威圧的ではあったけど、あれは、愛情だったのかもしれない。
そう思うと、今までのことが少し腑に落ちた。
「私……ずっと、お母さんを心配させていたんだね。」
私は、自然にそう口にしていた。




