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Lesson39  お願い、助かって


「私、回復魔法が使えます。」


「救急車が到着するまでの間、なにかできることはありますか?」


――必死だった。


「回復魔法ができるのですか!」


電話から、驚いたような声がした。


「では、魔法医と交代しますね。電話を、ビデオ通話にできますか?」


「はい。」


電話を、ビデオ通話に切り替える。

その間に、魔法医と交代したようだった。


「……では、落ち着いて私の指示に従ってください」


「お母さんの胸の辺りに、少量の回復魔法からかけてください。」


「はい。」


私は、左手を、右手で固定しながら回復魔法を出す。


「そう、いいぞ。」

魔法医が、頷いた。


でも――


(これで、本当に助かるの……?)


不安でしかない。


「次は、もう少し強めにして。3秒当てて、2秒休む。それを繰り返して。できますか?」


「……はい!」


迷いを振り払うように、私はうなずいた。


もう少し強め。

それなら、今度は右手だ。


1、2、3

1、2……


1、2、3

1、2……


何度も、何度も繰り返す。


手が震える。


これは、効いているの?


わからない。でも、


――やめたら、終わる。


私は、続けることに集中した。


1、2、3

1、2……


「頑張って!」


電話から、励ましの声が聞こえる。


――とにかく、続けよう。


必死にカウントしながら魔法を出す。


いったい、どれくらい続けただろう。


手応えが、感じられない。

やっぱり、私じゃ無理なのかも……。


――そう思った、

次の瞬間。



「……ゴホッ」


「……!」



母が大きく咳こんだ。



「………ミーナ?」



「お母さん!」



――母は、ゆっくりと目を開けた。


「私は……、どうしたのかしら?」


キョロキョロと周りを見回す。



ああ、お母さんが動いている……。


動いた、ということは大丈夫なんだよね?


回復魔法を続けた疲労と、

母が動いた安堵で

座り込むと――


インターホンが鳴り、


ようやく、救急車が到着した――。



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