82/83
Lesson34 前進
左手だけの練習を始めて二週間が経った。
今日も朝六時から補習だ。
手応えのない毎日に、心が折れそうになりながらも、練習を続ける。
――今日こそ、できるようになりたい。
眠い頭をなんとか働かせて、
左手を出す。
そして、呪文を唱えると――、
――ポッ。
と左手から、弱い光がこぼれた。
「……あっ、出来た……!」
「……よし。」
レオン先生が、小さく頷いた。
やった……!
ついに、成功した…!
長かった……。
諦めなくてよかった。
二週間の努力が実り、私は、ギュッと拳を握った。
でも――、
喜ぶ私に、レオン先生は、
「まだ終わりじゃないぞ」
と一言。
すぐに次の課題が与えられた。
「次の練習に入ろう。」
レオン先生が、目の前に鉢を等間隔に並べた。
「この鉢一つ一つ、最小限の力で回復魔法をかけていくんだ。」
「はい。」
やってみると、なかなか難しい。
どうしても、隣の鉢にまで当たってしまったり、狙いが定まらない。
「やはり、片手だと安定しないのか……」
レオン先生がつぶやいた。
でも、片手にしてから、魔法を使った後の疲労感が格段に減っていた。
もう少しで、何か掴めそう……。
しばらくは、そんなもどかしい日々が続いた。
それでも、確実に前には進んでいる。
そう思える手応えはあった。
――それから、さらに一週間がたったある日――




