Lesson29 初めてのお礼
――気がつくと、私は病院にいた。
回復魔法で力を使い果たした私は、倒れて救急搬送されたらしい。
そして、横にはレオン先生がいた。
「先生、大丈夫ですか!」
思わず聞くと、
「ああ。お前のおかげで、血は止まった。」
「頭を打ったから、一応検査をしただけだ。」
よかった……。
安心した瞬間、
回復魔法をかける前に、先生に言われた言葉を思い出した。
あ、あれは…、本当なの?
聞き間違い??
どうしても気になった私は、恐る恐る聞いてみた。
「あ、あの……。」
「なんだ?」
「あれって、本当なんですか??」
顔に、熱が集まるのを感じながら、私は声を絞りだす。
「あの、す、す、す……」
「ああ。嘘に決まってるだろ」
……え!?
「あの状況で、まともなこと言っても意味ないだろ」
「お前、ああいうのに弱そうだからな」
あっさり否定された!
確かに、あの言葉で回復魔法はできたけど――
色々と悩んだ乙女心を返してほしい!!
飄々としている、レオン先生を恨めしく見た。
「――それより、」
レオン先生が、言葉を切った。
「自分の心配をしたらどうだ?」
「おまえは大丈夫なのか?」
そうだった。私は倒れたんだっけ。
身体はだるいけど、それ以外は怪我とかもなさそうだ。
「……大丈夫みたいです。」
「なら、よろしい」
「オレは先に戻る。お前は、もう少し回復してから合流しろ。」
レオン先生が立ち上がる。
そして、後ろを向いたまま、
「お前の回復魔法で助かった。ありがとう。」
そう言い残して立ち去っていった。
お礼を言われた?
ふわっと心が暖かくなる。
ああ、私は、
レオン先生を救うことができたんだ――。




