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Lesson8 近くにいる理由


「ミーナ、どうしたの? 補習は??」


走っていた私は、偶然ルルアに声をかけられた。


「うっ……うっ……」


気が緩んだ瞬間、涙があふれてきた。


「えっ、ミーナ!? ……ちょっと、そこのベンチに座ろう」


ルルアは、そっと私の手を取ると、公園のベンチへ連れていってくれた。


私は、今日あった出来事を、ぽつりぽつりと話した。


「……なるほどね。それで、逃げてきちゃったんだね」


ルルアは、静かにうなずく。


「でも、家名があるからミーナに近づいてるわけじゃないと思うな」

「……それを言ったら、私だって公爵家の人間だよ?」

「ミーナは、何か目的があって、私と仲良くしてるわけじゃないよね?」


――もちろん、そんなことない。


私は、激しく首を振った。


ルルアは、身分の高い家の出身だ。


でも私は、ルルアの性格が好きだから、一緒にいる。


決して、家名が理由なんかじゃない。


「今までのレオン先生を、信じていいと思うよ」


ルルアが、優しく言った。


「朝と放課後の補習も、お母さんとの面談も……ミーナが専科に行けたのは、レオン先生がいたからでしょ?」


そうだ。


ルルアの言う通りだ。


私は、よく知らないクラスメイトの、たった一人の言葉に振り回されてしまっていた。


「うん……そうだね。」

「私は、レオン先生のおかげで、ここまで来れたんだ」


胸の中の黒い雲が、少しずつ晴れていく。


「ルルア、ありがとう」


私は、ぎゅっと拳を握った。


「私、レオン先生に謝ってくる」


「うん! ミーナ、頑張って!」


ルルアの励ましを背中に受けながら、私は学校への道を走り出した。



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