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Lesson6 名家ということ
「ねえ、あなた、ローゼンハイムの人なんですってね」
廊下を歩いていると、突然声をかけられた。
「え?」
振り向くと、そこには、クラウス親衛隊――と、私が勝手に呼んでいる女の子達の中の一人が立っていた。
「だから、クラウス様も、レオン先生も、あなたに構うのね」
彼女は、じっと私を見る。
「仲良くすると、何か見返りでもあるのかしら?」
胸に、言葉が突き刺さった。
そう言い残すと、彼女はそのまま去っていく。
――ああ、まただ。
名家の出身であることは、私にとって重荷でしかなかった。
自分から名乗ることはほとんどない。 それでも、どこからか話は伝わってしまう。
こんなやり取りは、慣れているはずだった――、
けど。
私は、ふと気づいてしまった。
――もしかして、レオン先生も、何かしらの見返りを求めているの?
だから、こんなに気にかけてくれているの?
そうじゃないと思いたい。
でも、そう考えると、今までの行動にも理由がついてしまう。
胸の奥に、重たいものが沈んでいく。
気づけば、心の中に黒い雲が広がっていた。




