Lesson5 補習の成果
「クラウス様〜!!」
「素敵、私もあんなふうに守られたい…」
防御魔法の授業中。
術を繰り出すクラウスに、黄色い声援が飛んでいる。
さすが、評判になるだけのことはある。
レオン先生の攻撃を、素早く壁を作って防いでいく。
「……ふん。まあいいだろう。次。」
なぜか、不機嫌そうなレオン先生。
クラウスのこと、なんか敵視してない?
そう疑問に思っていると、私の番がきた。
「いくぞ」
レオン先生の合図と共に、閃光が繰り出された。
――これは、春休みの特訓でやったことだ。
私は、あの地獄の日々を思いだし、震えそうになるのを堪えながら、防御の壁を作っていく。
「見て、あの子、あんなに長く避けている。」
そう。私は、必要最小限の壁を出すことに集中している。
大きな壁を出すのは、体力の消耗が激しくなる。
だから私は、『避けるのに必要な分だけ壁を出す』ことを、レオン先生から叩き込まれていた。
――ずいぶんと長い時間、私は防御魔法を繰り返していた。
そのうちに、レオン先生の杖が下ろされた。
「みんな、見たか。壁は大きく派手につくればいいってものじゃない。」
「ミーナのように、必要最低限でいいんだ。」
みんなの視線が、私に集まる。
その視線が、今までと違う意味を持っていることが、私は素直に嬉しかった。
――でも、また新たに悩むことになるなんて、この時の私は知らなかったんだ――。




