Lesson11 歓声
今日は、実習最終日だ。
最終日の今日は、実習生が一芸をすることになった。
き、聞いてない!!
私の他の実習生は、人気アニメのモノマネなどで、笑いを誘っている。
順番を最後にしてもらったけど、何も思いつかない。
どうしよう、どうしよう、
……。
私は、焦った。
何かヒントはないかと辺りを見回す。
――ふと、子ども達の杖が目に入った。
慣れない杖を、一生懸命握る、子ども達の姿が思い出される。
そうだ、魔法だ!!
私は決心した。
――とうとう、私の番がきてしまった。
私は、すっと杖を構え、深呼吸をする。
……大丈夫。
そう思ったのに、手が少し震えていた。
杖を振る。
ドンッ!
……少しだけ、軌道がズレた。
的の端に当たって、鈍い音が響く。
やっぱり、ダメだ。
「あー……」
子どもたちのため息が聞こえた。
もう一度……。
私は、杖を握り直した。
……その時、
「がーんばれ」
小さな声が、聞こえた。
それをきっかけに、応援の声が広がっていく。
「がーんばれ、がーんばれ!!」
……これは、やるしかない。
ゆっくりと呼吸を整える。
フーッと息を吐く。
そして、杖を振った。
ドンッ!
今度は、しっかりと的の中心をとらえた。
一瞬の静寂。
——「わあああ!!」
子どもたちの歓声が、弾けた。
「や、やった……!」
歓声の中で、
私は、思わず笑顔になる。
すごく、緊張したけれど――、
こんな嬉しい光景が見られるなら、悪くないな、と思った。




