Lesson12 お別れの時
――お別れの時間になった。
実習が始まった時は、終わりがこんなに悲しくなるなんて、まったく想像できなかった。
実習生一人ひとりに、子どもたちが手作りの首飾りをかけてくれる。
リヒトくんが、私の前にやってきた。
「就職先が見つからなかったら、家でやとってやってもいいぞ。……また、こいよな。」
「うん……。考えておくね。」
リヒトくんは、最後まで、まるで王様みたいだった。
――大きくなったリヒトくんに、いつか会えたらいいな。
そんなことを、ふと思う。
そして……。
静かに、アーシャちゃんがやってきた。
言葉を発することなく、俯いている。
その小さな肩が、細かく震えていることに気づいた。
「……アーシャちゃん。」
そっと声をかける。
その声に、ハッとしたように顔を上げ、小さな声で言った。
「ミーナせんせい、いかないで……。」
その顔は、涙で濡れていた。
「アーシャちゃん……!」
胸が締めつけられる。
「ごめんね。ずっとここにはいられないの。」
「でもね、アーシャちゃんのこと、絶対に忘れない。」
ボロボロに泣きながら、なんとか言葉をつなぐ。
「アーシャちゃん、保育所、楽しんでね。先生、応援してるから。」
コクン、と小さく頷くアーシャちゃん。
「はーい、最後に、みんなで先生たちに、大きな声でお礼を言いましょう!」
園長先生の声が響いた。
「ありがとうございました!!」
――こうして、私の保育所の実習は幕を閉じた。
きっと私は、この場所を一生忘れない。




