Lesson23 昔の自分
「またレオン先生に助けてもらいました。……ありがとうございました。」
私とレオン先生は教室を出た。
廊下を並んで歩きながら、ずっと気になっていたことを、思いきって口にする。
「あのう……どうして、そこまでしてくれるんですか?」
「頼まれたとはいえ……私に」
冷たいと言われていた先生だけど、
今の私には、とてもそうは思えなかった。
レオン先生は、少しだけ考えるように視線を落とす。
「……そうだな」
「昔の自分がいる」
——え?
思わず、足を止めた。
遠くを見るような、その横顔。
「え、じゃあ……レオン先生も、私みたいに……?」
言いかけて、言葉が止まる。
——聞いていいのだろうか。
少しだけ、迷う。
「勘違いするなよ。オレは優秀だった」
あ、そうなんですね……。
じゃあ、昔の自分とは、どんな自分だったんだろう?
——すると、何事もなかったかのように。
「春休みは、毎日補習だ。遅れるな」
「ええっ!!」
——そう言い残して、レオン先生は行ってしまった。
……結局、何も聞けなかった。
でも、今はこのままでもいいのかもしれない。
明日も朝から補習がある。
早く帰って、宿題を片付けないと。
――私は夕暮れの道を急いだ――
―――第一章 終―――
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第一章はここで終わりです。
続けて、第二章が始まります。
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