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Lesson21 本人の意思
——この時間を、なんとか耐えるんだ。
家にいる時は、母の言葉から逃げることができなかった。
でも、今は違う。
この場を乗り切れば、母と離れられる。
心がこれ以上傷つかないように、そっと壁を作ろうとした、
――その時。
静かに、レオン先生が口を開いた。
「推薦は、まだ今の時点では決められません。」
「ですが、ミーナさんは、とても努力してきました。」
母の表情が、強張る。
「努力していても、結果が出なければ意味がないわ。」
「推薦が決められないなんて、学校の指導が足らないんじゃないかしら?」
挑むような視線を、レオン先生に向けた。
「それを決めるのは、二年生になってからです。」
レオン先生が、まっすぐ母を見つめる。
「本人の意思は、確認されましたか。」
淡々とした声。
「大切なのは、本人の意思ではないですか?」
教室が、しんと静まり返る。
私は、瞬きするのも忘れていた。
——こんなふうに、言ってくれる人がいたなんて。
私の意思――。
それは何だろう?
今の時点で、何を思っていたかを考えた。
「本人の意思?この子にそんなものあるのかしら?」
「ミーナ。言いたいことなんて、ないわよね?」
ゆっくりと、母が言った。
――怖い。
「……わ、私は……」
声が震えるのを、止めることが出来なかった。
それでも、私は話し始めた。




