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Lesson20 母親
——教室は、異様な雰囲気に包まれていた。
誰も、軽々しく口を開けない空気。
母の横で、小さくなっている私。
いつもより気合いの入ったメイクで、背筋を伸ばして座るエミリア先生。
——その横には、宣言通りに三者面談に出席した、レオン先生がいた。
「ミーナの兄は、よくできる子で、首席で、国立の大学に合格したんですの」
——始まった。
母が、ゆっくりと話しはじめる。
「主人は医者をしておりますの。
なのに、この子ったら——昔から、ぱっとしなくって……」
言葉が、静かに、でも確実に刺さってくる。
「成績だって、ギリギリでしょう?
この子に行ける大学なんて、あるのかしら」
「ローゼンハイムの名に、恥じない進路を選んでいただきたいですわ」
「この学校の名前で、どこかに推薦していただくことはできませんの?」
誰にも、口を挟ませない。
私の意見なんて、最初から存在しないみたいに。
――いつもの母だった。
久しぶりに聞くと、ダメージが大きい。
……苦しい。
視線を落としたまま、私はただ、耐えることしかできなかった。
——その横で。
レオン先生は、何も言わずに黙って聞いていた。




