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レイスバース.現代ファンタジー編  作者: 弥生いつか
『菊の花に満たされて』

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18/24

単純な初花


 私は洗面台で顔を洗って、口角を上げて何でもないフリをして、剛さんの所に戻る。


 するとやっぱり剛さんの所に人だかりが出来ていた。


「オーガさん、いつも試合見ています」

「ああ」

「最近休んでるのってやっぱり例の…」

「じゃあ一緒に居る子って見合い相手の娘ですか?」


 やっぱり私邪魔かなぁ。声を掛けかねていると、剛さんの方から声をかけられた。


「流李!戻ったか」

「え、あっはい!」

「悪いなお前ら、俺今デート中だから」

「えっ」


 剛さんがそう言って私の肩を抱いた。突然の行動に吃驚した。周りの人も声を上げて、剛さんがベンチに置いてある私達の荷物を持つと、更衣室の方に向かう。


「あっあのっ剛さん」

「更衣室の隣にシャワー室がある。汗を流したら、入り口に集合で良いか?」

「…はい」


 男女の更衣室で私達は別れて、私は更衣室の隣にあるシャワー室で汗を流した。


 デート中。


 剛さんの口から出てきた言葉にドキドキする。

 

 さり気なくもう一度鏡を見ると、初花の青色がなくなってて、ピンク色に咲いていた。


 何て自分は単純なんだ。


 自分が恥ずかしくてタオルで強引に髪を拭いて、身体の水気を拭き取ってから私服に着替えて、女子更衣室を出た。


「流李」

「剛さん」


 もしかして時間を掛けてしまったんじゃないかと、駆け足で剛さんの下に駆け寄った。


「運動してお腹空いてないか?なんか食べるか?」

「え?良いんですか?」

「おう、今は成長期だからいっぱい食え」

「わーい」


 少しオーバーに驚いてから、剛さんと一緒に飲食店に入る。お冷を口にして注文したメニューを待っていると、剛さんが口を開いた。


「流李…その、来週は遊園地に行かないか?」

「遊園地?」

「ああ、体格のいい鬼人も楽しめる遊具も沢山ある遊園地。一緒に遊びに行こう」

「良いですね!私遊園地大好きです!」


 遊園地の言葉に舞い上がる。小学生以来だなと楽しみに思った。

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