表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常を彩るライフハック短編小説集  作者: 地野千塩


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
74/75

もやしを長持ちさせたい時

 もやしは良い食べ物だ。栄養素も高く、シャキシャキ感も素晴らしい。簡単にできる料理も多い。その上、安い。


 今日も小宮川美空はもやしを買い、調理していた。さっと炒めてカレー粉で味付けするだけの料理だったが、一人暮らしで給料も低い美空には、ご馳走だった。


「やっぱりいいね。もやしは」


 ホクホク顔で食べているが、もやしはそんなに賞味期限が長くないことは残念だと思う。今日も仕事帰り、スーパーでもやしが特番だったから、多めに買ってきたが、長持ちさせる工夫はちょっとめんどくさい。


 大きめなタッパーに水を入れ、そこにもやしを入れて冷蔵保存。時々水を変えつつ、黒っぽくなるまで長持ちさせられるが、ちょっとめんどくさい。美空はホテルで勤務していたし、生活が不規則だ。それにもうアラサーでちょっとの手間も面倒な時も増えた。


「なんかもう少し楽な方法ないかなぁ。水につけるのも悪くはないし、長持ちするけどさ」


 自分のズボラっぷりにため息が出そうだが、検索していると、もう少し楽な方法を見つけてしまった!


 それはもやしの袋に穴をあけるだけの方法。つまようじでプスプスと穴をあけるだけで良いらしい。


「え、こっちのが簡単じゃん。どういう事?」


 もやしは袋の中で湿気が籠ると劣化のスピードが早くなるらしい。そこで小さな穴をあけて、通気性をよくすることで長持ちさせやすいという。


「えー、こちのが簡単……」


 とはいえ、水つけの方が長持ちしそうではあったが、両者を天秤にかけたら、穴あけの方が圧倒的に楽じゃないか。美空は目から鱗だった。よく調べれば、簡単ない方法もちゃんとあるなんて。


「なんかちょっと騙された気分……」


 ふと、美空は給料明細を取り出してみていた。税金で容赦なく手取りが引かれてる。夜勤や遅番もある割には、平均より低い月給。思わずため息も出てきたが、もしかしたら仕事についてもよく調べていなかったのかもしれない。思い込みもあった。女だから稼げないとか、どうせ頑張っても無理とか、日本は不景気だからとか……。


「そっか……」


 美空は給料明細をしまうと、転職サイトを見てみた。実は登録だけはしていたが、思い込みに囚われて全然見ていなかった。


「あれ? 家から近所でももう少し待遇が良い求人もあるな……。よく見たら、そんな全部悪い求人ばかりでもないかも……」


 思い込み、取れてきたかもしれない。


 こうして美空は転職活動に踏み出した。一歩だけ進んでみる。もちろん怖いけれど、もやしがあれば、食費は節約できるし、大丈夫かもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ