↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/25

File07:血の宴

「悠仁、準備はいいか?」

『位置情報も共有しときました。いつでもOKです』

右上の視界に簡易マップが表示される。

「始めるぞ」

鉄製の扉を蹴破る。

音を聞いて駆けつけた来栖組の組員達が俺を見るなり、驚愕する。

「なっ!てめえ篁組のー」

武器を抜く暇も与えず、銀色の一閃が組員達の間を縫うように高速で刻まれる。

背後で火花とオイルが天井や壁に散り、グシャッと床に倒れる。

一階はこれで全員。

『はっやすぎ、兄貴!本当に病み上がりですか!?』

「ま、肩慣らしには丁度いい」

2階に駆け上がり、部屋から出てきた組員を貫く。部屋にいた数人が異変に気付き、椅子から立ちあがる。

『おっと、動かない動かない』

悠仁のハッキングで俺以外が石のように固まる。ギシギシと抵抗の意を示しているが無駄なこと。一人また一人と両断していく。

最後の一人の首にガッと斬り込みを入れ、そのまま横に滑らせる。ゴトンと首の落ちる音が奴の遺言となった。

次は三階。

三階も、抵抗むなしく役目を終えた鉄の身体が床に転がる。

残りは四階の救いようがねぇ連中のみ。

扉の前に立ち、簡易マップを確認する。

部屋にはぎっしりと赤い光が映っている。

最奥の光が組長だ。

他の階の惨劇にも気付かず、ガヤガヤと浮かれた声が聞こえてくる。

重厚な扉を蹴破る。

「よぉ、楽しそうじゃねえか。俺も混ぜてくれよ」

「誰だてめぇ…」

「おい、下の連中は何してる!?ドローンは!?」

「ああ丁度、俺の弟分が下の連中の惨状をてめぇらの目ん玉に表示させてるだろ?」

組員達が戦慄する。

「てめぇは、雨宮愁染‼」

応えの代わりに目の前のテーブルを蹴飛ばし、

攪乱させる。酒瓶や皿の割れる音、組員達の怒号が部屋を満たす。

『残念、銃は使わせないよ!』

悠仁が組員達の銃にロックをかける。

肩のホルスターから銃を抜き、それぞれの心臓を外すことなく貫く。

「退け」

見据えるのは組長のみ。

それ以外は全て蝿同然。

俺に刀が拳が銃弾が届くことはない。

俺が歩を進める度、組員達が短い悲鳴をあげながら壁を天井を床を赤で染め上げていく。

部屋は血の宴と化していた。

「ヒィッ‼」

一人取り残された組長が後ずさる。

オイルまみれの刃が組長を映す。

「親っさんを殺すよう仕向けたのは誰だ?」

「ち、違う俺じゃない!」

組長の両手の指を落とす。

「ぎゃあああ‼」

のたうち回る組長を目で追う。

「仕向けたのは誰だ?次は足の指をもらう」

「ぐぅっ…ひ、氷室組が持ちかけてきたんだ。上手くやれば金がたんまり手に入るって…」

組長をハッキングして痛覚を限界まで上げる。

再び叫びをあげる。

「せいぜい、最後まで苦しめ」

吐き捨てるように言い、悠仁の待つ車に戻った。

「お疲れ様です、兄貴!」

「あぁ、悠仁も支援ありがとな。俺が中にいる間の外は大丈夫だったか?」

「はい。異常ありませんでした」

「聞いてただろうが、氷室組が話を持ちかけてきたらしい。氷室組に向かうぞ」


車を氷室組に向けて走らせていると、悠仁が話しかけてくる。

「あの、兄貴…。兄貴は相手の脳を狙わない理由ってあります?」

「どうした急に」

「兄貴と一緒に死線を潜り抜けてきて、ずっと不思議に思ってたんです。今回の来栖組も脳を破壊してませんでしたから」

「……不満か?」

「いえそんなことは。ただ純粋な興味です」

「…脳が破壊されれば本物の死が訪れる。

薫も親っさんも本物の死を遂げた。身体を変えて戻ってくることはない。本物の死を目の当たりにしてるから、俺はたぶん死を誰よりも恐れてるんだと思う。……答えになってるか?」

「はい。本当に優しい兄貴だって改めて思いました」

「フッ、なんだよそれ」

次は氷室組。そこで般若面の男に少しでも繋がる糸口が見つかるといいが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。