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凧の町

ーーーー


「飛べない豚はただの豚だ」

では、飛べない鳥は何者だ?


ーーーー


風が強い高原の町。


建物の間にはロープは奔り。


色とりどりの凧やバルーンが

無数に揚がっている。


色とりどりの鯉のぼりが

空中を元気に泳いでいる。


パオが町に入り続いてZが遅れて入って来る。

Zのけたたましい音で

低い位置のバルーンが揺れる。


カカポ雑嚢から顔出し

「うわ!

何ここ、全部飛んでんじゃねーか!

ここならオレも飛べる気がしてきたわ!」


町の広場で2台が並んで駐車する。


パオからハスキーが飛び出す!

フリスビーを空中キャッチ!


赤髪とカカポが「おお〜」と拍手。


銀髪パオから飛び出して

フリスビーの持ち主の家族に全力謝罪

ハスキーの頭も抑えて頭を下げさせる。


「いえいえ大丈夫ですよ

見事な空中キャッチでしたよ」


子供が笑顔で

「もう一回やりたい!」


尻尾を振るハスキーも笑顔で

「……俺も!」


銀髪と相手親顔を見合わせて

……両方笑顔。


「よろしいですか?」

「好きなだけどうぞ」


ハスキーと子供両方共

「「やったー!」」と走って行く。


その姿をベンチでケラケラ笑って見る

赤髪とカカポ。


通りすがりの子供がカカポを見て

「うお!見た事ない鳥だ!」

「本当だ!

ねぇ!おばちゃんこの鳥……」


赤髪メチャクチャ怖い顔で睨んで

「お・ね・い・さ・ん……な?」


「は、はい!おねぇーさん」


ゲラゲラ笑うカカポ。


「んで?」

「はいっ!

この鳥どのくらいの速さで飛ぶんですか?」


「ん?ああコイツは飛べない鳥だよ

ダチョウとかと一緒だ足速くないけどな」


「え〜!お前飛べねぇのかよ?」

「羽あんのに?」


ピキるカカポは大声を出す!

「できらぁ!!」


ーーーー

羽根をバタつかせながらドタドタと

行ったり……来たり……

たまにビョンとジャンプ……


「はぁはぁ、やるな?」

「何が?」


子供は既に

「飽きたー!」

「凧揚げしに行こうぜ!」と何処かへ行った。


そんな事は気付いてもないカカポは

柵の上に立つ。


「滑空は出来る!……筈!

ダチがやってるの見た事ある!」


足が震えてるカカポ。


赤髪が手を叩きながら

「ヘイヘ〜イ!

カカポ〜びびってる〜!」


「うるせーよ!」


「……」

「なんか言えよ!」


赤髪いい笑顔でサムズアップ。

「骨は拾ってやる!出汁まで取ってやる!」


結局煽る赤髪に

「ちっくしょー!!」と飛び出すカカポ。


必死に羽根をバタバタする!


「無理に羽ばたくな!広げて角度を取れ!」

銀髪の声に羽ばたきを止め広げて角度を取る。


落下からフワリと軌道が変わり滑空に変わる。


「おお!」


だが、進路変更が上手く出来ず

電線に引っかかる。


「もう一回!」


風に流されて看板激突してベシャっと落ちる

ハスキーは慣れた様子でカカポの首根っこを

咥え、そのままスタスタ戻ってきた。


赤髪何やら思案……手をパチンと叩く。

「……引っ張ればいけんじゃね?」


赤髪はカカポにロープ装着

Zに結び跨がるとエンジンをかける。


「行っくぞ!」

「お、おう!」


Zのヨシムラ音


カカポ全力ダッシュ!……ジャンプ!

再度ダッシュ中に銀髪のアドバイスを思い出し

羽根を大きく広げる。

角度を取る……ジャンプ!


バタバタしている足が地面を蹴ってない!?


カカポ浮く


「ちょ、マジで浮いてる〜〜!!」


赤髪振り向きながら

「おおーーー!!」と歓声を上げる!


カカポ体勢を傾けたりして左右に動く。

「スゲェ!スゲェーーー!!!」


銀髪はボソリと

「……止まれ」


カカポそのまま凧の群れに突っ込む。

糸が身体に絡む。

しかし推進力は赤髪のZだ止まらない

カカポが空で振り回され

凧やバルーンと絡まり

更に鯉のぼりの口に突っ込んで

“巨大な何か”みたいになる。


ハスキーが最短ルートで走り

ロープのテンション読み無言で制御

ロープ切れるとカカポ滑空から落下へ


でも

ギリ着地成功してコロコロと転がる。


銀髪、赤髪、ハスキーが駆けつける。

「大丈夫か?」

「んはは!骨は拾わなくていいみたいだな」


ボーッと惚けるカカポ。


「……おい!?」


空に凧

風だけ鳴ってる。


「……今の、飛んだ判定でいいよな?」


誰も否定しない


銀髪「……滑空だ」

赤髪「まあ、空を進んではいたな」

ハスキー「それ飛んだ言わない?」


カカポ「はぁ、ひでぇ目にあった」と

空に対して喜びの腰振りダンス。


町の子供が走って寄って来た。

「鳥!飛べてたじゃん、またやってよ!」


カカポはニヤッと笑いながら

「二度とやるかバカ!」

ーーーー


飛べない豚はただの豚だ」

「飛べない鳥は何者だ?」


「空を少しだけ知った鳥だ!」


ーーーー

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