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笑ってる方が楽だろ


祭りは楽しい!

家族との思い出、友人との思い出、

恋人との思い出

楽しい時間、幸せな時間。


終わらなければいいのにな!

Z2が速度を上げパオに横並びになる。


「なあ!次はどこ行くんだ?」


カカポが雑嚢から顔を出して。


「平和な所!」


ハスキーも次いで言う。


「いっぱい走れる所がいい」


銀髪は軽い溜め息を吐く……

いつもそんな事は考えていなかったし

着いてから知るのが常だったからだ。


「……そうだったらいいね」


ーーーー


着いた町は入り口から活気がある

賑わう人々、軽快な音楽に祭囃子や太鼓の音

着ぐるみのキャラクターが愉快に踊り

屋台がずらりと並ぶ。


ソースや揚げ物の香ばしい匂いに

砂糖や果物の甘い匂い


ーーーー

駐車場に車と単車を停めて看板を見上げる


【町祭り開催中!】

【期間、ずっと】


赤髪はニンマリと


「当たり引いたな」


「……」


対する銀髪は周囲を警戒する。

不特定多数の人々

屋台やデコレーションで死角が、


「突撃ー!!」


赤髪を先頭にハスキーとカカポが

屋台に向かって走る。


銀髪軽い溜め息を吐く。


ーーーー


赤髪の手には

ベビーカステラとチョコバナナ


「んー美味い!」


山盛り焼きそばに夢中でガッつくハスキー


「おいおい〜コスパ悪り〜な〜

あ、オッちゃん綿飴1つ頂戴!」


銀髪は懐に手を入れ見ているだけ……


目の前にたこ焼き


「お前も食えよ」


笑顔でたこ焼きを差し出す赤髪。


「いい」


「……楽しめよ。

お、なんだアレ!みんな行くぜ!」


人混みを駆ける赤髪だが誰にもぶつからない

滑る様に隙間を縫って行く。


ーーーー

コルクがクマのぬいぐるみに当たる。


グラついた所にもう1発。

クマのぬいぐるみが落ちる。


コルク銃を2丁持ちの赤髪。


「おいおい、そんなのありかよ?」


「2回分の金は払ってるだろ?

コレ(腰の拳銃を見せて)使わせてくれたら

特賞の

【固定してある】ゲーム機も獲ってやるよ」


屋台の店主は貼り付けた笑顔の仮面を脱ぎ……


「……あんた……」


そんな店主にニマッと


「わかってるよ!

そんな野暮な事やらねーし!

誰にも言わねーよ!だけど……」


コルク銃発射。

キャラメルの箱に命中し落ちる。


「お宅のルール内で容赦しねー」


コルク銃発射、命中。


「……プロかよ」と

笑顔の仮面を再度貼り付ける。


「まあな」


子供にクマのぬいぐるみをあげると喜ぶ子供。

近くの子供達が物欲しそうに見ている……


赤髪はニヤッと笑って

「お前達!好きなの持って行け!」


お菓子の袋を差し出すとワッと集まる子供達。


子供達満面の笑みで

「お姉ちゃん!ありがとうー!」


手を振りながらその場を後にする。


りんご飴を片手に銀髪が目を丸くして


「……珍しい」

「気分!」


楽しそうな赤髪の笑顔だが……時々

ほんの一瞬だけ目が笑ってない時があった。


直ぐに笑顔になり子供の様に駆けて行く。


ーーーー

なんか全体的に丸くなったカカポ。

「食い過ぎたー!」


口元をソースで汚したハスキーが

「まだ食べる」


そんなハスキーに

「つーかさ!一応オレ【鳥】よ?

平気で目の前でモリモリ焼き鳥食うの

やめてよ!

わかるよ!わかってるけどさ!

せめて……」


声を少し荒らげるカカポ。


をハスキーは無視して焼き鳥の屋台で


「……ネック、ぼんじり10本ずつ」


赤髪が確認してた限りで


焼きそば限界盛り2

ジャンボ肉串(各種)5

ケバブサンド2

じゃがバター(野菜枠)2

鳥の丸ごと唐揚げ1


「……化け物かよ」さすがに引く赤髪。


ーーーー


腹ごなしにメイン会場から少し離れた神社へ

歩く一同。


祭りの音も小さくなる。


赤髪は何処か遠くを見る様にポツリと


「こう言うのってさ……

一瞬で終わっちまうよな」


風が吹く。


祭り囃子が遠くで鳴る。


赤髪の目だけが、

どこか別の景色を見ていた。

ーーーー


暗転


ーーーー


祭りの音が爆発音に掻き消される


炎上する屋台


繋いでいた手の先を見る……闇。


ーーーー


炸裂音


ーーーー


カカポが空を見上げる

「おーー!花火だ!」


ハスキーが尻尾を振りながら

嬉しそうにぴょんぴょん跳ねる。


赤髪は一拍置いて


「おーー!

たーーまーーーやーーー!!」と

楽しそうにはしゃぐ。


「……」


銀髪はそんな花火に照らされた赤髪の横顔を

黙って見詰める。


「……笑ってる方が楽だろ」


花火の音に掻き消されそうに言った赤髪。


笑う赤髪の手が、

ほんのわずかに震えていた。


銀髪は気付いたが、

何も言わず花火を見上げ。


「……そういう考えもある」


ーーーー

カカポ

「あー面白かった〜」


ハスキー

「腹いっぱい、満足」


カカポ

「楽しいのずっと、終わらなきゃいい

って思ってたけどさ……」


「余韻っていうのこの

楽しかった〜また来ようと思う反面の

寂しさってのもオツだよなー」


赤髪がカカポをガシッと掴み上げ

揉みくちゃに撫でながら


「ババァになったら

またこの町4人で来ようぜ!」


「うおおおぉぉ!

なんだーー!?やめろーーー!!」


ーーーー

祭りは終わる。


楽しい時間ほど、

どうしてこんなに早く過ぎるのだろう。


だからきっと……

人はまた来たいと思う。


次も、

その次も。


失くさないようにと願いながら。


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