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シルバレッド

雨上がりの路面、水たまりに空が映る。


エンジン音が近付き

タイヤがそれを踏み潰していく。


ーーーー


ハスキーが鼻をヒクつかせて


「……また、いる」


銀髪はミラーを見ず気配で

ハスキーのセリフを理解する。


前を走る赤髪に合図しようとするが

Z2の車体を左右に振り

向こうから合図して来た。


ーーーー


前方に進路を塞ぐ様に

キューベルワーゲンが1台。


後方から2台が迫る。


それぞれ車から降りてくる。

見た目は相変わらずの

ミリタリファッションだったが

今回は弾薬ポーチ等の装具を装備している。


後方の2体は相変わらずMP40を装備。


前方の1体はG43(自動小銃)を装備し

【右腕と左足に補修後が有る】


赤髪

「挟み討ちとか、だいぶ嫌なんだけど」


G43の追跡者が無機質に


「識別完了……対象確認」


いつも無表情だった

銀髪の表情がピクリと強張る。


3体の視線が銀髪に集中しMP40を構え……


赤髪がモーゼル拳銃を乱射しながら駆け出す!

同時に銀髪が牽制射撃しながら

左右に動き照準を惑わす。

ハスキーも乱入して追跡者の動きを邪魔する。


相手は機関短銃が2に自動小銃1

こっちは拳銃2火力じゃ勝てない。


ならどうする?


MP40を銀髪に向ける追跡者。


「うおおぉ〜、らぁっ!!」


に飛び蹴りをかます赤髪!!


「撃たせねぇ!!」


G43の銃口が銀髪を狙う!!


「【シルバ】(銀髪)!!右避け!」


カカポの声に銀髪が即応する。

瞬間銀髪が居た場所に着弾!


カカポ

「次、2号が狙ってる!」


「やらせっか!」

赤髪が拳銃を向ける。


1号からの短連射する発砲音に

「ちっ!」と舌打ちしながら身を隠す赤髪。


1号は赤髪へは短連射する程度で

銀髪に銃口を向ける。


赤髪は撃たせない様に1号に射撃

3倍ぐらいの銃撃のお返しが来る!


赤髪が遮蔽物から

「おい、こいつ等【完全にお前】だろ!」


銀髪は無言で否定しない

……沈黙の肯定。


ハスキーが銀髪達と追跡者達の間を駆け回り

時に足元に絡みつき視線誘導、進路妨害

陽動に徹する。


カカポは逃げつつも全体を見渡し


「3秒後、左から1号の射撃!

犬!ライフル狙ってる、一旦隠れろ!」


赤髪は銃撃の隙間を縫い

「雑でも当たりゃーいいんだよ!

ヘイッ!こっち見ろ!!」


走りながら拳銃を水平に寝かせて発砲。

反動を利用してまた発砲を繰り返し掃射する。


掃射の中の2〜3発が追跡者1号に命中

上半身が仰反るが直ぐに持ち直しMP40を構える。


乱戦の中そこに銀髪が肩にストックを当てた

お手本の様な射撃姿勢で……


パンッ


正確に目玉を撃ち抜く。


追跡者1号はMP40を構えたまま残った目の奥の赤い光りが明滅して動きが停止して倒れる。


「あと2体!」

「まだ2体!油断しないで!」


G43での狙撃、銀髪の遮蔽物に当たる。


連発するMP40の射撃で

赤髪の頭が押さえられる。


カカポが戦況を見て


「あ〜ダメだ!

あいつら役割分けてる!

ライフルが脳みそ!

サブマシ(ンガン)が盾!って感じ

脳みそから叩こう!」


しかし銀髪が即答する。


「順番逆!

盾から壊す!その方が動き易いでしょ?」


赤髪はニヤッと「ああ!」と

乱射しながら2号へ近付く。


2号は被弾しつつも赤髪へ射撃が集中する。


そこに、

ぬるりとハスキーが足元に纏わり付き

思い切り噛み付く!

2号が足を振りハスキーが飛ばされる。


そのお陰で射撃に間隙が生まれる!

その間隙を赤髪が縫う様に駆け抜けて

MP40の銃身を掴み上げる。


赤髪はニヤッと嫌味みたいに

「熱っつ」


パンッ


赤髪の目の前で2号の目玉に風穴が空く。

2号は膝をついて停止する。


G43持ち初めて遮蔽物に身を隠す。


「戦力6割り低下、戦術変更」


G43持ちは下がっては身を隠して撃ち

下がっては身を隠して撃ちと

赤髪の接近を許さない。


射撃音に反応し遮蔽物に飛び込む赤髪。


「チマチマ、チマチマ、うっぜ!」


銀髪はG43持ちの動きを見て……


「次、撃つ位置は決まってる」と

わざと射線に出る。


すかさずG43が銀髪を狙う。


カカポが叫ぶ!


「今っ!」


死角から赤髪が飛び出し

G43を脇に抱える様に抑え

銃をもぎ取る様に回転する。


頑なに銃を離さない追跡者の指が

ペキペキと嫌な音を立てる。


赤髪は構わずその回転力を使い

バックブロー!顔面に直撃!


G43持ちは仰反りそうになりながら

左の拳を赤髪に叩き込む!


赤髪は「いがっ!」と

奇妙な声をあげ距離を取る。


銀髪の追撃!

顔をガードする腕に命中。


追跡者は更に距離を取る……

G43の用心金(トリガーガード)に折り曲がって絡み付いていた指を無理矢理離す……

グーパーしようとするが

人差し指がまともに動いてない。


「……右腕撃発機構損傷、戦闘効率低下」

「対象再定義――変異因子個体。

危険度上昇。

複数戦闘個体認定。

対変異因子戦術、更新不能


G43持ちが少し考える様に止まる……


「何ゴチャゴチャ言ってんだー!」

赤髪がとどめとばかりに駆け出す。


G43持ちはゆっくりと

左手に持ち替え、小銃を片手で射撃。


びくりとする赤髪。


銃弾は停止していた2号に命中する。


「ははっ、同士討ちか?」


ハスキーが鼻をヒクつかせると


「皆んな伏せろ!」

叫ぶと同時に身を伏せるハスキー。


即応して地面に伏せる。


2号の身体が波打つと炸裂!

連動する様に1号も炸裂して鋭い破片と共に

ネチャついた何かも撒き散らす!!


ーーーー


バケツに頭から突っ込んでいたカカポが

「ぶはっ!」と出てくる。


ハッとG43持ちが居た方向を見るが

既に居なくなっていた。


銀髪が咳をしながら立ち上がり周囲を見渡す。


眉間に皺を寄せ。


「……自爆させた」


赤髪が頬をさすりながら歩いて来る。


「痛って〜

とりあえず、追い払った……でいいよな?」


ハスキーが周囲のニオイを嗅ぐ……

「……大丈夫っぽい」


暫く沈黙。


赤髪が口を開く。


「……何やったんだよ?」


銀髪は目を伏せる。


「やるべき事をやっただけ……」


赤髪はその場に胡座をかくと


「じゃあさ〜」


少し考えてから


「巻き込まれてる感じか」


銀髪は俯向き歯を食い縛る。


「……たぶん」


その声は

今までで一番小さな声だった。


ーーーー


追跡者達との戦闘後しばらく走った後。


赤髪がふと思い出したように言う。


「そういやさっき、【シルバ】って何だよ」


カカポが胸を張る。


「いや、銀髪の名前ねーし!

銀髪ってカッコ悪いし!

銀→シルバー→シルバ!」


「雑!」


「咄嗟だったんだよ!」


赤髪がニヤつく。


「じゃあ、あたしは【レッド】か?

なぁ、シルバ?」


銀髪無言。


カカポが一瞬考える。


「……」


赤髪「おい、何か言え」


カカポ

「2人合わせて〜〜」


「……」「……」


「言わない」

「言わねぇ〜よ!!」


並んで走る2台。


前より少しだけ距離が近くなった気がした。


ーーーー

【シルバレッド】

ーーーー


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