曽お祖母様のお話は壮大な冒険譚すぎて、1日では収まらない物語ですよ?
「さて、何からお話しましょうか。まず私が前世から覚えていることをお話しましょうか?だけど、きっとディアナちゃんとリリィさんにとって、とても衝撃的なことかもしれないわね。」
「曽お祖母様、、、お祖母様が私たちと同じ転生者であること以外、驚くことがあるのですか??」
アイリス曽お祖母様の、これまでの軌跡を聞くのだろうと思っていた私たち。けれど、それが私たちにとっても衝撃的なのは、どうしてなのだろう。
「ふふ。リリィさん、貴女はなんとなく、気付いているのかもしれないわね。」
「……えっと、何となく。ですが、記憶にデジャヴを感じる程度だったんです。それに、私は、そんなに濃い、瞳の色は持っていなくて、、昔から、ぼんやり、頭に霞がかった程度の、記憶、なんです、、、」
バツが悪そうに、リリィちゃんが曽お祖母様の質問に答えています。私の方をチラチラと、申し訳なさそうに見ながら話してくれています。
「……ディアナ様!ごめんなさい!!先日、ディアナ様からお話いただいた時、ちゃんと私も言っていれば良かったんです。。。だけど、ごめんなさい。。言い訳みたいになってしまうんですが、ディアナ様のようにハッキリとした記憶が残っているわけでもないし、この瞳の色を隠すために、我が家に受け継がれてた魔法を使っていたんです、、、だから、言ってしまって良いものなのか、、、わかりませんでした、、ディアナ様は、大切な秘密を、私に話してくれているのに。。私は、自分では決められなくて。。。実家に帰った時に、お母さん、、母に、どうしたらいいか、相談をしました。もちろん!ディアナ様のことは伏せてあります!!大切な方。友に、話しても良いものか、聞いていたんです、、、」
顔を伏せ。
まるで、懺悔をするかのようにリリィちゃんが教えてくれました。。。
その瞳の色の変化術が、リリィちゃんの母方の家系に受け継がれる魔法技術によるもので、光属性を持つ子孫が使える技術だということ。
それも、元々祖先が貴族の次男で、市井に降りて付呪師として受け継がれていた技術なのだということ。
なんと!曽お祖母様のお話の前に、こんな事実を聞けるなど、思ってもいませんでしたよ、、
なのに、まるで訳知り顔のような曽お祖母様。
なんだか、私たち2人して、曽お祖母様の掌の上で踊らされているみたいですね。。。
「あらあら。ディアナちゃん。そんな、恨めしそうな目で私を睨まないでちょうだいな。。ちょっとした、お話前の導入よ?これから話すお話に、ちょっと関係することだから、出来れば、秘密はナシにして、ここから話しておきたかったの。」
そう、曽お祖母様は、ニコニコとして仰りますが、その声は真剣な様子が伝わります。
「リリィちゃん。。。仕方ないわ。家のことが絡んでいるなら、おいそれと話すことも、難しいもの。それに。私は私のことを、貴女に聞いてほしくて勝手に話したことだし、それだって、ルルたちが居ればこそ、安心して自分を話して良いと、思えたから。だから、リリィちゃんにも話したの。ほら!今はリリィちゃんも教えてくれているし……私は、気にしていないから、そんな悲しそうなお顔をしないで??」
そう、リリィちゃんへ慰めの言葉をかけます。
「……ディアナ様、、!!私、薄情なのに、こんな、良くしてもらって、、!学園でだって、気にかけてもらって、ホントに、嬉しいんです!!……なのに、、ごめんなさい!!でも、ちゃんと言えなくて、、本当に、ディアナ様の気持ち、感謝しかないんです!ありがとうございます!!」
ガバリ、大きく頭を下げる彼女は、いつものように、何事にも一生懸命で、可愛らしいあの子のままでした。
だから、私もこれ以上には詮索をせず、むしろ当初の目的にかかることにしました。。
「さあ、お2人さん。話を続けるわね??」
コクリ、私とリリィちゃん、2人して顔を見合わせ頷きます。すると、満足そうなアイリス曽お祖母様が……
「私、この世界の正式名称、知っているのよ?2人は、分かるかしら??」
「へ?正式名称??」
「……私も、名前までは覚えていないんです、、、だけど、きっと、そうなのだなって、、、」
「あら、やっぱりリリィさんはこの世界のこと、分かるのね。……ね、ディアナちゃんも、転生した時感じなかった??ゲームみたいな‘設定’がある世界観だなって、、」
それは、生まれた時に思っていたこと。だけど、成長するにつれ、この世界はゲームみたいな単純なものじゃないと知ってしまったから。
それは単なる、私の妄執だったのだと思っていたから、そんなものはないと考えていた。
別の世界で、新しい生をもらった私は、この世界で、私の、私だけの、新しい生き方をするのだと、切望していたのだ。
それが、どんなに自分勝手だとしてもです。。。
そう、思っていたくらいですから、、まさか、本当にこの世界が物語とは思ってなどいなかったんですよ?
すると、曽お祖母様が。。。
「【光る君に焦がれる僕に祝福を】…これが、この世界のゲームタイトル。そして、ディアナちゃんとリリィさんの2人は、悪役令嬢とヒロインなの。リリィさんは、なんとなく気付いていたんじゃないかしら??」
曽お祖母様から、何だかマニアックそうなゲームの名前が飛び出してきました。それに驚いていたからでしょうかね?ルルから。
「お嬢様、、、お口が開いたままとなっています、、令嬢としてあるまじき行為ですので、お閉じくださいませ。」
れ、冷静なツッコミです、、、
まっっっったく!私たちの、このゲームとかの話が、どうでも良い虚言のように、ルルは振る舞いますね、、、
いや、まぁ。その心意気は、従者の鑑ですがね、、?
「……。曽お祖母様、、タイトルが、、何だかちょっぴり、いえ、かなり、コアな作品でしたか??」
ちょっと気になるところです。私が悪役として花を咲かせる作品なんです。
気にかけても、バチは当たらないですよね??
「ええ。良くわかったわね。そうよ。この作品、ヒロインであるリリィさんが、ヤンデレの攻略対象であるリアム君や第二王子であるジュリアン・アーサー・ウェスト様たちをヤンデレなんかにしないように、ハッピーエンドを目指す作品なの。バッドエンドやトゥルーエンドだと、漏れなく全話、ヤンデレ展開になるのよ。」
ええー、、やっぱり、なのか、なんなのか。私のお兄様とジュリアン様、攻略対象者でしたよー、、、
そしてちょっと嬉しそうな言い草の、アイリス曽お祖母様です。。。
「あの。。よろしいでしょうか、、?」
おお、リリィちゃん、どうしたんですかね??
やっぱり、驚きますよね!お兄様たちのこと。それに、ヤンデレとか、聞いたことない単語ですよね。説明、ほしいですよね。。
そう、頷きながらも、曽お祖母様と2人して、話を続けるよう、リリィちゃんに注目していると。
「その、アイリス様はどのようにこの世界が、ゲームと同じ世界とお気づきになったのでしょうか??恐らく、私たちが生まれる前の世界では、私たちがおりません。それに、歴史の講義で聞くこの国と、今の国の在りようは、全く異なる装いだったのではないでしょうか??」
おぉ!そっち!!お兄様たちやヤンデレの単語に興味はなかったようです。。。
でも確かに。よく気が付きますね、リリィちゃん。
やっぱり、聡い子です。何だか私の方が、自慢げになってしまいます。
「あら、よく気付いたわね。そうね。この作品、ファンブックもちゃぁんと、あったのよ?内容が内容なだけに、一部のコアなファンをたくさん獲得してたからかしら。すごく作り込まれた世界観、それが載っていたの。ディアナちゃんの生家と、クロエのいる家系。それに、私自身のいるアッシュフィールド家までわかる家系図。超図解版、キャラの全部を根掘り葉掘り。そんな売りだったわ。あ、家系図はもちろん、ディアナちゃんだけじゃないわよ?主要キャラ全部の、生い立ちと、過去の因縁。全部網羅された完全版よ。」
なんだか、すごく、いえ、かなり怖いこと、言われた気がしますよ、、?
今の自分のことではないですけど、本来の私の生い立ちを、知らないところで完全版として出版されている。なんか背筋が、ゾクゾクしますよ??
ほら、リリィちゃん、引いちゃってますよ?
「そ、それは、、、何だか、知ってはならないことまで、知ってしまいそうですね、、アイリス様。大変恐縮なのですが、あの。。、私の知っていないような情報までは、把握したいと思えませんので、、、出来れば、その箇所になるようなところは、伏せていていただけますか??」
「それは、もちろんよ。私も、今はこの世界の住人の1人になっているのだから、不要ないざこざまでは、望まないわ。それに、世界の在りようは、今は全く変わり出してしまったから、、」
ふわり、曽お祖母様は、少し困ったような、柔らかな微笑みを私たちに向けてくれます。どうしてなのか?
疑問になります。
「お祖母様?変わり出したとは、どういう意味なのでしょう??」
きっと、その部分がキーとなる内容なのだろうと思うので、私もきっちり、疑問を投げかけます。
「それは、、貴女の、‘本来’の、生い立ちにあるのよ。。。」
やっぱり、少し困った顔をする曽お祖母様です、、
リリィちゃんと顔を見合わせてしまいます。。
すみません、展開のためリアムたち、微修正しました。。。




