曽お祖母様に、会いにきました。そして、、
さぁ、本当に、あっという間にアッシュフィールド家に到着しましたよ。
リリィちゃんと離れていた1ヶ月。
私が領地でしていたことや、リリィちゃんの故郷での友人たちとの話など、どんな時間を過ごしていたのか、聞いて、話して、、
そうしていたら、直ぐでした。
それでも話し足りないほど、リリィちゃんとたくさんお話しできましたよ。
まぁ、お友だち歴は私の方が短いですが、他の子に負けないくらい私だってリリィちゃん、推してますよ!
なんて、話を聞く度、対抗してました、、、
私の心、狭すぎですね。。。昔から変わらないほど、どうしようもない、狭さなんですよね。
だけど、そんな私の心とは比べられないほど、対照的な広さなんです。
この、アッシュフィールド家の領土は。
我がシルヴァン家以上に広々としていますよ。
だってそれはそうですよね。‘辺境伯’なんですから。
うん。
本当に、広大で力強い田園風景が、目の前に広がっています。。。
秋に向け、その穂が青々と眩しいくらいに広がって、その先の向こうには、脈々と山あいが連なり、その土地の広大さが目に見えてわかり、畏怖すら抱くほどにこのアッシュフィールド家の権威が伝わります。
まさに‘辺境伯’の名に相応しい。
それほどまでに、建国当初から統治されていたその歴史と、格式を持つ一族なのだとヒシヒシと、伝わってきますね。
そして、元王族でもある曽お祖母様の、嫁いだ領地でもありますから、それくらいには雄大な広さと強さが必要なんでしょうね。。。
ああ、ほら。そんな取り留めのないことを考えていましたが、時間どおり到着した私たちをアイリス曽お祖母様が、お出迎えに来てくれています。
とても優しい微笑みで迎え入れてくれてますよ。
「お久しぶりね。ディアナちゃん。お元気にしていましたか?」
「はい、アイリス曽お祖母様。大変お久しぶりでございます。中々会いに行かずに、ごめんなさい。。」
入学前に会ったきり。初等部に入った後にも来なかったくせに、こんな自分都合で、頼るために来るなんて、ひ孫失格ですね。。。
「いいえ、そんなことはないわ。こうやって思い出して会いに来てくれるだけで、私は、嬉しいもの。」
ふわり。
柔らかく、優しい微笑みは、まるでお母様と同じ。こちらを安心させるような優しい微笑みです。
だから、ああ。
そんな優しさにつけ込むように、私は私の我が儘のため、曽お祖母様を、頼ってしまいます。
なんて、ひどいひ孫なのでしょう。
「ああ、曽お祖母様。そんな、お優しいお言葉を掛けていただけるなんて、ありがとうございます。。。そしてごめんなさい。先にお母様からも伝わっていると思いますが、本日は学友であるリリィさんもお連れしていますの。とても、仲良くさせてもらっている方なんですわ。」
だから、お願い。袖にしないで。。。
そう、目を向けます。
一応、といいますか。公爵令嬢である私も高位貴族でありますが、それと比べられないほど高位であるのが、元王族の肩書も持つ、前辺境伯夫人が、私の曽祖母です。
ほら、とても身分が高い方になりますよね。
だからリリィちゃん、身分的には市民になってしまうので、曽お祖母様に線を引かれてしまったら、来た意味がなくなってしまいます。
だから、先程の罪悪感とは裏腹に、リリィちゃんが良い子だと分かるように、なんとか先制して、捲し立てるように彼女の説明をしてしまいます。。
「あらあら、お話は聞いているわよ。そんなに慌てて伝えなくても、大丈夫よ。」
私の気持ちなど見透かす様な微笑みで、曽お祖母様は仰ります。
すると。
「お、お初にお目にかかります!!わたし、リリィ・フランソワといいます!本日は、よろしくお願いします!!」
ガバリっ、そう効果音が聞こえるくらい勢いよく頭を下げるリリィちゃん。
こんなところも、真面目な子だと感じられて好感が持てます。だから私も、彼女のことを信じられます。
ほら、曽お祖母様がその大きな身振りに驚きながらも、優しい微笑みを彼女に向けてくれていますよ。
あぁ、良かった。
やっぱり曽お祖母様は、優しくて温かな、度量のある方なのだ、そう、嬉しさに安堵します。
「まあ。しっかり挨拶のできる方なのね。ディアナちゃんに、こんなにいいお友だちができて、私も安心しているわ。」
フワリ、上品な貴婦人が私たちに微笑みかけてくれます。。。ああ、良かった。これで、アイリス曽お祖母様の、お話を一緒に聞くことができる。
そう、安堵しました。
「あら、リリィさんはヴァルト領のご出身なのね。それは、ご苦労もあったでしょうね。今も勉学に励んでいて、とても勤勉な方なのね。」
優しく曽お祖母様は微笑んで、リリィちゃんとお話をしてくれています。私も、リリィちゃんは良い子だと思います。それは、最初から思ってましたけどね。なんて、ちょっとドヤ顔してしまいます。
「ふふ、リリィさん本人よりも、ディアナちゃんが、とっても嬉しそうね。」
口に手を当て、上品に曽お祖母様は笑っています。
「それは、仕方のないことだと思いますわ。だって、リリィちゃんは初めて会った時から、とても明るくてハッキリしてて、、それでいてご自身のお立場も理解してらっしゃるから、距離感もしっかり気配りが出来て、、、学園でも色々な方と交流もするくらい、社交的なんですよ?だから、というのもおかしいですが、目の離せない魅力がいっぱいですわ。」
「そ、そんな!!ディアナ様!買い被りすぎですよ?!周りに迷惑かけないかなってオドオドしているだけで、私、そんなに気も使えないですよ?!それに、むしろディアナ様が良くしてくれているから、皆さんも私に気を掛けてくれているんですよ、、」
ああ、またまたリリィちゃん、謙遜してますね。
リリィちゃんの魅力は学園でもしっかり勉学に邁進して、勤勉で優しいところ。それに、皆さんと交流だって、ちゃんと満遍なく行うから、皆んなリリィちゃんに話しかけていますよ?私がいないところでは、、
私はほら、マリー様以外にお友だち、リリィちゃんしかいないくらい、他に交流しようとしないから、お友だち少なめなんですよ?だから、私がリリィちゃんのところへ行くと周りは散っていきます、、
あ、なんだかちょっと悲しい気持ちに、、、
いやでも、市民っていうだけで大変だろうに、学園の皆さんと交流もして陰口も叩かれないなら、上出来では??
ああ、でも一時は私のせいで大変危険な目に合わせていたのが心苦しいくらいですよ。。。それがなければ、とても世渡り上手な子ですよ、リリィちゃん。人に好かれる才能ありますよね。
「まぁ、2人して相手を褒め合うなんて、仲がいいのね。」ニコニコと曽お祖母様が、私たちお話ししてくれます。
「ええ、学園では、同じ科目の時はよく一緒に講義を聞いていますの。」嬉しくて、ポロポロと、曽お祖母様に自慢しちゃいます。
「ディアナ様には良くしていただいており、大変有難いです。。」リリィちゃんが、曽お祖母様へお話しします。
「ふふ。本当に、2人は仲がいいのね。それに、そんな強かさがまるで、2人ともゲームのヒロインの様だわね、、、」
何だかニコニコとずっと微笑んでいた曽お祖母様から、すんばらしくも、懐かしい、ここでは聞き慣れない、そのお言葉が聞こえてきて、私は1人、固まります。
いえ、訂正します。2人固まります。
リリィちゃん、肩がピクリと、揺れていました。。
ああ、特大の爆弾が投下され、何かが動き出す、それを確信しました。。。




