友人たちとの時間は、得がたい安らぎがあります。①
同じ‘時間’なのにどうしてだろう?と考えても、ジュリアン様たちとの時間は、ずっと昔から変わらない時間。だからこそ、私にとっては大切な宝もの。
この世界に生まれ変わった時から、彼らとの時間は、他の人と過ごす時間とは何処か違ってて、、、彼らとの時間は家族と同じくらいにあったかくて。。。
どんなものよりも代え難い、私にとっての安らげる時間なんです。
だから、今この瞬間であっても彼らとお話しができる時間は嬉しくて、楽しいのです。
例え、少し前より道を違えることを、約束されていたとしても。そして、未来へと進むその先に、ジュリアン様やキャシー様たちとの関係が変わることを知っていたとしても。。。
「ジュリアン様、いらっしゃいませ。お久しぶりでございます。本日はお会いできて嬉しいですわ。」
なんて、聞き分けの良い大人のように、スカートの裾を掴み、澄ました態度で振る舞います。だけど、彼も先日の頃から心得ていたみたいで。
「うん。ありがとう。こちらこそ、久しぶりに会えて嬉しいよ。」
私の態度に驚くことなくニコリ、自然な王子様スマイルを向けてくれました。
やはりジュリアン様は、聞き分けのいい大人なのですね。私の気持ちを汲んで、全くのスマートな返答をしてくれます。それに。
「お久しぶりですわ。ディアナ様、リアム様、そしてジュリアン様。」
ニッコリ。嬉しそうに、それでいて上品に、微笑みかけてくれるキャシー様。
本当、キャシー様って公爵令嬢然としていて、とても美しい皆んなのお手本という感じですね。
お2人とも、久しぶりに会えたというのに、昔の頃とは違った仮面を被ったような笑い方。まるで冷めた社交場で探り合いをする大人かの様に振る舞っています。
けれど、次に見せる表情は昔のままで。
むしろニヤニヤと、分かっているような、いたずらっ子のような、笑い方です。
「ふふふ。皆さま、お元気そうですね。」
「ええ、そうですわ。私、本日は楽しみにしてましたもの。」
‘本当’を見つけて、嬉しくなって。キャシー様とそう、笑い合いました。
「本当だね。少し前まで学園でも会っていたけれど。久しぶりという程には短かい間かもしれなくても、僕も2人に会えて嬉しいよ。」
ニコニコと、お兄様が私たちに同意してくれます。
「それは嬉しいですわ。私も皆様とお久しぶりにご一緒出来るのが、楽しみでしたもの。」
そう、キャシー様が声を掛けてくれます。
「私、待ちきれませんでしたわ。お2人といる時間ってまるで、幼い頃に戻ったかのようですから。ホッとできるのです。だから、私も楽しみでした。」
「何だか面映いな。そんな風に思ってもらえているなんて、僕たち来た甲斐があったものだよ。」
「ええ、本当に。私、こちらに伺うまで、気持ちが逸って目も冴えておりましたもの。ですので、あまり眠れていませんでしたわ。。」
イタズラをするような言い方をするキャシー様。だけど、本当に目の下にうっすらクマが見え隠れしているのは、旅程の長さの疲れだけでなく、楽しみにしていてくれた証拠なのでしょうね。。。
だから、その気持ちを込めて、お礼をしようと。。。
「キャシーさ『キャシー』。。。」
「気づかなくてごめんよ。疲れてないかい??目の下にクマまでみえるよ。。。早く身体を休めようか?」
「リアム様ったら、大袈裟ですわ?」
……お兄様が、私の言葉を遮る勢いで、前のめりにキャシー様を労っています。
その様子を苦笑しながら、顔を見合わせる私とジュリアン様です。。。。
「楽しいお出かけをされていたんですね。ご友人とのお揃いも、羨ましいです。私たちもご一緒したいですわ。そうお思いになりませんか?ジュリアン様。」
「あぁ、そうだね。それに、領地の方でも楽しい時間を過ごせていたんだな。良かったよ。」
長期休暇に入ってから、今日まで、どれだけ充実した時間を過ごせているのか、2人にお話をしました。
もちろん、前公爵の件は、伝えませんよ?話したって、心配掛けるだけですからね。
それとお兄様、話の中でキャシー様に先日のお買い物で選んだプレゼントを渡していました。キャシー様ったら、嬉しそうにはにかみながら早速着けていましたよ。やっぱり、キャシー様によく似合うデザインのブレスレットでしたね。
なんだか、今日のドレスとも合っていて、魅力もぐんと上がったみたいですよ?なんて、いっぱい褒めちぎっちゃいます。お兄様なんて、デレデレとキャシー様に見惚れていますよ。。。
それから、私たちの休暇中のことだけじゃなくて、2人が休暇に入ってから今日までしていたこと、楽しんでいたこと、実家の都合で慌ただしくしていたこともたくさん、たくさん、日が傾く時間まで、いっぱい話していました。。。
話が尽きない私たち、夕餉も一緒に摂りながら、私が辺境伯領に行く日も迫っていることも話して。
せっかくならと、子どもの頃にしたように、ジュリアン様たちとお出かけをしようと、話しています。
「ぜひご一緒したいです。せっかくここまで来てくださってるのですもの。私たちと色々見て回りましょう??」
「嬉しいわ。私、このシルヴァン領の街並みが好きなのですわ。子どもの頃から賑わっていて、どこの所領よりも住んでいる領民が、生き生きとしていますもの。」
「確かに、僕らが幼い頃からこの領地の民はとても幸せそうだ。きっと、リアムたちのお父上の施策がとてもいいのだろうね。とても幸運なことだ。。」
「ありがとうございます。そのように褒めていただけるなんて父も喜びますわ。」
ふふふ。お父様を褒められて、私も鼻が高いですよ。それに、2人ともこの街を好きだと言ってくれるから、もっともっと、この領地のこと、私も大好きになっちゃいます。だから、ということでもないんですが、今は実家に帰っていて、別行動をしているリリィちゃん。彼女にも、私たちの自慢の領地、その雰囲気を見てほしかったと思っちゃいます。
どうしてでしょう?そろそろ辺境伯領への出発が近づいているからですかね。
私のこれからの行動に、何かが変わる予感がして、何だかソワソワと落ち着かないですね。。。




