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ドリームズ ~夢を叶える者達~  作者: HAKU
No.01 希望の『パンドラ』
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第三章 無垢なる悪魔

 俺は昨日、不老不死になった。

 それを試す術がないのが残念だが。


「健一〜。ご飯よ〜。」


「は〜い。」


 俺は、母に呼ばれリビングへと向かう。


 ──────────


「そういえば、昨日なんか楽しげな歌が聞こえてたけど、最近の流行りの曲か何か?」


「え?」


「ちゃんと勉強もしなさいね。」


 昨日の歌というのは、パンドラの歌の事だろうか。

 パンドラの声は他の人にも聞こえるということか。

 食事を終え、自分の部屋へと戻る。


「『あ!おかえり!ケーちん!! 見て見て!彼シャツ~。』」


 部屋では、パンドラが俺の高校の制服を着て、遊んでいた。


「返してくれ!」


 俺は、「『いや~ん。』」とふざけているパンドラから制服を奪い取り、その後彼女に言う。


「そういえば、お前の声って、箱を持ってない人にも分かるんだな。」


「『そうだよ~。』」


「なら、外ではなるべく姿を見せず、俺に話しかけないで貰えるか?」


 パンドラは少し考えて言う。


「『う~ん。ちょっと寂しいけど~。それがケーちんの望みならいいよ。外で会えなくなるだけと、『パン』ちゃんの価値がなくなるのを選ぶとしたら、断然前の方がいいもん。』」


 パンドラはそういうと、自らの箱に触れ、その箱から漏れだす光の中へと消えていく。


 ──────────


 昼休み、俺は再びため息をつく。

 俺は再び、いじめをしている奴を止めることが出来なかった。してるいじめは、お金を取るという犯罪レベルの事なのだが、皆あいつが怖くて何も言えないのだ。

 俺は昼休みに、校舎裏でパンドラを呼ぶ。


「『あれ~?お外じゃあまり話したくないんじゃなかった?いいの?』」


 首をかしげるパンドラに俺は頷く。


「ああ。そんなことより、1つ願いを聞いてくれないか?」


「『うん?な~に?』」


「いつもいじめをしている、(はじめ)のいじめを、やめさせたいんだ。なんとかならないかな?」


 俺の言葉に、パンドラは頷いき小さな箱を取り出す。


「『おっけ~。じゃあ、この箱に触れてね!』」


 俺がそれに触れると、また、視界が一瞬だけ青く染まる。

 パンドラを箱へ帰し、午後の授業の準備をしようと、教室に戻る途中。階段の方から甲高い悲鳴が聞こえた。

 俺が階段に向かうと、そこには、別クラスの(かける)と、一が階段の下で倒れていた。


 ──────────


 詳しい話を聞くと、一は、階段から転んだ翔とぶつかり、そのまま2人とも会談の下に落ちたらしい。2人は入院をすることになった。

 俺は放課後、すぐに家に帰ると、パンドラを呼びだした。


「おい!今回の事故。もしかしてお前がやったんじゃないだろうな!」


 俺が怒鳴って詰め寄るが、パンドラはそんなこと気にせず答えた。


「『そうだよ~。だって、怪我して入院したらいじめなんて出来ないでしょ?』」


 パンドラが笑顔で言った後、彼女は悩むように胸の前で腕を組む。


「『でも、おかしいなぁ。『パン』ちゃんがお呪いを掛けたのって、ハジっちだけのはずなんだけどなぁ。もしかしたら、『パン』ちゃんの仲間が関係してたのかな?』」


「お前、仲間がいるのか?」


 俺の疑問に、パンドラは笑顔で返した。


「『うん。いるよ~。皆が『パン』ちゃんみたいに、何でもかなえられるわけじゃないけどね。それぞれが、それぞれの特技を使って、皆の望みを叶えているんだ。』」


 パンドラの笑顔を見ると、全く悪意なんてないのだろう。だが、彼女と、その仲間は、一のいじめを無くす為だけに、彼を入院させたんだ。

 彼女達には、まともな善悪の区別がないのかもしれない。

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